パ・リーグが驚きの結果に!?上原浩治が選ぶ2022年プロ野球ベストナイン
今季のプロ野球のベストナインが発表された。ベストナインは5年以上のプロ野球担当歴がある新聞、通信、放送各社の記者投票でポジション毎にセ、パ両リーグから1人ずつが選出される。私は投票権を持っているわけではないが、解説の仕事などをしていることもあり、今シーズンもたくさんの試合を見て、成績やデータなどもチェックしてきた。実は発表前に、私なりに考えた「上原浩治のベストナイン2022」を選出していたので、担当記者の皆さんが選んだベストナインと比べてみたい。
私がベストナインを選ぶにあたって重視したことは①選出するポジションで100試合以上出ていること②個人成績が同等の場合はチーム成績を優先するということである。②については、個人選手を表彰するのに、チーム成績が影響するのかという声もあるが、どういう状況で残した成績かということは選手を評価するとき、チーム成績が指標軸になると考えるからだ。
そのうえで私が選出したベストナインは以下の通りである。
セ・リーグ
投手 青柳晃洋選手(阪神)
捕手 該当者なし
一塁手 オスナ選手(ヤクルト)
二塁手 牧秀悟選手(DeNA)
三塁手 村上宗隆選手(ヤクルト)
遊撃手 長岡秀樹選手(ヤクルト)
外野手 丸佳浩選手(巨人)、岡林勇希選手(中日)、近本光司選手(阪神)
発表されたベストナインと異なっていたのは、本来なら必ず投票しないといけないところを「該当者なし」とした捕手と、中野拓夢選手(阪神)が選ばれた遊撃手、それに外野手3人の一人が丸選手ではなく、佐野恵太選手(DeNA)だった3人だ。
捕手ではチームをリーグ2連覇に導いた中村悠平選手(ヤクルト)が盗塁阻止率も高く、最有力で異論はないのだが、捕手での出場試合数が100に届いていなかったために外した。そのポジションのベストプレーヤーを選考する以上、最低でも3桁の出場は必要だと考えたからだ。佐野選手も最多安打のタイトルを獲得する活躍を見せたが、一塁手としての出場もあって、外野手での出場は100に届いていない。あくまで当該ポジションのベストプレーヤーを選ぶとなれば、外野で143試合に出ている丸選手という考えにいたった。遊撃手の長岡選手と中野選手はチーム成績も加味して優勝チームから選んだ。自分の考えが正しいとか、間違っているということではなく、自分の選考の基準を明確にしたかった。その上で、異なる考えの読者がいれば建設的な議論は大歓迎である。
「100試合以上の出場試合数」という自分の選考軸に照らし合わせ、パ・リーグの選考は「保留」するポジションが多くなってしまった。
以下が実際に選出されたベストナインである。
パ・リーグ
投手 山本由伸投手(オリックス)
捕手 甲斐拓也選手(ソフトバンク)
一塁手 山川穂高選手(西武)
二塁手 浅村栄斗選手(楽天)
三塁手 宗佑磨選手(オリックス)
遊撃手 今宮健太選手(ソフトバンク)
外野手 松本剛選手(日本ハム)、柳田悠岐選手(ソフトバンク)、島内宏明選手(楽天)
私の考えとしては、2年連続で投手4冠(最多勝、最高勝率、最優秀防御率、最多奪三振)の山本投手は別格として、野手でも遊撃手の今宮選手や二塁手の浅村選手のように固定されたポジションで100試合以上出場し、成績も残している場合は選考しやすい(実際、両選手ともベストナインに選出されている)が、他の有力選手はDH(指名打者)があることで、登録されているポジションでは100試合に満たない選手が多かった。選手としてはリーグを代表するような成績を残していても、ポジション毎のベストプレーヤーを選ぶという規定に則った場合、当該ポジション以外の出場試合数や成績を加味していいのか。私の中では疑問の余地が残ってしまった。もちろん、あくまで私の考えであり、野球に正解はなく、選考された選手の素晴らしい成績は称賛したい。