サラリーマンなどのランチタイム事情をさぐる
・会社員が勤務日に昼食にかける時間は平均で男性21.6分、女性29.1分(2018年)。
・昼食以外に休憩なども含めたランチタイムが50分を超える人は男性19.4%、女性30.9%で女性の方が多い。
・ランチタイムの過ごし方は「インターネットの閲覧」がトップ。次いで男性は「昼寝や休息」、女性は「同僚とのお喋り」。
男女間では女性の方が長い昼食時間
朝から夕方までの就業時間中、唯一まとまった長さの休みが取れるのが、昼食を食べる時間も含めたランチタイム。その名の通り昼食を食べるのはもちろんだが、ちょっとした休息を楽しむ、気分転換を図るなど、午前中の働きの疲れをいやし、午後からの就業に備えて英気を養う時間でもある。そのランチタイムに、会社員はどのぐらいの時間を費やして食事をしているのだろうか。サラリーマンのこづかい事情を中心に活動様式を探る、新生銀行の定点観測的調査報告書「サラリーマンのお小遣い調査」(※)の最新版から、その実情を確認する。
まずは昼食にかける平均時間。これは純粋に食事をする時間であり、昼食用として企業から用意されている、勤務日のお昼休憩の時間(ランチタイム、お昼休み)を意味しない。
男性は大体20分強。意外なことに年齢による差異がほとんど出ていない。健康法的な意味合いから、年上ほどゆっくりと時間をかけて昼食を取るイメージはあるが、実態としてはそうでも無い。
一方女性は男性と比べて7分半ほど長く約30分。これは後述するように、女性が昼食を単なる食物の摂取に留まらず、コミュニケーションの機会とする認識があり、その分長い時間が必要なのだと考えられる。また、食事そのものを味わいたいとの、グルメ志向も強いのだろう。実際、ランチタイムの時間区分のうち、50分超の回答を抽出すると、男性よりも女性の方が多く、全体では3割強を計上している。
他方、男性は50分を超えた時間をかけている人は2割足らずで、30代でも2割程度に留まっている。
ランチタイムの食事以外の過ごし方は
ランチタイムの過ごし方について、食事(を兼ねたコミュニケーションも含む)そのもの以外の行動を、複数回答で尋ねたのが次のグラフ。
男女ともにもっとも多くの人が行っているのは「インターネットの閲覧」。男性は51.5%、女性は52.9%。使用機種は限定していないので、パソコン以外に携帯電話(スマートフォン含む)も含まれるのだろう。お昼休みはスマートフォンでインターネットにアクセスは、男女とも共通の過ごし方だと思われる。
変動があるのは第2位以降。まず男性に限ると「昼寝や休息」「仕事の続き・しながら」の順で続いている。年上になると「昼寝や休息」の回答率はおおよそ上昇を見せ、順位も「仕事の続き・しながら」と入れ替わる。
他方女性は「インターネットの閲覧」に続き、全体および多くの年齢階層で「同僚とのお喋り」「メール」が上位に付く。男性もこれらの行為に時間を割いてはいるが、優先順位は低い。女性はランチタイムを休み時間と割り切り、コミュニケーションに没頭しているのが分かる。ソーシャルメディアの利用をどの回答に充てたのかは回答者の判断次第だが、想定される選択肢「インターネットの閲覧」「メール」双方とも高い値を示しており、いずれにせよ納得のいく動きではある。
食事そのものですら多分に同僚などと対話を楽しみ、それゆえに男性よりも長い時間となる。食事以外の時間もランチタイムの間はコミュニケーションに没頭する。女性社員はある意味、世渡り上手で時間の切り盛り・割り切りに長けているとも表現できよう。
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※サラリーマンのお小遣い調査
直近年分となる2018年分は2018年4月12日から16日にインターネット経由で行われたもので、有効回答数は2713人。男女会社員(正社員・契約社員・派遣社員)に加え、男女パート・アルバイト就業者も含む。公開資料では多くを占める会社員は男性1252人・女性791人。年齢階層別構成比は20代から50代まで10歳区切りでほぼ均等割り当て(実社員数をもとにしたウェイトバックはかけられていないので、全体値では社会の実情と比べて偏りを示している場合がある)。未婚・既婚比は男性が40.0対60.0、女性は59.9対40.1。今調査は1979年からほぼ定点観測的に行われているが、毎年同じ人物を調査しているわけでは無いことに注意。
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