世界のアニメファンが選んだアニメ・オブ・ザ・イヤー2022決定!日本の各大賞との違いは?
世界中で日本のアニメを配信する世界最大級のプラットフォーム・クランチロール。
そのクランチロールが毎年行っている「クランチロール・アニメアワード2022」の受賞作品発表が、日本時間本日(2月9日)深夜に行われました。
世界中のアニメファンが投票に参加するだけあり、“海外のアニメファンにはどんな作品が人気だったのか”、日本国内での注目度も益々高まるこちらのアワード。
その年を代表する作品にあたる“アニメ・オブ・ザ・イヤー”には、一昨年は「鬼滅の刃」が、そして昨年は「呪術廻戦」が輝きました。
それらに続き“アニメ・オブ・ザ・イヤー”となったのはどの作品か、また世界のアニメファンが選んだ各カテゴリーの作品には、日本国内での年間大賞等とはどのような違いがみられたのでしょうか。
結果と共に紹介していきます。
※以下敬称略
■アニメ・オブ・ザ・イヤー(ANIME OF THE YEAR)
今年、アニメ・オブ・ザ・イヤーに輝いたのは、「進撃の巨人 The Final Season Part 1」でした。
本作は他にも、以下の3部門を含め全4部門に輝いております。
■ベスト・敵役/敵対者(BEST ANTAGONIST)
- 進撃の巨人 The Final Season Part 1 エレン・イェーガー
■ベスト・ボイスアクション・パフォーマンス:日本語(BEST VA PERFORMANCE JP)
- 進撃の巨人 The Final Season Part 1 エレン・イェーガー 役 梶裕貴
■ベスト・オープニング・シークエンス(BEST OPENING SEQUENCE)
- 進撃の巨人 The Final Season Part 1 「僕の戦争」神聖かまってちゃん
現在「The Final Season Part 2」が放送・配信中ということで盛り上がっているのはもちろん、Part 1放送時から「#ThankYouMappa」をつけた海外ファンによる投稿を度々みかけていたこともあり、世界的な注目度や人気の高さが改めて窺える結果となりました。
■「鬼滅の刃」と「呪術廻戦」の人気の高さ
今回のアワードでもうひとつ注目すべき点は、「鬼滅の刃」と「呪術廻戦」の受賞率の高さです。
「呪術廻戦」は以下の6部門を、
■ベスト・ガール(BEST GIRL)
- 呪術廻戦(第2クール) 釘崎野薔薇
■ベスト・ファイト・シーン(BEST FIGHT SCENE)
- 呪術廻戦(第2クール) 虎杖悠仁・東堂葵 対 花御
■ベスト・キャラクター・デザイン(BEST CHARACTER DESIGN)
- 呪術廻戦(第2クール) 平松禎史
■ベスト・アクション(BEST ACTION)
- 呪術廻戦(第2クール)
■ベスト・ボイスアクション・パフォーマンス:ポルトガル語(BEST VA PERFORMANCE PORTUGUESE)
- 呪術廻戦(第2クール) 五条悟役 Léo Rabelo
■ベスト・ボイスアクション・パフォーマンス:ドイツ語(BEST VA PERFORMANCE GERMAN)
- 呪術廻戦(第2クール) 五条悟役 René Dawn-Claude
そして「鬼滅の刃」はなんと以下の8部門を受賞しております。
■ベスト・アニメーション(BEST ANIMATION)
- 鬼滅の刃 無限列車編
■ベスト・スコア(BEST SCORE)
- 鬼滅の刃 無限列車編 梶浦由記、椎名豪
■ベスト・エンディング・シークエンス(BEST ENDING SEQUENCE)
- 鬼滅の刃 無限列車編 「白銀」LiSA
■ベスト・フィルム(BEST FILM)
- 劇場版 鬼滅の刃 無限列車編
■ベスト・ボイスアクション・パフォーマンス:スペイン語(BEST VA PERFORMANCE SPANISH)
- 鬼滅の刃 無限列車編 煉獄杏寿郎役 Irwin Daayán
■ベスト・ボイスアクション・パフォーマンス:キャステリャ語(BEST VA PERFORMANCE CASTILIAN)
- 劇場版 鬼滅の刃 無限列車編 竈門炭治郎役 Marcel Navarro
■ベスト・ボイスアクション・パフォーマンス:フランス語(BEST VA PERFORMANCE FRENCH)
- 鬼滅の刃 無限列車編 竈門炭治郎役 Enzo Ratsito
■ベスト・ボイスアクション・パフォーマンス:ロシア語(BEST VA PERFORMANCE RUSSIAN)
- 劇場版 鬼滅の刃 無限列車編 竈門炭治郎役 Islam Gandzhaev (Ислам Ганджаев)
これは全26カテゴリー中半分以上の14部門をこの2作品が占めるという結果です。
「鬼滅の刃」は新作テレビシリーズが配信され、「呪術廻戦」は英語圏での劇場版の公開を控えていたりと、海外でも話題の絶えない歴代アニメ・オブ・ザ・イヤーの両作。まだまだ根強い海外人気が、改めて窺える驚きの結果となりました。
■日本の各大賞との違いは?
そして気になる全結果は以下の通り。
■ベスト・ボーイ(BEST BOY)
- 王様ランキング ボッジ
■ベスト・主人公(BEST PROTAGONIST)
- オッドタクシー 小戸川
■ベスト・ディレクター(BEST DIRECTOR)
- オッドタクシー 木下麦
■ベスト・コメディ(BEST COMEDY)
- 古見さんは、コミュ症です。
■ベスト・ドラマ(BEST DRAMA)
- 不滅のあなたへ
■ベスト・ロマンス(BEST ROMANCE)
- ホリミヤ
■ベスト・ファンタジー(BEST FANTASY)
- 転生したらスライムだった件(第2期)
■ベスト・ボイスアクション・パフォーマンス:英語(BEST VA PERFORMANCE ENGLISH)
- SK∞ エスケーエイト 神道愛之介/愛抱夢役 David Wald
各カテゴリーに関しては、それぞれ幅広い作品が受賞する結果となりました。
興味深いのは、(ノミネート時からそうでしたが)昨年末、「東リベ」、「ウマ娘」、「シン・エヴァ」等が席巻した日本国内の各年間大賞とは全く異なる様相となったこと。
現在日本では、アニメファン以外までがアニメを楽しむことが増えたことで、その層までが視聴し話題にできる“中でも万人向け”の作品が大きなムーブメントを起こすことが増えていますが、作品を視聴する層が国民の中のアニメーションファン、さらにはその内の“日本のアニメのファン”にまで絞られることの多い日本国外においては、数ある作品の中、人気や盛り上がりはかなり細分化されるのかもしれません。
一方で、日本でも国民的な知名度や人気を誇る「進撃」、「鬼滅」、「呪術」がこれだけのカテゴリーを占めたのは、現在この3作が、そうして人気が細分化される世界のアニメファンの間でさえ共通して視聴されている作品であるのかと思います。
クランチロールをはじめ、配信プラットフォームの普及により、多くの作品が世界でほぼ時差なく楽しまれるようになった現在。
日本と同じく盛り上がる作品もあれば、当たり前ですが、各国各地域で日本とは違った人気や盛り上がりをみせる作品も出てきております。
“世界でも人気”といわれるアニメが、世界でどのように受容され、注目を集めていくのか。
こうした海外でのアニメアワードの来年以降の結果は、今後もますます見逃せなくなっていきそうです。