「兄弟どちらも防御率1点台」はこのままいくと史上初!? 兄はクローザー、弟はセットアッパー
8月8日のシティ・フィールドには、右半分がニューヨーク・メッツ、左半分はシンシナティ・レッズのジャージを着た観客がいた。彼らは、エドウィン・ディアズ(メッツ)とアレクシス・ディアズ(レッズ)の家族らしい。エドウィンとアレクシスは兄弟だ。こういったハーフ&ハーフのジャージやキャップは、前にも見かけたことがある。
ディアズ兄弟は、どちらも右投手だ。ともに、リリーバーとして投げている。28歳の兄は、メジャーリーグ7年目。今シーズンは26セーブ(と1ホールド)を挙げ、通算200セーブにリーチをかけている。25歳の弟は、メジャーリーグ1年目。開幕当初はモップ・アップ(敗戦処理)として投げていた――レッズは最初の25試合で3勝しかできなかった――が、5月の途中からセットアッパーとなり、13ホールド(と4セーブ)を記録している。
4シームは兄のほうが速く、スタットキャストによると、それぞれの平均球速は99.0マイルと95.7マイルだが、4シームとスライダーのコンビネーションという点は共通する。2人とも、他の球種は皆無に近い。
「兄弟が同じ日にセーブを挙げる。史上3組目。過去の2組はどちらも1度きりだが…」で書いたように、彼らは5月17日に揃ってセーブを挙げた。続いて、6月12日にも揃い踏み2人ともセーブを記録している。
また、今シーズン、兄は45.1イニングを投げて防御率1.39、弟は41.2イニングで防御率1.94を記録している。
調べたところ、同じシーズンに、どちらも40イニング以上を投げ、ともに防御率2.00未満を記録した兄弟は、見つからなかった。コバレスキー兄弟は、2人ともそういうシーズンがあるが、兄のハリーは1908年(43.2イニング/防御率1.24)と1916年(324.1イニング/防御率1.97)、弟のスタンは1917年(298.1イニング/防御率1.81)と1918年(311.0イニング/防御率1.82)だ。
なお、メジャーリーグの同じ試合に、ディアズ兄弟が揃って登板したことは、まだない。8月8日は、2人ともマウンドに上がらなかった。メッツとレッズは、9日と10日も対戦する。