東京都心は最難関の降雪予報
都心周辺が雪主体と雨主体の分かれ目に
東海沖に発生する低気圧の影響で、あす10日(木)は関東甲信の内陸を中心に雪となり、平野部でも雪の積もる所が多くなる予想です。
ただ都心周辺が雪主体と雨主体との分かれ目のゾーンとなっており、都心に関しては、最難関の降雪予報と言える状態です。
関東甲信で降水現象が始まるのは、あす明け方から朝の内となり、千葉や茨城で雨の所が多い他は都心を含めて、雪で降り出す所が多くなるでしょう。
そして日中にかけては内陸で雪の所が多い一方、千葉や茨城の雨の範囲がやや西寄りに広がり、都心周辺が雪主体と雨主体のちょうど真ん中あたりと予想されています。
雪主体の範囲が少しでも東へ広がれば、都心でも積雪が増えていく可能性がある一方、みぞれや雨主体の範囲に収まっていれば雪は混じっても全く積雪には至らない可能性も十分に考えられます。
このように都心周辺に関して、極論を言えば、降り出してみないと分からないというのが実情で、それだけ今回の予想は困難を極める状態です。
前回の大雪時と今回の違い
新年明けて、1月6日(木)に関東地方でまとまった雪が降り、東京都心で10センチの大雪となりましたが、この時(前回)と今回の違いは、最も重要とされる上空約500メートルの最下層の気温場です。
前回は関東地方を0度以下の寒気がすっぽりと覆い、都心上空も-2度から-3度とかなり低く、降水があれば、ほぼ確実に雪となる気温場でした。ですから都心は雪の降った日中に氷点下まで気温が下がり、降水量6.5ミリに対して10センチも積もるという都心にしてはとても軽い雪質となりました。
ところが今回、この約500メートルの気温場が前回より全体的に2度から3度くらい高く、都心上空に関して言えば、ちょうど0度程度と予想されています。
上空約500メートルの気温が0度以下で、低くなればなるほど雪の可能性が高まる一方、0度以上では雨の可能性が高まることになり、ちょうど0度程度に位置している都心付近では、どちらとも言い切れない位置関係となっています。
コンピュータによる予想降雪量
コンピュータが計算した最新の予想降雪量は上図の通りで、甲信地方や山沿いは10センチ以上の所が多く、平野部では多くの所で、青色の1センチから3センチ程度の予想です。
ところが下層寒気がやや強いと予想されている、さいたまから都内周辺では黄色い3センチから5センチとなっており、平野部では多めの予想降雪量となっています。都心あたりは青色と黄色の分かれ目で、23区でも練馬など西部区域ほど降雪量が多い予想です。
なお気象庁の見立てでは上図より多くの降雪量を見込んでおり、多い所では、東京23区を含めて、平野部で5センチから10センチ、多摩地方で10センチから20センチなどとなっています。
気象庁の見立ては、寒気が強まり、予想よりやや降雪量が多くなると見込んでいるかと思いますが、上述した下層寒気の強まりや、地上への寒気の氾濫次第では、大雪となる可能性も十分に考えられる状態です。
あすは交通機関への影響も考えられますので、時間に余裕を持った行動や車を運転する方はノーマルタイヤでのお出かけを控えるなど、最悪を想定した対策が必要となりそうです。
週末も南岸低気圧で雪のおそれ
あす10日(木)の雪はあさって11日(金)に日付が変わる頃には収まりそうですが、今度は週末に次の雪が心配される状況です。
最新の予想では、13日(日)は本州の南海上を低気圧が進み、これに伴う降水域が太平洋側に広くかかるでしょう。関東地方には今回と同じくらいの寒気が流れ込む予想で、内陸を中心に再び積もるような雪となる可能性があります。
また来週も低気圧が通過する予想があり、周期的に雪の予報が出るかもしれません。