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台風接近時の登山について考える

増田雅昭気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

台風18号の、東日本への接近が濃厚になった先週末。「16日に(東日本の)登山は大丈夫でしょうか?」というお天気相談が相次ぎました。

たしかに、13日(金)の時点では、まだ台風の予報円に幅がありましたので、「自分の登る山は大丈夫かも」といった考えや、気象状況に合わせて行ける所までといった考えがあったのでしょう。

問い合わせのあった山は台風で暴風雨とお答えしましたが、外からのアドバイス無しに決めた人は、どういう判断をしたのだろうと、心配になりました。

山に登る人は、気象情報の収集に長けている人が多いですが、やはり個人差があります。また、気象情報をどう解釈するかでも、差が出ます。

楽しみにしていたこと、思い入れの強いものほど、判断が甘くなりがちです。

レジャーにかぎらず、イベント開催時や、企業などでの天気に関わる意思決定も、同様のことがあります。

予報が正確でも、都合よく解釈してしまうと、気象情報はないも同然です。

事故が起こるようなケースでは、都合よく解釈してしまったということもあるのではないでしょうか。

客観的に判断する材料として、心のブレーキとして、気象アドバイス情報がもっと活用されても良いと思います。

台風接近時に山に行くのは非常識、ではなく、実力にあった適切な判断ができるかです。

気象情報を都合よく解釈して無理な行動をするような人が、一人でも減ることを願います。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

TBSテレビ・ラジオ気象キャスター。大学在学中に気象予報士を取得し、民放キー局の報道番組に学生予報士として出演。気象キャスターに携わりながら、企業への予報やアドバイザーも長年担当し、甲子園での高校野球の大会本部気象担当を務めたこともある。災害から身を守る気象情報の使い方など講演も行うほか、Twitterで気象情報を毎日発信。著書に『TEN-DOKU クイズで読み解く天気図(ベレ出版)』がある。1977年滋賀県甲賀市生まれ。

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