新社会人は身だしなみや自己投資にどれだけお金を費やしたのだろうか
学生時分と異なり、何かと出費が多くなる社会人生活だが、その中でも自分を磨き社会の中における立ち位置をより強固なものとするため、欠かせないとされているのが「身だしなみ」と「自己投資」。それではそれらの投資対象に、先輩社会人はどれだけ実額を社会人1年目の間に投資したのだろうか。ソニー生命保険が2017年5月に発表した、新社会人に対する意識調査結果「社会人1年目と2年目の意識調査2017」(※)から確認していく。
社会人ともなれば所属する企業の一員として対外活動を行う事が多分に生じるため、身だしなみを整えることは必要不可欠となる。スーツや化粧品を一通りそろえ、靴やネクタイ、カバンなど、学生まではさほど気にしなかった人も多い服飾品に気遣わねばならない。また自分を磨いてより価値ある存在となるため、さまざまな自己投資も必要だろう。そこで社会人2年目、つまりすでに1年間を新社会人として過ごしてきた人たちに、社会人1年目に身だしなみ(スーツや化粧品など)、自己投資(セミナー参加、書籍購入など)のためにどれほど支出したかを聞いた結果が次のグラフ。
身だしなみは平均で5万0321円、自己投資は1万9307円。額面区分構成を見ても、身だしなみは1万円超~3万円が最多で10万円まで高い値を示すが、自己投資はゼロ円が最多で1/3を超えている。何をもってして自己投資とするのかの定義によるところもあるが、意識的に自分を鍛えるための資金投入はしていない、できない人が多分にいることが分かる。
自己投資でゼロ回答が多い、平均格だけでなくボリュームゾーンも低めに抑えられているのは、身だしなみと比べて必然性が薄い(身だしなみがしっかりしていないと会社内で叱られることは多分にあるが、自己投資に関して新社会人の時点では周囲から小言を言われることは滅多にない)、社会生活に慣れるのに精一杯で自己投資まで金銭面、時間面、精神面共に余裕がないなどの理由によるものだろう。
とはいえ10万円を超える投資額の人も2.4%存在する。むしろ具体的にどのような使い方をしたのか、その内容を知りたいところではある。また見方を変えると、何らかの形で自己投資に資金を投じた人は64.6%となる。多いか少ないか、微妙な値に違いない。
自分を磨くとの観点で広義的に解釈すれば、身だしなみと自己投資の間には大きな区切りは無く、むしろ近しい関係にある。男女に限らず勉学に励み、そして言葉通り自身を磨いていく次第ではある。
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※社会人1年目と2年目の意識調査2017
2017年3月27日から4月5日にかけて、「今春就職した社会人1年生」「就職してから1年経過した社会人2年生」(いずれも20代)に対して携帯電話経由のインターネット調査形式で行われたもので、有効回答数はそれぞれ500人。男女比はそれぞれ1対1。調査協力会社はネットエイジア。