怒り狂った金正恩「処刑命令」実行の生々しい場面
ウクライナの軍事情報サイト、ディフェンス・エクスプレス(DE)は9日、ロシア軍が北朝鮮から提供された砲弾の質の低さに悩まされていると報じた。
DEは、ロシア系のテレグラムチャンネルを引用しながら、精度が低く飛距離にもバラつきがある北朝鮮製の砲弾をロシア軍が無作為に点検したところ、火薬の量が一定ではなく、さらに砲弾内部のあるべき場所に銅線がないものがあったという。
早い話が「不良品だ」ということだ。こんなシロモノが、一説に100万発提供されたと言われる北朝鮮製砲弾のうち、どれくらいの量を占めるかは不明だが、ロシアが北朝鮮に苦情を言ったとしてもおかしくはない。
北朝鮮軍は、こうした実態をどれだけわかっていたのだろうか。仮にこんな弾薬を持って米韓軍と戦闘になれば、危ないのは自分たちである。しかしそれ以前に、危機に直面している人々がいる。軍需工業部門の幹部たちだ。
国防を危機にさらし、何より自分のメンツをつぶした責任者たちを、金正恩総書記が放っておくとは思えない。そこで思い出されるのが、2015年に起きたある事件だ。
金正恩氏は2015年8月にスッポン養殖工場を視察した際、現場の管理不備に激怒し、その場で支配人の処刑を命じた。脱北者で東亜日報記者のチュ・ソンハ氏は自身のブログで、その時の様子を北朝鮮内部から得た目撃情報として生々しく伝えている。
(参考記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面)
同工場では電気が供給されず揚水ポンプが止まり、飼料も供給されなかったため、スッポンの幼体がほとんど死んでしまったという。
これを見とがめた金正恩氏は「おい、お前ら、スッポンが死んでいく間に何をしていた!」と怒鳴りつけた。これに対し、支配人は工場が置かれた窮状を説明したのだが、金正恩氏はこれを抗弁と受け取ったようだ。「何だとこの野郎」といっそう怒り狂ったという。
すると、身長180センチをゆうに超える巨漢の護衛兵たちが両側から支配人の肘を取り、膝の裏側を蹴りつけて膝立ちにさせ、後頭部を抑えつけて身動きの取れない状態にした。そして、金正恩氏は支配人にあらゆる罵詈雑言を浴びせると、「こんなヤツに生きている資格はない」と言い放った。連行された支配人は、即時、処刑されたという。
金正恩氏はこのところ、精力的に兵器工業の現場視察を行っているが、次に訪れた工場では何が起きるか分からない。