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新成人の普通自動車運転免許の所有状況をさぐる

不破雷蔵グラフ化・さぐる ジャーナブロガー 検証・解説者/FP  
↑ 式に参加する新成人。その普通自動車運転免許の取得率は?(写真:Michael Steinebach/アフロ)

・新成人の普通自動車運転免許所有率は56.0%。取得予定無しは11.8%。

・女性より男性、都市部より地方の人の方が所有率は高い。

・オートマ限定率は免許所有者の59.5%。男性より女性の方がオートマ限定の割合は高い。

今年は1月8日に行われる成人式。その式典に参加する新成人の自動車との距離感を推し量る指標の一つとして、普通自動車運転免許の所有状況を、ソニー損害保険が2018年1月に発表した調査報告書「2018年 新成人のカーライフ意識調査」(※)から確認する。

次に示すのは今調査対象母集団における、回答時の普通免許所有状況。元資料ではオートマ限定とマニュアルの区別も行われているが、今件では一つにまとめて計算している。

↑ 普通自動車運転免許を持っているか(2018年新成人対象)
↑ 普通自動車運転免許を持っているか(2018年新成人対象)

全体では56.0%が既に取得、3.6%が教習所に通って取得最中、そして28.6%が時期は未定だが免許を取る予定があるとしている。免許を取るつもりが無い人は11.8%。

属性別に見ると男女別では男性の方が積極的で、回答時にはすでに6割強が免許を取得している。また免許を取る予定が無い人の割合も女性の方が大きい。男性の値が高いのは、仕事などで必要性が高いことが要因だろう。

同じ必要性との観点では都市部在住者よりも地方在住者の方が、自動車運転の必要性は高く、取得者率も高い。特に都市部女性は2割強が「予定無し」と回答している。

結果として男性・地方の人は免許取得者が多く、女性・都市部の人は取得率が低い。男性・地方の人はすでに62.8%が取得済み、他方女性・都市部の人は39.2%しかいない。自らの自動車運転に対する必要性の度合いが、免許取得状況にも反映されていると見てよい。

上記グラフでは一体化した、オートマ限定の免許(オートマチック車に限り運転できる免許)とマニュアル免許だが、昨今ではオートマ限定による取得者が増えている。

↑ オートマ限定の運転免許保有者(各年新成人対象)
↑ オートマ限定の運転免許保有者(各年新成人対象)
↑ 普通自動車運転免許取得者における免許種類(2018年新成人対象)
↑ 普通自動車運転免許取得者における免許種類(2018年新成人対象)

都市部・地方の差は縮まりつつある。一方、男女差では2014年以降は女性がほぼ横ばいのまま、男性が少しずつだが上昇の動きを示しているため、結果として差異が縮まりつつあるのが興味深い。

直近年では全体では約6割がオートマ限定・約4割はマニュアル、女性の圧倒的なオートマ限定志向、地域差はほとんど無しなどが傾向として現れている。都市部の女性はほとんどがオートマ限定で、マニュアル免許所有者は1割強でしかない。自動車そのものの需要性向にも小さからぬ関係がありそうな結果ではある。

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※2018年 新成人のカーライフ意識調査

2017年11月30日から12月7日にかけて2018年の新成人男女に対しインターネット経由で行われたもので、有効回答数は1000件。男女比は1対1。調査実施機関はネットエイジア。今件調査における「都市部」とは、市・区における人口ランキングの上位都市(1位から8位)である、北海道札幌市、東京都23区、神奈川県横浜市、愛知県名古屋市、京都府京都市、大阪府大阪市、兵庫県神戸市、福岡県福岡市。それ以外はすべて「地方」。過去の調査もほぼ同条件で実施されている。

(注)本文中の各グラフは特記事項の無い限り、記述されている資料を基に筆者が作成したものです。

グラフ化・さぐる ジャーナブロガー 検証・解説者/FP  

ニュースサイト「ガベージニュース」管理人。3級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)。経済・社会情勢分野を中心に、官公庁発表情報をはじめ多彩な情報を多視点から俯瞰、グラフ化、さらには複数要件を組み合わせ・照らし合わせ、社会の鼓動を聴ける解説を行っています。過去の経歴を元に、軍事や歴史、携帯電話を中心としたデジタル系にも領域を広げることもあります。

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