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「ハリケーン・フローレンス」1000年に一度の大雨で救助を待つ動物たち

森さやかNHK WORLD 気象アンカー、気象予報士
浸水した檻に閉じ込められている犬 (16日ノースカロライナ州)(写真:ロイター/アフロ)

アメリカ東部に上陸したハリケーン・フローレンスは「1000年に一度」といわれる大雨をもたらし、今もなお洪水の被害が続いています。この記録的な嵐の影響で、多くの動物も被害を受けている状況です。

フローレンス上陸、1000年に一度の雨

現地時間14日(金)、ハリケーン・フローレンスは「カテゴリー1(ハリケーンの階級では最も弱いランク)」の勢力でアメリカ東部ノースカロライナ州に上陸しました。

陸上で停滞したために、ノースカロライナ州では913ミリもの雨が観測されました。これはハリケーンによる雨量としては州史上最大、またアメリカ東海岸の記録ともなりました。

州別のハリケーンによる雨の記録。ノースカロライナ州とサウスカロライナ州では今回のハリケーンで記録が更新された。(提供:NOAA)
州別のハリケーンによる雨の記録。ノースカロライナ州とサウスカロライナ州では今回のハリケーンで記録が更新された。(提供:NOAA)

これほどの規模の雨が一年間に降る確率は0.1%で「1000年に一度の雨」といわれています。

これまでのところ37人が死亡、推定被害総額は1700億~2200億ドルにも上ると想定されています。

被害にあう動物たち

今回の歴史的な大雨で多くの動物も被害を受けていて、胸が痛くなるような映像や写真が撮られています。

飼い主が避難したために置き去りにされたペットや家畜も多くいて、水に浸かりながら檻の中で助けを求める犬や、流されないように必死に持ちこたえている猫などの写真も投稿されました。

(↑泳いで高地に逃げるシカの群れ)

飼い主のいない家をまわり、動物の救助を行っているボランティアの人々もいるようですが、今もなお多数が置き去りにされている状態だといいます。

(↑スクールバスで動物の救助を行うトニー・アルサップ氏。犬53匹、猫11匹を救助。)

NHK WORLD 気象アンカー、気象予報士

NHK WORLD気象アンカー。南米アルゼンチン・ブエノスアイレスに生まれ、横浜で育つ。2011年より現職。英語で世界の天気を伝える気象予報士。日本気象学会、日本気象予報士会、日本航空機操縦士協会・航空気象委員会会員。著書に新刊『お天気ハンター、異常気象を追う』(文春新書)、『いま、この惑星で起きていること』(岩波ジュニア新書)、『竜巻のふしぎ』『天気のしくみ』(共立出版)がある。

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