【河内長野市】日野で毎日奮闘中!カワバタファームさんの農場見学会に参加して河端さんにお話を伺いました
大阪の南部、南河内地域は農業が盛んなエリア。河内長野も例外ではなく、7割ほど山があって、おおさか河内材の存在があるために林業の印象が強いですが、実は桃やブドウなどの果樹園の生産も盛んです。
そして野菜農家としてその名前が知られているのが、日野にあるカワバタファームさんです。
カワバタファームの河端訓獅さんは、代々続く農家さんですが、実は専業農家としては初代なのだそうです。
アグリかわちながの、道の駅奥河内くろまろ郷のあすかてくるで、米のきのしたをはじめ、なんばの高島屋、サンプラザ各店、和泉のららぽーとなどに卸しているそうです。
また延命寺で行われている青葉祭でのマルシェなど、いろんなところで野菜を販売しておられることもあり、私も何度か購入したことがあります。
これまで主に富田林の農家さんばかり紹介していたので、この辺りで河内長野のカワバタファームさんに取材をと思っていましたが、繁忙期などもあってなかなかタイミングがあいませんでした。
ところが、朗報がありました。先日、河内長野の食に関するプロフェッショナルグループの皆さんが、カワバタファームさんの農場見学を企画しているという情報を入手したのです。
これはまたとない機会と思った私は、プロフェッショナルグループの皆さんにお願いして、カワバタファームさんの農場見学会に同行させていただくことになりました。
カワバタファームさんは日野の集落の中心部の近く、石川沿いに農場があります。こちらは専用駐車場です。
石川に架かる橋です。この先にカワバタファームさんがあります。
歩いていくと遠くに人の影が見えました。プロフェッショナルグループの皆さんです。
というわけで私もここから参加させていただきました。
最初はトマト畑を見学しました。4月から収穫が始まり、下から実がなる今の時期は本当に忙しいとのこと。
河端さんによると、60メートルの長さのあるハウスで、桃太郎ホープと呼ばれる品種を生産しているとのこと。河端さんによれば、この品種は黄化葉巻病(おうかはまきびょう)というトマトのウイルス性の病気に耐性があるそうです。
次にキュウリです。ここでプロフェッショナルグループの方からキュウリが曲がる理由について質問が出ました。
すると河端さんは、ひとつの理由ではなくいろんな理由が考えられると。日照不足の可能性もあるし、そこに何か障害物があったのかもしれないとのことです。ただ味は一緒とのことでした。
今の品種はフリーダムというもので、キュウリのイボ(トゲ)がないのが特徴です。漬物にするとおいしいとのこと。
キュウリの栽培には、とにかく水がたくさん必要なのだそうです。また次はトマトを植える予定で、その際には田んぼのように水を入れて消毒するそうです。
次に向かったのはズッキーニです。ビニールを敷いているのはマルチで、雑草を防止するために敷いているもの。黒いマルチはよく見かけますが、白いマルチは初めて見たかもしれません。
ズッキーニの特徴として、ほったらかしても成長するとのこと。ズッキーニの花が咲いていますが、よく見ると早くも実がなっていますね。
河端さんは、六代くらい前まで確実にさかのぼれる江戸時代から続く農家の一家で、先代までは米農家だったそうです。それを当代になって野菜の栽培を始めたとのこと。
野菜栽培については、農業大学校の短期コース第1期生として学んだのち、富田林市農業公園「サバーファーム」でも下積み。富田林竜泉にある古川農園さんにも指導してもらったそうです。
畑の見学の後、河端さんの家のほうに向かいました。農機具が置いてありますね。
ちょうど収穫した野菜をパッケージしている皆さんがおられました。最初に紹介した物販のほかにも、飲食店にも直接卸しているそうです。
市内各地から、お手伝いに来ている皆さんです。
河端さんによれば、河内長野の野菜についてみんなに知ってほしいとのことから、テレビなどの取材も基本的に断らないとのこと。だから河内長野の農家として、あれほど名前が知られているんですね。
作業の様子を少しだけ見学しました。
専用の機械を使ってひとつずつ丁寧にパッケージしていきます。こうしてきれいにパッキングされているので、大きなスーパーで販売しても違和感がないんですね。
出来立てのきゅうりが並んでいます。実はこれは、見学者の皆さんへのおすそ分けでした。
その他にも割れてしまったトマトもいただきました。河端さんの話では割れていてもカビが生えていなければ問題ないとのこと。
皮をむいて冷凍すると良いと聞きました。
茄子も、販売できないB品をお試し用としていただいてしまいました。
河端さんの本宅です。
本宅の近くにあったのが、茄子のハウスです。
大きな葉っぱの陰から茄子が見えますね。
こちらは茄子の花です。鑑賞用の花と比べて野菜の花はあまり見る機会がありません。
でもこうやって茄子の花を眺めていると、「この花は茄子かな」と連想できるほど鮮やかな紫色しているのが印象的でした。
河端さんは20年近く栽培を行っており、これまでいろんな品種の野菜を栽培してきたそうです。
昔はスイカにも挑戦したそうですが、糖度が低くクレームが起きてしまったという失敗で、断念したこともあったそうです。
これは茄子の底にあったビニールです。茄子の栽培ではビニールの底から水を入れているのが特徴です。葉っぱにも水をやればと素人は思うのですが、プロの農家さんからすればそうではないのですね。
これは肥料です。
肥料の中にも変わったものがあり、海藻を使うものもあるそうです。
こちらは石川です。カワバタファームさんのすぐそばで流れているのですが、
こちらを発見した時に「これは!」と驚きました。そうです。この機械を使って川から直接水を農園に引いていたのです。
農家にとって水は命よりも大切なもので、昔は水争いが原因で殺傷沙汰になったほどシビアなもの。現在でも水利組合により、張り巡らされた用水路も水門の操作によって厳重に水の管理が行われています。
南河内地域は川が少ないために、ため池が多いのもそのためですが、河端さんは天然の川のそばにあるために、その最もシビアな面がクリアされており、水がふんだんに使えてしまうという点においてはとても有利なような気がしました。
このように張り巡らされた水によりより、おいしい野菜が誕生していくわけですね。
河端さんのご自宅にお邪魔しました。なぜかモアイ像のようなものがあります。
歴史あるものが飾られています。河端さんの御先祖は、関ヶ原の合戦を経て日野地区に移り住んだとの説もあるそうです。
今回はプロフェッショナルグループだから自宅まで上がらせていただいたのかなと思っていましたが、試食をするような取材のときにはここで撮影することもあるそうです。
プロフェッショナルグループの皆さんはハイレベルな質問を河端さんにぶつけられ、それに対して河端さんは真摯に答えられていました。
このときの河端さんの話の中で特に印象的だったのはイノシシとの戦いです。農作物を荒らしまわるイノシシを捕獲することに命を懸け、その模様を動画に撮られたほど。罠に入ったイノシシを檻の外から電気でとどめを刺すそうです。
こうしてカワバタファームさんの見学会は終了しました。河内長野で有名な河端さんの農園行った感想は、チャレンジング精神旺盛で、これからもますます活躍される気がしました。
カワバタファーム
住所:大阪府河内長野市日野1085
TEL:0721-52-2293
アクセス:南海・近鉄河内長野駅からバス 中日野バス停から徒歩5分
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