NY原油7日:下値切り下げも、スピード調整で下げ渋る
NYMEX原油8月限 前日比0.20ドル安
始値 52.75ドル
高値 53.40ドル
安値 50.58ドル
終値 52.33ドル
期近安・期先高と強弱まちまちの展開になった。
ギリシャ情勢の先行き不透明感から為替市場でユーロ安(ドル高)が進行していることに加えて、中国経済の先行き不透明感が強まる中、前日の原油相場は急落した。しかし、序盤は特に安値是正の動きはみられず、逆に下値切り下げを打診する動きが優勢になった。本日の安値は50.58ドルに達しており、50ドルの節目割れも視界に入る状況に。ただ、2営業日で10%を超える下落率にスピード調整の必要性を感じる向きも多く、引けにかけては下げ幅を縮小する展開になった。期先限月は小幅ながらプラスサイドに切り返しており、下値は切り下げたものの更に大きく値崩れを起こすことには失敗している。
また、米週間需給統計の発表を控えていることも、売り方に早めの利益確定を迫った模様。季節要因から米原油・ガソリン在庫には減少圧力が強まり易く、これをきっかけにショートカバーが膨らむリスクが警戒されている。なお、引け後にAPIが発表した需給統計によると、原油在庫-95.8万バレル、クッシング原油在庫+26.2万バレル、ガソリン在庫-204万バレル、石油精製品在庫+420万バレルとなっている。原油在庫の急ピッチな取り崩し傾向にはブレーキが掛かるも、ガソリン在庫にややタイト感が見られる状況になっている。
引き続きイラン産原油の市場復帰に対する警戒感も強く、下値模索の展開が維持され易い。特にユーロ安(ドル高)傾向が続いている限りにおいては、50ドルの節目割れに強い抵抗は想定していない。今後は値頃買いが膨らむことが想定されるが、値位置的には特に下げ過ぎた価格水準とは評価していない。これまでの60ドル前後の価格水準が高過ぎた価格であり、その高値膠着相場の反動が、原油相場の下落ペースを加速させているとの理解で良い。