猫が飼い主に対して背中を向ける行動は、一見嫌悪の表れに見えるかもしれません。しかし、実際これは猫にとって非常に深い意味を持つ行動なのです。

1．猫が飼い主に『背中を向ける』理由5選

1‐1．信頼している

猫が飼い主に安心して背中を見せる行為は、深い信頼関係が築かれていることを示しています。

通常、猫は警戒心が強く安全だと感じない場所や相手には、決して背中を見せません。背中を見せたら、攻撃されるかもしれないからです。

しかしそれを平気で飼い主に預けるということは、それだけ心を開いている証拠といえるでしょう。

つまり飼い主に対して、猫は「あなたはわたしを傷つけない」「わたしはあなたに敵意がない」という気持ちを表しているのです。

これは生活のなかで築き上げられた信頼関係があってこその行動であり、愛猫からの愛情表現だと思っていいでしょう！

1‐2．安心している

猫が飼い主に安心して背中を見せる姿は、まるで無防備な子猫のように可愛らしく、飼い主の心を温めますね。

そしてこの行動は、すっかり安心しきってリラックスした状態を表しているとも考えられます。

先にも述べましたが、猫は安全だと感じない場所や相手には、決して背中を見せません。

つまり飼い主に対して背中を見せながら休んでいるのは、猫が「あなたのそばは安全で、安心して眠れる」という気持ちがあるからです。

とくに背中を向けて深い眠りについている場合は、これ以上ない安心感を得ているのかも…飼い主がいる空間を「自分の居場所」として受け入れ、心からくつろいでいる状態といえるでしょう。

1‐3．あいさつをしたい

猫が飼い主に背中を見せる行為は、猫のあいさつの一つである場合があります。

猫同士のあいさつは、顔を近づけて互いのにおいを嗅ぎ合うのが一般的ですが、信頼関係が築かれた相手に対しては、お尻のにおいを嗅ぎ合って挨拶をするパターンもあるのです。

同じように飼い主に対しても、お尻の方を近づけてくるのは「お尻を嗅いでも良いよ」という、いわば「あいさつしよう」というサイン。

猫が飼い主を仲間の一員として認識しており、その証として、このような行動を取るのですね。

もちろん、猫の行動は個体差が大きく、全ての猫が背中を見せることであいさつをしているわけではありません。

しかし愛猫が背中を見せた時は、「信頼してくれているんだな」と、温かい気持ちで接してあげましょう。

1‐4．かまってほしい

猫が飼い主に背中を向ける理由の一つとして「かまってほしい」という気持ちが考えられます。

一見無関心に見える行動かもしれませんが、実は飼い主の注意を引こうとする猫なりのアプローチなんですね。

とくに背中を向けながら猫がチラチラと振り返ったり、腰を高くあげるポーズが見られたら「もっと近くに来て遊んで」「はやく撫でて」といった要求の表れだと思っていいでしょう。

少しの間でも遊んであげたり、優しく声をかけたりすると猫はとても喜ぶはずです。

1‐5．守ろうとしている

猫が飼い主に背中を向けるのは、時として「守る」という意味も含まれています。

実は猫は大切なもの（所有物）を守るために、自分の体を盾にすることがあります。

これは猫がテリトリーを守るときに、テリトリーに侵入してきたほかの動物に立ちはだかるのと同じような本能的な行動です。

飼い主に対しても、見知らぬ人が来た時などに背中を向けて座り込む行動を取ることがあります。

これも飼い主を「守るべき存在（所有物）」として認識しているからであり、自分が警戒して周囲の様子を伺いながら、飼い主をライバルや天敵から守ろうとする行動なのですね。

2．まとめ

警戒心の強い動物である猫が、自分の後ろ姿を見せるというのは、その相手をとても信頼しているからと思っていいでしょう。

そのためもし愛猫が背中を向けてきたら、見守ってあげたり、優しく触れてあげてみてください。猫のキモチも幸せになるはずです。