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アウトドアのプロが伝授。キャンプの「面倒くさい」にサヨナラするための3つの秘策

きき酒師・渡邉彰大の「自然と酒の余暇」きき酒師/日本キャンプ協会インストラクター

キャンプは素晴らしいアクティビティです。

しかし、キャンプに行こうとする私たちの前には毎度のこと大きな壁が立ちはだかります。

それは、「キャンプに行くのって、なんだかんだで面倒くさい」という、身も蓋もない心の声です。

人に備わる七つの大罪の1つ、「怠惰」。

この生まれながらに背負わされた十字架を、気合の入った一本背負いで投げ飛ばして決別しない限り、私たちは大自然のなか羽をのばす権利を得ることができません。

そこでこの記事では、キャンプの最適化を追求し続け、いまでは週1でキャンプに出かける著者が、「キャンプの面倒くささをなくす秘策」についてお話します。

荷物を準備する手間を無くす

キャンプBOXをつくって準備の手間をなくそう。
キャンプBOXをつくって準備の手間をなくそう。

まず、荷物を準備する手間を無くすために「キャンプBOX」を作りましょう。

キャンプBOXとは、簡単に言うとキャンプで使うギアのみを収納ボックスにつめたものです。

キャンプBOXを作ると、それを車やバイクに積み込みさえすればキャンプの支度をほぼ終わらせることができます(徒歩キャンプであればBOXの中身をザックにパッキングするだけで準備が終わります)。

キャンプの準備が一瞬で終わるという夢のような箱ですが、運用にあたっては何点か注意点があります。

  1. 状況(天気・季節・宿泊日数など)に応じて必要/不要になる道具がある
  2. 日常生活と兼用している道具もある

このような性質をもつギアについては、BOXに入れっぱなしにできません。

そのため、これらのギアはメモ帳やメモアプリにリストアップしておきます。

スマホのメモを活用しよう。
スマホのメモを活用しよう。

そして、1.についてはキャンプ当日までに状況に応じて箱の中身を微調整しましょう。

2.については前日にリストを見ながらBOXに梱包することで、忘れずにキャンプに持っていきます。

リストアップが面倒に感じる方もいるかもしれませんが、1度やっておくとその後の準備が格段に楽になります。絶対にやっておいて損はない、おすすめのテクニックです。

詳しくはこちらの記事で解説しています▼

椅子と机は持っていかない

折りたたまれたキャンプチェア
折りたたまれたキャンプチェア

準備だけでなく、片付けも非常に面倒くささを感じる作業です。

キャンプでは片付けるものが無数にあります。1つ1つの片付けは大したことがなくても、それが無数に積み重なることで”失われる時間”も”感じる煩わしさ”もどんどん膨れ上がっていきます。

それを避けるためには、省けるものは片っ端から省いていくしかありません。

そこで提案したい事の1つが、椅子を持っていかないことです。

そうすれば、椅子の組み立てと片付けにかけていた労力と時間を省くことができます。

キャンプチェアにはたいていショックコードがついており、組み立ては半自動で行なえるため比較的楽です。しかし、ショックコードが椅子の形を維持しようとするので、片付けには結構な労力が伴います。

お座敷スタイルのキャンプも楽しい。
お座敷スタイルのキャンプも楽しい。

「キャンプに椅子がないなんて」と思われたかもしれませんが、椅子なしのキャンプはすでにお座敷スタイルという名がついているほど、一定の支持を得ています。

お座敷スタイルにすることで、机を持っていくことを省くこともできます。ピクニックやお花見でお弁当をレジャーシートに直置きする、あのスタイルでキャンプを楽しめばいいのです。

キャンプといえばアウトドア用のチェアに腰掛け、テーブルを囲んで食事をしている映像を思い浮かべる人が多いかもしれませんが、それは1つのよくあるイメージでしかありません。

大人数のキャンプでは導入が難しい面もありますが、1~3人程度ならなんら問題なくキャンプを楽しめます。

キャンプには椅子と机が必要という固定観念を捨てて、ぜひ1度試してみてください。

どうしても椅子が欲しい人は、アウトドア座椅子がおすすめです。

こちらは片付けがノーマルのキャンプチェアに比べ、圧倒的にラク。

詳しくはこちらの記事で解説しています。

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料理は「加熱」だけでいいようにする

焼いた魚はそれだけでご馳走。
焼いた魚はそれだけでご馳走。

料理の手間を無くすための方針はただ1つ、「キャンプ場での料理は加熱しかしない」です。

キャンプ場での調理はあらゆる調理器具が揃った家庭内のキッチンとは勝手が全く違い、「野菜を洗う」「食材を切る」「食器洗い」などの一連の行為に普段の数倍の時間がかかります。

一方、キャンプの食事というのは、「外で食べる」「できたてを食べる」という2つの条件を満たせばかなりの満足感を得ることができます。

よって、手間を減らすことを優先させるのであれば、「キャンプ場では包丁などは使わず、下ごしらえされた食材を焼いたり煮たりしてできたての料理を味わうこと」が、最小の労力で最大の満足度を得られる方針となるわけです。

そして、そのための選択肢は2つあります。

  1. 缶詰、レトルト、カップ麺、カット不要の肉・魚・野菜を使った料理をする
  2. 好きなものが作りたければ下ごしらえを家で済ませて来る

とにかく手間を減らしたければ1、どうしても食べたいものがある場合は2、といった具合でしょうか。

キャンプ場で食べるカップラーメンが美味しい」、というのはもう説明不要だと思います。そう、キャンプ場で食べれば缶詰も、レトルトも、ご馳走に変わります。あとは加熱するためのバーナーや焚き火(炭火)があればそれで充分なのです。

どうしても作りたいものがある、もしくは手作りのものを食べたければ、下ごしらえは家で済ませておきましょう。

あるいは、包丁やまな板を全く使わないレシピを使用するという方法もあります。

例えば、下記のYouTube動画「10分完膳食シリーズ」では、包丁もまな板も使わず、肉や野菜、魚を使った10分でできるレシピが紹介されています。

キャンプの動画ではありませんが、キャンプの料理にもそのまま使える内容です。

今回紹介したテクニックで、あなたが1回でも多くキャンプに行けるようになればとても嬉しいです。

それでは次はキャンプ場でお会いしましょう。

きき酒師/日本キャンプ協会インストラクター

「自然の中で、お酒をこの上なく美味しく飲む方法」を考え続けている人。きき酒師(日本酒ソムリエ)とキャンプインストラクターの資格を保有。日本酒以外のお酒もすごく好き。

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