ベッテルがついにフェラーリの一員に。赤いレーシングスーツはお似合い?
史上最年少ワールドチャンピオン記録(23歳134日)をはじめ、4度のワールドタイトルを獲得し、今季を持って「レッドブル」を離れたセバスチャン・ベッテルが12月1日(月)にイタリアのモデナ県マラネロにあるフィオラノサーキットで念願の「フェラーリ」デビューを果たした。
子供の頃からの憧れ、跳ね馬に乗る
2014年の最終戦アブダビGPで発表された「フェラーリ」入り。最終戦の終了後に引き続いてアブダビで開催されたテストでは同チームのピットに姿を見せていたベッテルだが、12月の初日に早くもイタリアのフェラーリテストコースでもあるフィオラノで2012年型のフェラーリF1マシン=F2012をドライブが実現。フィオラノサーキットを約100周に渡って周回した。
ベッテルは「ここ(マラネロ)に来れて素晴らしい1日になった。子供の頃、ここを通りかかってフェンスの向こう側から見ていたんだ。だから、ここに正式にチームの一員として居られるのは最高の気分さ」とコメント。
フェラーリからのリリースによると、ベッテルは2日間、フェラーリの本拠地マラネロでフィオラノでのF1テストドライブと2014年型フェラーリF1=F14 Tのシミュレーターでの仕事をこなすことになっている。
赤いレーシングスーツのベッテル
これまで「レッドブル」の育成ドライバーとしてキャリアを歩んできたセバスチャン・ベッテル。F1デビュー当時に「BMWザウバー」の一員としてF1を戦った経験はあるものの、久しぶりに全く異なる環境の中で来シーズンからレースを戦うことになる。
赤いレーシングスーツは予想以上に違和感なく、自然体に見える所は4度のワールドチャンピオンらしい堂々とした風格ならではだ。ベッテル自身も「11歳か12歳の時に、フェンスの向こうからミハエル(シューマッハー)が走っているのを見ようとしたことがあったんだ。そして、今日、僕はその一員となって、ティフォシ(熱狂的なフェラーリファンの意味)が(サーキットの)周りに居るのを見ることになった」と興奮気味。ついにベッテルは同郷ドイツ出身で憧れのミハエル・シューマッハと同じ道を歩み始めた。
F1ファンに新たな興味を与える
新パワーユニット規定に移行し、「メルセデス」の独走劇だった2014年のF1。退屈なレース展開も多かった上に、資金難による下位チームの破綻、欠場、さらにはそれらに関連する様々なマイナス要素が連日伝えられていることで、F1の人気やファンの興味は世界的に低下している印象だ。
それでも来季はホンダが「マクラーレン」にパワーユニットを供給するほか、ベッテルのフェラーリ移籍や噂されるアロンソのマクラーレン加入、さらには元F1ドライバーの息子、マックス・フェルスタッペンの17歳でのF1デビューや元ラリー王者の息子、カルロス・サインツJr.のF1デビューなどドライバーラインナップが大幅に変化し、話題が豊富なシーズンになりそう。そんな中、アロンソとライコネンという2人をもってしてでもチャンピオンを獲れなかった名門「フェラーリ」を若きベッテルがどう再生させていくのは非常に興味深い。
赤いレーシングスーツに身を包んだベッテルはF1全体にとっても人気回復の救世主となるか。
ベッテルのフィオラノでのテストドライブの模様はYouTubeの映像でも楽しめる。