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まんなかフェスをきっかけに広がる、カラフルな地域とのつながり「こすぎこんぽすと部」【武蔵小杉】

Ash俳優・吟遊詩人(川崎市)
こすぎこんぽすと部

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さて、9月最後の週末は、武蔵小杉は催しがいっぱいでした!

わたしはグランツリー武蔵小杉での「いろいろねいろジャム」のお手伝いをしていましたが、ご来場くださったみなさま、ありがとうございました。

音楽によって、さまざまな人たちの心がつながっていくのを目の当たりにして、感動しました。

また、コアパーク周辺は、まんなかフェスで、賑わっていましたね。

こちらのお祭りも、女性たちのパワーで地域が元気になっていくお手本みたいなお祭りで、毎年素敵なつながりを生み出しています。

今日は、以前東急スクエアさんの媒体「コスギーズ!」に書かせていただいた、そんな女性たちの記事を抜粋してご紹介します。

「コンポストの活動を始めて、地域での繋がりができて、街が一気にカラフルになった」


こすぎこんぽすと部は2022年に、武蔵小杉周辺に住む女性3人の出会いから始まりました。代表を務めるのは、村上美紀さん。福井県の出身で、中3と小5のお子さん2人の子育て中です。

村上美紀さん
村上美紀さん

 

村上さんは、普段は会社員として働く中で、コロナ禍中に、お子さんの通う学校のボランティア活動をしたことをきっかけに、地域のことを考えるようになったといいます。

「あの頃はまだ、地域との繋がりを何も持っていなくて。環境や自然に興味があったので、コンポストを始めたんですが、楽しい!と思っても、その気持ちを共有できる人が誰も周りにいませんでした。」

PTA活動で出会った人(ライターのAsh)が積極的に地域に出て行って、その面白さを発信していたこともあり、村上さんは、自分もこのコンポストの活動の楽しさを、地域に広めたいと思うようになりました。

こんぽすと部の副代表を務める手塚千里さんは、滋賀県の出身。小3と、小6の息子さんを育てる、保育士さんです。

手塚千里さん
手塚千里さん

ちなみに、こんぽすと部を運営する3人は、全員2人の男の子のお母さんだということで、そのことにもなにか共感を育む土壌のようなものを感じますね。

「わたしも職業柄、子どもたちを、自然の中で遊ばせながら育てたいと思っていました。環境にもいいことを何かしたい、と考え始めた時に、夫が『エコワリング』の募集を見つけてきて、参加することにしたんです。」

エコワリングというのは、2021年に川崎市と複数の民間企業が連携し、資源を無駄なく使い、循環するフードサイクルプログラムを共創しようというプロジェクトでした。

そのエコワリングに、仕事の関係で携わっていたのが、こんぽすと部の会計を担当する中川敦子さん。現在中2と、小6のお子さんを育てています。

中川敦子さん
中川敦子さん

「年間のごみの焼却費は約2兆円と言われています。そのうちの多くが生ごみです。燃料を外から買ってきて、80%くらいの水分を焼却してCO2も出してと、すごく環境に負荷のかかることをしていて、これをなんとかしたい。田舎じゃなくて消費量の多い都市部でやらなければいけない。それなら、まず自分の住んでいる町からやりたい、と思いました。」

それで、武蔵小杉の周辺でエコワリングが開催されることになったんですね。すでにコンポストの活動をしていた村上さんと、エコワリングのコンセプトに惹かれた手塚さんがそこに参加して、中川さんと出会い、同じ地域に住んでいることもあり、すぐに意気投合したのだそう。

エコワリングから、自分たちの活動へ

「個人がやっていても規模が大きくならないので、企業を巻き込んで、人が来る場所にコミュニティガーデンを置いて、ある程度そこに資金を投入してもらって、回していかないといけないんです。そうしないと、サステイナブルな活動がサステイナブルじゃなくなってしまう。」

中川さんのそんな思いから、企業と行政とがタッグを組んで実施されたエコワリングは、市民の参加者に大きなインパクトをもたらしました。

LFCコンポストという、バッグ型のおしゃれなコンポストを使ってそれぞれの家庭で堆肥をつくり、作った堆肥を、企業の一角に設けたコミュニティガーデンに持っていき、みんなで野菜を育てたり、地域の農園に利用してもらったりというフードサイクルを作りました。

コミュニティガーデンは、東急スクエアの一角にもでき、多くの参加者がそこで花を育てたり、地域農園で野菜を育てたりと、実際に土を触り、循環型のエコサイクルの意義や楽しさを学びました。

「楽しいからもっと続けたい」という声は多かったのですが、エコワリング自体は、環境省の食品ロス削減・リサイクル推進モデル事業に採択され、令和3年の単年事業として行われたものだったため、そこで一旦終わりになりました。

でも、いったん火がついた活動への思いは、そこに留まることはありませんでした。

まんなかフェスに出るために、こすぎこんぽすと部を結成
まんなかフェスに出るために、こすぎこんぽすと部を結成

エコワリングの活動で親しくなった村上さん、手塚さん、中川さんは、まんなかフェスでワークショップ出店をして、この循環型フードサイクルの一端を周りの人に伝えていこう、と「こすぎこんぽすと部」を立ち上げました。

仕事以外で熱量を注げる仲間

まんなかフェスでのワークショップは、エコワリングのように大々的なものではありませんでしたが、こすぎこんぽすと部の記念すべき、地域活動の第一歩でした。

まんなかフェスでのWSの様子
まんなかフェスでのWSの様子

「一から企画するのは初めてだったので、ドキドキしながらブースを出しました。価格設定はどうしようか、独自性を出すにはどうしたらいいか、毎日のように話し合って、大変だけれども本当に楽しくて」

 自分たちのやりたいことを色々と考えて、中川さんが週末移住をしている、八ヶ岳エリアで採取できる竹からつくったプランターを使い、堆肥で野菜を育てる体験ワークショップを行いました。

 まんなかフェスに出店したことで、こすぎこんぽすと部の活動も周囲に知られ、自分たちの活動を応援してくれる地域の仲間ができ始めました。

木月シェアキッチンを利用するmuni coffeeさんとコラボイベントを行った
木月シェアキッチンを利用するmuni coffeeさんとコラボイベントを行った

「出店者同士も友達になろう、というまんなかフェスのコンセプトのおかげで、たくさんの知り合いができました。来てくれた保育園の先生が共感して園にコンポストを導入してくださったり、元住吉の木月キッチンで循環する暮らしをテーマにしたイベントをさせてもらったり。あっという間に様々な繋がりができて、興味を持ってくれる人も増えました。」

今、こんぽすと部のメンバーとしては18人が名前を連ねており、なかには高校生の女の子もいるのだそう。

循環型エコサイクルの輪が広がることで、地域の友達の輪も広がっていくなんて、なんだかとっても素敵ですね。

街がカラフルになった

「それまで、東京の会社と家の往復だけで過ごしていて、川崎を全然見ていなかったんです。そういう生活の中では、この街は無味乾燥で、モノクロに見えていました。でも、こんぽすと部の活動をすることによって、新緑の季節は緑に目を留めたり、赤や黄色のパンジーの咲く花壇に心を癒されたり、街に彩りが出てきて、 一気に人生がカラフルになりました。」

「このこすぎこんぽすと部のTシャツには、わたしたちの思いが詰まってるんです。子どもたちが描いた絵をそのまま使っているんですが、微生物ってどんな姿をしているんだろう? って子どもたちが考えて描いてくれました。ビルは武蔵小杉という街の象徴で、それを取り巻くように食べ物が循環していくイメージです。」

多種多様な色が使われていて、とってもカラフルですね! まさに、活動を始めて街の風景が彩りを得たという、こんぽすと部の皆さんの、現在見ている世界がそこに描かれています。

子どもたちのふるさとが素敵なところであるように

「私達は、3人とも川崎出身じゃないから、ふるさとだと思うところは、それぞれにあって、辛い時はそこに帰って癒されることもできるんですが、私達の子どもたちは、ここ、川崎がふるさとになるので、川崎も、緑と笑顔が循環していく素敵な街にしたい、と思ったところが、3人の共通点でもあるんです。」

とても共感します。

今までにお話を聞いた方も皆さんおっしゃっていましたが、子どもができると、地域のことや、次の世代のことに関心が向いてきます。そして子どもたちが育つ環境を、少しでも良い、笑顔の溢れる場所にしたい、という思いは、シンプルで強いものです。

その方法として、こんぽすと部の3人の女性が見出し、広めているフードサイクルのプロセスは、環境を考え、自分たちが口に入れる食べ物としっかり向き合う時間を子どもたちに作ってくれることでしょう。

そして何より、地域で楽しそうに活動している母親の姿を見ることは、子どもたちにとって自分の住む地域への愛着に繋がることは間違いありません。

こんぽすと部も熟成中

そんなこんぽすと部の皆さんに共感する人は、私のほかにも多いのではないでしょうか。

普段どういう活動をしていて、どうしたらお仲間になれるのでしょうか。

「私達は拠点を持っていないので、定期的な活動はしていないんです。もしこういう、橘公園の『緑のガーデン』のようなコミュニティガーデンがあったら、定期的にそこで堆肥を持ち寄って、野菜や花のお世話をするような活動ができるんですが…。」

「みんなが活動できるような場をちゃんと持ちたいという思いはあるよね。活動がしっかり積み上がっていくためには、やっぱりハブとなる拠点が必要です。」

「そう、今はそれがないので、イベントを開催するたびに単発で、その時に活動できる人が集まるような感じです。」

「休耕中の畑などを、シェア畑として活用できないかな、とか、市内の農園のどなたかと協力して拠点が持てないかな、なんて考えてはいるんですが…」

「今年度は、それぞれに忙しいこともあり、目標としては、こんぽすと部の繋がりを熟成していく年にできればいいなと思っています。」

こんぽすと部もコンポストの堆肥のようにじっくり熟成中、ということですね。こうやって夢を語っていれば、きっといつかは実現します。その時のために、アイディアを温めて、繋がりを育んでくださいね。

こんぽすと部にはインスタもあるので、コンポストについて知りたい、自分も少しずつこんぽすと部の皆さんと活動がしたい、という方は、ぜひそちらからフォローしてみてくださいね。(@kosugi_compost

コンポストのある未来

こうやって集まって次のことを考える時間が「楽しくて楽しくて仕方がない」という3人のお話を聞いていると、こちらまで楽しく、あっという間のインタビューでした。

最後に印象的だった出来事をひとつ。

インタビュー中にみんなで頂いた、橘公園のコーヒースタンドのおいしいチェリータルト。最後にチェリーを食べた手塚さんが、持っていた手提げ型のコンポストにポンと、チェリーの種と茎を入れたのです。

その仕草があまりに自然で、またなんだかカッコよく、これがコンポストのある生活なんだな、と感動してしまいました。

「これがあると、ゴミはゴミじゃなくなるんですよね。」とにっこり笑う手塚さん。

「そうそう、ノーポイ捨て!」と他の2人も笑顔で賛同します。

もっとコンポストが普及して、みんながミニサイズのコンポストを持ち歩いたら、誰もが「土に還る」ものしか買わなくなるかもしれないな、とふと思いました。ポータブルコンポスト、そんなものができて、色とりどりのコンポストをみんなが持ち歩いて、見せあっているような未来を夢想して、とても楽しくなってしまいました。

村上さんに伝えると、「コンポスト、あったかいんですよ、冬はカイロ代わりにもなって、いいかもー!」とまた一段と盛り上がりました。

コンポストのある未来には、ワクワクしかありませんね!

皆さんが熟成させた土壌の上に、さらにカラフルな武蔵小杉の循環的生活が実を結んでいくことを、楽しみにしています!

この街大スキ武蔵小杉 「コスギーズ!」(2024.08.03)

「こすぎこんぽすと部」村上美紀さん、手塚千里さん、中川敦子さん

「コンポストの活動を始めて、地域での繋がりができて、街が一気にカラフルになった」

俳優・吟遊詩人(川崎市)

琵琶を弾き歌う俳優です。世界80都市を旅した結果、日本文化を愛しています。旅と出会いと美味しいお酒がインスピレーションの源。MCアマビエちゃんはアマエビちゃんにメタモルフォーゼ。フラットで差別のない目線で記事をお届けしたいと思っています。Stay tuned!

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