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朝ドラ、ディズニー映画で注目の吉川愛が『カラフラブル』に主演。かわいいラブコメで目指すものは?

斉藤貴志芸能ライター/編集者
ドラマ『カラフラブル』に主演している吉川愛(読売テレビ提供)

朝ドラ『おちょやん』の富山弁の女給役が話題を呼んだ吉川愛。ディズニー映画『ラーヤと龍の王国』の日本語版では主人公の声優を務め、さらに今月スタートした連続ドラマ『カラフラブル~ジェンダーレス男子に愛されています。~』(読売テレビ・日本テレビ系)で初の主演。かつては天才子役と呼ばれ、高校時代に一時は芸能活動を離れたが、復帰後にさらなる活躍を見せている。波に乗る現在の胸の内を聴いた。

同じ演技にならないことは意識しています

――朝ドラにディズニー映画に連続ドラマ主演と、最近すごく好調ですね。ここ数年で何かを頑張ってきた結果が出ている感じですか?

吉川 あまり意識はしていません。お仕事をいただいて、ひとつひとつ挑戦して積み重ねてきたものが、実を結んでくれていたのなら、いいなと思います。

――女優として力を入れてきたことはあるんですか?

吉川 同じ演技にならないことは、ずっと意識しています。似たような役をやらせていただくこともあったのですが、作品ごとに変化をつけられるようにしてきました。

――確かに、恋愛モノのヒロインは内気な女の子が多いとか、ありますからね。自分の中でやりやすい役とか、難しい役というのはあるんですか?

吉川 あります。ずっと笑顔でかわいらしい子は、あまり得意でなかったり。『カラフラブル』の和子(わこ)ちゃんは自分と大きな共通点があって、共感できるところが多いから、すごくやりやすいです。

――その共通点というのが……

吉川 オタク気質なところが似てると思います(笑)。

――吉川さんはアニメオタクとのことですが、そんなに昔からではないですよね?

吉川 『約束のネバーランド』がきっかけでアニメにハマったので、2年くらい前からですかね。

――『約束のネバーランド』の原作は、去年最終回を迎えました。

吉川 読んで泣きました。感動して、すぐ友だちに「見て!」と連絡しました。今回、(W主演の)板垣季光人さんが『約ネバ』の実写映画版に出ていらしたので、共演が楽しみでした。

ドラマ『カラフラブル』より(読売テレビ提供)
ドラマ『カラフラブル』より(読売テレビ提供)

かわいい同士のカップルにキュンキュンします

『カラフラブル~ジェンダーレス男子に愛されています。~』で吉川愛が演じるのは、新人漫画編集者の町田和子。高校時代の後輩で女性と間違うほど美しい相馬周(板垣李光人)と惹かれ合っていく。

――『カラフラブル』もマンガの実写化で、原作に寄せている部分はありますか?

吉川 もちろん原作の和子ちゃんのことは意識はしているのですが、衣装合わせのときに、監督が「吉川さんらしい和子ちゃんを演じてください」と言ってくださって。撮影現場では相談しながら、自由に演じさせていただいています。

――原作を読んで、「このシーンはやってみたい」というところもありました?

吉川 周(めぐる)くんが「和子ちゃんは数秒でメイクが終わる」と言う場面があって、「どうやったら、そんなにすぐ終わるんだろう?」とすごく気になりました(笑)。もしドラマでも数秒でメイクをするシーンがあったら、撮影が楽しみです。

――和子と周のラブラブ的なシーンは?

吉川 「かわいい同士だと、こんなにキュンキュンするのか」という場面がありました。“カッコイイ”と“かわいい”の2人のお話はよくあると思うのですが、“かわいい”と“かわいい”って、何だかいいなと感じました。

――原作では、周が和子に「手をつないで帰ろう」と言って、頬にチュウされたりもしてましたが、ああいうのは女子として憧れですか?

吉川 世の中の女性はたぶんキュンキュンくるんだろうなと思います。私はアニメをキャラクターや声優さんが好きで観たりして、そういう場面でキュンキュンすることもあります。

私の部屋にはアニメのフィギュアが並んでいて

――周みたいなきれいな男の子はどう思います?

吉川 美意識が高い人はいいなと思います。清潔感は大事なので。

――きれいなうえに、料理やメイクも上手で。

吉川 何でもできる系の男子で、素敵ですよね。和子ちゃんは真逆のキャラクターなので、怠け者に見えてしまいそうですけど(笑)。

――吉川さんも和子のように、美しいものは好きなんですか?

吉川 アニメのフィギュアやアクリルスタンドやキーホルダーは好きです。私の中のかわいいものなので(笑)。部屋のテレビの前や窓のスペースに飾ったりしています。(『妖狐×僕SS』の)髏々宮カルタちゃんのフィギュアとか、『ヒロアカ(僕のヒーローアカデミア)』や『鬼滅(の刃)』のグッズとか、いろいろと。

――ラーヤのぬいぐるみも?

吉川 玄関に棚があって、そこにラーヤ&シスーを飾っています。

エステサロンは恐れ多くて緊張します

――一方、和子は自分の身だしなみに関しては「人を不快にさせない程度でOK」と言ってますが、そこは愛さんは手を抜かないところ?

吉川 この仕事をしているからというのもありますけど、今年の目標がプライベートでも自分磨きを頑張ることなので、手を抜かないように意識しています。

――どんな自分磨きをしているんですか?

吉川 眉毛サロンに行ったり、他にもいろいろ調べています。今までは自分1人で頑張ってきたんですけど、それだけだとできる範囲が限られてくることがわかったので、人や器具に頼ってみようと思い始めました。エステサロンも今、すごく調べているところです。

――ああいうところに行くのが「緊張する」という人もいますよね。

吉川 私も緊張します。恐れ多いというか、お店の人の美意識が高いイメージがあって。「私なんかが行ってごめんなさい」とか(笑)、場違いに思ってしまいます。だから今まで行けなくて、勇気を出してやっと行けたのが、眉毛サロンでした(笑)。

――プライベートで着るものも気をつかっているんですか?

吉川 ちゃんとコーディネイトを考えて、メイクもします。でも、お仕事に行くときはほぼジャージです(笑)。現場に行ったら、すぐに衣装に着替えてしまうので、休憩時間に楽な格好をしていられればいいかなと。撮影で忙しいときは、朝に着るものを決める時間ももったいないと思ってしまったり、髪も寝ぐせのままで行ってしまいます(笑)。

ドラマ『カラフラブル』より(読売テレビ提供)
ドラマ『カラフラブル』より(読売テレビ提供)

演技に関して壁だと思ったことはありません

――連続ドラマの主演は、やっぱり目指していたことではありました?

吉川 そうですね。やりたいと思っていました。

――同年代の女優さんが主演しているのを見て、「負けない!」と思ってたりも?

吉川 それはあまり考えたことはなくて、ただ「すごいな」と思っていました(笑)。

――小さい頃から演技をしてきて、大事にするポイントが変わったとか、新たな面白みを見出したとか、そういう変化はないですか?

吉川 昔も今も変わらず、いろいろな人になれることが一番の楽しさです。現場に入る前には、いただいた役がどういう人生を送ってきたのか、どういうものが好きなのか、そういうことを考えます。それは私にとって演じるために大事なことでもありますし、楽しいことでもあります。

――今回の和子についても、原作にないバックグラウンドまで考えたり?

吉川 考えました。でも、誰にも言ってないんです。自分の中で想像しただけで。

――今までの女優人生で、大きな壁に当たったことはありますか?

吉川 今思いつく限りでは、ないです。『おちょやん』の富山弁だったり、技術面で大変なことはありましたけど。

ドラマ『カラフラブル』より(読売テレビ提供)
ドラマ『カラフラブル』より(読売テレビ提供)

ゲームで夜ふかしするのが癒しです

――女優として、今後身に付けていきたいことは?

吉川 現場で実際に演じて感じたものを、撮影の本番でも活かせるようにしていきたいと思っています。いただいたお仕事に、自分らしく全力で向き合っていきたいです。

――いろいろな作品を観て勉強したりは?

吉川 昔からドラマや映画をよく観てきましたけど、最近はアニメを観たりゲームをしたり、趣味に時間を費やしがちです(笑)。

――ゲームをして夜ふかしすることもありますか?

吉川 最近は夜ふかししてしまうことも多いです。先日の休みの前の夜にゲームをしていて、気がついたら外が明るくなってました(笑)。でも、それが私のリフレッシュで、癒しなんです。

Profile

吉川愛(よしかわ・あい)

1999年10月28日生まれ、東京都出身。

2006年にドラマ『対岸の彼女』で女優デビュー。近年の主な出演作は、ドラマ『初めて恋をした日に読む話』、『恋はつづくよどこまでも』、『いだてん~東京オリムピック噺~』、映画『虹色デイズ』、『転がるビー玉』、『のぼる小寺さん』など。ドラマ『カラフラブル~ジェンダーレス男子に愛されています。~』(読売テレビ・日本テレビ系)、『おちょやん』(NHK)、『インフルエンス』(WOWOW)に出演中。主人公の声優を務めた映画『ラーヤと龍の王国』(日本語吹替版)が公開中。映画『ハニーレモンソーダ』が7月8日に公開。

『カラフラブル~ジェンダーレス男子に愛されています。~』

読売テレビ・日本テレビ系/木曜23:59~

公式HP

ドラマ『カラフラブル』より(読売テレビ提供)
ドラマ『カラフラブル』より(読売テレビ提供)

芸能ライター/編集者

埼玉県朝霞市出身。オリコンで雑誌『weekly oricon』、『月刊De-view』編集部などを経てフリーライター&編集者に。女優、アイドル、声優のインタビューや評論をエンタメサイトや雑誌で執筆中。監修本に『アイドル冬の時代 今こそ振り返るその光と影』『女性声優アーティストディスクガイド』(シンコーミュージック刊)など。取材・執筆の『井上喜久子17才です「おいおい!」』、『勝平大百科 50キャラで見る僕の声優史』、『90歳現役声優 元気をつくる「声」の話』(イマジカインフォス刊)が発売中。

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