不安神経症になりやすいのはどんな人?4つの不安への対処法について
こんにちは、精神科医しょうです。
人は手に入れる喜びよりも、失う悲しさを感じる方が強いと言われています。
どうしても悪い方に目が行きがちになることもしばしば…。
しかし、四六時中、悪いことばかりを考えていると思考の転換が難しくなり、心身を病んでしまう原因につながります。
特にHSPさんは真面目で深く考えてしまう方も多いため、どうしても物事を悲観的にとらえてしまうことが多くなりがちです。
「不安神経症」を患う人の中には、「何もかもが不安でたまらない」と訴える方が多くいます。
このような方は、ある特定の不安があるわけではなく、頭の中に次から次へと不安が沸き起こる状態に陥っており、常に不安を探している状態だと言えます。
不安が行動や態度といった身体症状として表れる人もいれば、やる気が起こらない、うつ状態などの精神症状として表れる人もいます。
今回はHSPさんの特性からうかがえる「不安神経症」について、考察したいと思います。
不安が高まると「不安神経症」になることも…
多少の不安や心配は誰にでも起こるもので、残念ながらゼロにすることはできませんが、コントロールすることで上手く発散させたり、軽減させたりして上手く付き合っていくことができます。
しかし、不安が強すぎて「何も手につかない」「誰とも会いたくない」など、社会生活に支障をきたしているとしたら、それは「不安神経症」と呼ばれる病気である可能性が高くなります。
具体的には何にどのような不安を感じているかによって、それぞれ異なる病気として診断されます。
不安を示す主な病気としては、
・社交不安症(社交不安障害・社会不安障害)
・全般不安症(全般性不安障害)
・強迫症(強迫性障害)
・パニック症(パニック障害)
などがあります。
不安神経症は、もともと神経質な性格が原因であったり、不安になるきっかけがはっきりしていなかったりする場合も多いため、自分では気づきにくい病であるといえます。
「不安神経症」になりやすいのはどんな人?
理想主義や完璧主義の傾向が強いと、どうしても肩に力が入り、不安を感じやすくなってしまいます。
HSPさんの中にも完璧にこだわったり、些細なことをクヨクヨと引きずってしまったりする傾向がある方も多いのではないかと思います。
性格的に生真面目な人ほど、肩こりや頭痛、腰痛といった身体的な症状を感じやすく、慢性化しやすいと言えます。
不安神経症になりやすい人の主な特徴は以下の通りです。
・常に完璧を求めてしまう
・思考が偏っている
・何事にも真面目過ぎる
・向上心が強い
また、男性よりも女性の方が発症するリスクは高いとされており、幅広い年齢層でみられるという報告もあります。
不安を感じた時のストレスへの4つの対処法とは?
ストレスへの対処法はさまざまなものがありますが、代表的な4つの対処法を紹介します。
・問題解決型対処
・情動処理型対処
・認知的処理型対処
・社会的支援型対処
順を追って見ていきましょう。
・問題解決型対処
ストレスやストレッサー(ストレスの原因)を問題としてとらえ、問題解決の手法を使ってストレスを軽くする方法です。
- 問題を明確にする
- 問題の原因を探る
- 選択肢を出す
- 解決案の順番を決める
- 解決案を実行する
⑤で解消・軽減できない場合は、他の解決案を実行する
・情動処理型対処
情動処理型対処には以下の3つの方法があります。
- 逃避型:旅行に出かけるなど、ストレッサーから遠ざかるようにします。
- 発散型:大声を出したり、時には八つ当たりをしたりなどして、ストレスを発散させる方法ですが、新たな問題やストレスが生じることもあります。
- 解消型:趣味やスポーツ、ゲームなど別の行動に打ち込むことでストレスを解消させる方法です。
ただし、のめり込みすぎには注意が必要です。
・認知的処理型対処
自分の性格や行動パターンなどを知り、ストレスが発生する前にあらかじめ手を打ったり、軽減させたりして、性格や認知の歪みを修正することでストレスをコントロールする対処法です。
・社会的支援型対処
自分の力だけでストレスに立ち向かうのではなく、周囲や専門家の力を借りるやり方です。
以下のような方法があります。
- 家族に相談する
- 周囲(友人・知人・上司など)に相談する
- 精神科医やカウンセラーなど医療機関の専門家に相談する
まとめ
今回は不安神経症について知識を深めました。
いかがでしたか?
不安を感じた時に対処できる方法は、状況や相性など人によってそれぞれですので、自分に合った方法で不安を緩和させるよう、適切な方法を選択するようにしてくださいね。
また、自分が不安神経症かどうかは自己判断せず、必ず医師に診断を受けてから、対処するようにしましょう。
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