NY原油10日:続落、IEA月報で需給緩和見通しを再確認
NYMEX原油1月限 前日比1.14ドル安
始値 36.63ドル
高値 36.84ドル
安値 35.35ドル
終値 35.62ドル
国際エネルギー機関(IEA)が12月月報で過剰供給の長期化見通しを再確認したことが嫌気され、続落した。
アジアタイムは36ドル台中盤で揉み合う展開になったが、IEA月報の発表を受けて断続的に売りが膨らみ、ニューヨークタイムに入ってから大きく値位置を切り下げている。35ドルの節目を割り込むには至らなかったが、ドル安に逆行する形で急落しており、特に週末を控えての買い戻しが膨らむこともなかった。
IEA月報では、11月の石油輸出国機構(OPEC)産油量が約3年ぶりの高水準となる日量3,173万バレルに達していることが報告されると同時に、過剰供給が2016年遅くまで続くリスクが再確認されている。前月の見通しと大きく変わっている訳ではないが、改めて過剰在庫が原油相場の上値を圧迫するとの見通しも示されており、少なくとも需給要因から原油安を是正するのが困難な状況にあるとの見方が追認されている。OPEC非加盟国の減産圧力は2016年で前年比で日量60万バレルになるとの見通しも示されているが、なお過剰供給是正には十分なレベルとは評価されていない。
引き続きOPECサイドから原油安是正に向けた取組などは確認できず、原油安に政策的な対応を望めない以上、更に原油安を進めて協調減産を促すか、高コストのタイトオイルに減産を迫ることが要求される。国際原油需給の緩和見通しを修正するのが困難な状況が続く中、原油相場はなお下値不安の大きい相場展開が続き易い。目先は、季節要因から在庫積み増し傾向にブレーキが掛かった際、、35ドルの節目に到達した際に、どの程度の反発力が見られるのかが注目される程度である。