部下のミスを防ぐ上司の「責めない」伝え方
社会で働いていれば、ミスは誰にでもあり得ます。完璧な人間は存在しないのです。
たとえ上司でも、かつて一度もミスをしたことがない人がいるでしょうか。それなのに、部下のミスを責め立てる上司がいます。
ミスをしてしまって落ち込んでいるところに、さらに上司に厳しく責められては、部下は自信を失ってしまいます。そればかりか、次からは責められるのを避けるために、ミスの隠蔽をしてしまいかねません。
伝えている内容は同じでも、言い方を変えれば、相手の受け取り方も変わります。部下に嫌われている上司がついつい行なっている「部下がミスをした際の伝え方」を見ていきましょう。
怒鳴る上司は周囲にも悪影響を与える
「伝え方」以前の問題ですが、小さなことで感情的に大声で叱責したり、怒鳴る上司もいます。
部下の成長のために、心を鬼にして叱るのならまだわかるのですが、ただ「腹が立ったから」と怒っていると、叱られている部下ばかりか周囲の人達まで「また、◯◯部長が切れているな」と受け取ります。もちろん怒鳴られている部下はいい気はしません。仕事のやる気を失ってしまうでしょう。
何でもかんでも「パワハラ」と呼ぶのも考えものですが、大声で怒鳴るのはパワハラです。オフィスの雰囲気までも悪化させてしまいます。部下がどんなミスをした場合でも、怒鳴ることはやめましょう。
「何で」「どうして」だけでは解決しない
では、部下のミスに際して、上司はどのように対処すべきでしょうか。
最初にすべきことは、ミスをフォローするため、即座に全力で対応に当たることです。さらに、ミスをしてしまった部下の心も推し量ることも大切です。
部下自身も、ミスを起こそうとして起こしてしまった訳ではないのです。思いがけなくミスを起こしてしまい、混乱しているはずですし、早くトラブルを解決したいと思っているでしょう。
そんな混乱の真っ只中にいる部下に、
「何でこんなことをしたんだ」
「どうして言われた通りにしなかった?」
とひたすら責め立てて、解決に向けての方法を講じないのは、上司の対応として間違っています。
部下のミス再発を防ぎ、人間関係を良くする伝え方
ミスをしてしまった部下を指導する際に大切なことは、『同じミスを起こさないようにさせること』です。既に起こってしまったミスを責めるより、これからに向け、同じようなミスが起きないように教えるべきでしょう。
そこで、まずは落ち込んでいる部下の心に寄り添って、「この案件に苦労していたことはわかっているよ」「◯◯さんらしくないミスだったね」と励まします。
その後に伝えるのは、具体的な指示です。「今度のミスの原因は何だったかわかりますか?」「同じことが起こらないように、今後の対策を立ててください」と、上司が考えた対策をただ伝えるのではなく、部下自身に考えさせ、報告をしてもらうのです。
報告を受け、その対策に不足な点があれば助言をし、同じミスが二度と起こらなような対策を立てます。
部下の心に寄り添いながら、ミスの再発を防止する。「伝え方」で、部下との関係をさらにより良いものにすることもできるのです。
まとめ
人望のある上司ほど、たとえミスをした時でも部下を責めることはしません。むしろ指導不足が原因かもしれないと自らを省み、部下には再発防止のための指導を行います。
さらに、本当にデキる上司なら、ミスの原因を部下だけに求めることはせず、会社のシステムや業務の流れそのものに原因があるのではないかと考え、改善策を立てます。
ミスが起こった時、個人の能力だけを原因としていると、今後も同様のミスは続いていくでしょう。「業務の中にミスを誘うようなポイントがあるのではないか」と検証し、もし問題があれば改善し、組織全体としてミスをゼロにしていきたいものです。
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太田 章代