メディア大手の統合で「ワーナーブラザース・ディスカバリー」誕生へ、ツイッターが消える投稿に広告表示
筆者が注目した海外発最新テクノロジーニュース3本をダイジェストで
[1]米メディア大手2社の統合、新会社の名称は「ワーナーブラザース・ディスカバリー」
米AT&T傘下のメディア事業、米ワーナーメディアと同業大手の米ディスカバリーが経営統合して誕生する新会社の名前が「ワーナーブラザース・ディスカバリー」に決まったと、米CNBCや米ウォール・ストリート・ジャーナルなどが6月1日に報じた。
新会社を率いるディスカバリーのデビット・ザスラフCEO(最高経営責任者)が同日明らかにした。「ほぼ1世紀の歴史を持つワーナー・ブラザースが実証してきたストーリー作りに注力する。社名はその意気込みを喚起させる」と説明した。新会社のタグライン(企業理念を表したフレーズ)は1941年公開映画「マルタの鷹」のせりふにちなみ、「The stuff that dreams are made of(夢のかたまり)」とした。
AT&Tは5月17日、ワーナーメディアを分割し、ディスカバリーと経営統合することで合意したと発表した。ワーナーメディアは映画制作・配給などのワーナー・ブラザースやケーブルテレビ・衛星放送のニュースチャンネル「CNN」、ドラマチャンネル「HBO」を傘下に持つ。
ディスカバリーは、ケーブルテレビ・衛星放送の「ディスカバリーチャンネル」を持つ。ディスカバリーは17年に同業のスクリップス・ネットワークス・インタラクティブを買収した。ワーナーメディアのHBOとディスカバリーはそれぞれの動画配信「HBOマックス」「ディスカバリー+」を手がけている。
新会社の株式はAT&Tが71%、ディスカバリーが29%を保有するとしている。合併手続きは、規制当局の承認などを経て2022年半ばに完了する見通し。
[2]ウーバーの配車サービス、経済再開でドライバー不足解消へ
配車サービスを手がける米ウーバーテクノロジーズではドライバー不足が解消されつつあると、ロイターが6月1日に報じた。
2021年5月17日の週、米国では3万3000人のドライバーがウーバーのライドシェア・プラットフォームに加わった。稼働時間は前週に比べ4.4%増加し、年初来最大の復帰率を達成したという。
20年は新型コロナへの懸念や顧客減少を理由に多くのドライバーが仕事を休んでいた。パンデミック前の19年10〜12月におけるドライバーの人数は、本社を置くカリフォルニア州だけでも20万9000人いた。
ウーバーは依然、乗車料金の上昇や平均待ち時間の延びといった問題に直面しており、顧客の不満も高まっているという。問題解決のためインセンティブ(手当)制度を設け、ドライバーの早期復帰を促している。利益水準の指標として重視している調整後EBITDA(利払い前・税引き前・償却前利益)を21年末までに黒字化する目標を掲げている。
[3]ツイッター、インスタ対抗の消える投稿に広告表示
米ツイッターが新機能のコンテンツ内に広告表示を始めると、ロイターや米CNBCなどが6月1日に報じた。
インスタグラムやスナップチャットなどの「ストーリーズ」に対抗し、2020年11月に本格提供を始めた「フリート」で広告配信する。フリートは24時間後に消える写真や画像、動画を投稿できる機能で、iOSとAndroid向けTwitterアプリで利用できる。広告はスマートフォンの画面全体に表示される。当初は米国の一部の利用者を対象にするという。
ツイッターは21年2月に開いたアナリスト向け説明会で、23年の年間売上高を20年比約2倍の75億ドル(約8200億円)以上に引き上げることなどを柱とする経営計画を発表。新たな機能やサービスの導入を加速させるとしていた。
21年1〜3月期の広告売上高は前年同期比32%増の8億9900万ドル(約1000億円)だった。また同社が経営指標として重視する「広告を閲覧した1日当たりの利用者数」は1億9900万人。この人数を今後年平均最大20%以上増やし、23年10〜12月までに3億1500万人とする目標を掲げている。