ロシアの軍事ドローンで電力施設に攻撃、停電:テントや路上でスマホ充電・暗闇で役立つスマホのライト
オデーサでは150万人の市民に影響
2022年2月にロシア軍がウクライナに侵攻。ロシア軍によるウクライナへの攻撃やウクライナ軍によるロシア軍侵攻阻止のために、攻撃用の軍事ドローンが多く活用されている。
2022年10月にはロシア軍はミサイルとイラン政府が提供した標的に向かって突っ込んで行き爆発する、いわゆる神風ドローンの「シャハド136(Shahed136)」、「シャハド131(Shahed131)」で首都キーウを攻撃して、国際人道法(武力紛争法)の軍事目標主義を無視して軍事施設ではない民間の建物に攻撃を行っている。一般市民の犠牲者も出ていた。12月に入ってからはロシア軍はイラン製軍事ドローンで電力施設にも攻撃を行いオデーサ近郊の150万人以上の市民生活に打撃を与えている。さらに首都キーウの電力施設にも軍事ドローンで攻撃を行い停電が起きて市民生活に影響を与えている。
国際人道法(武力紛争法)の1949年ジュネーブ条約第一追加議定書第48条において「紛争当事者は、文民たる住民及び民用物を尊重し、保護することを確保するため、文民たる住民と戦闘員、また民用物と軍事目標とを常に区別し、軍事目標のみを軍事行動の対象とする」と軍事目標主義を規定している。また「予期される具体的かつ直接的な軍事利益との比較において、巻き添えによる文民の死亡、傷害、民用物の損傷またはこれらの複合した事態を過度に引き起こすことが予測される攻撃」は無差別攻撃として禁止されている(第51条5-b)。
だが、そんな国際人道法は侵略直後から無視されて、ロシア軍は軍事ドローンだけでなくウクライナのあらゆる民間の非軍事施設にミサイル攻撃も行っている。
仮設テントや路上でスマホに充電するウクライナ市民
スマホのライトで真っ暗なスーパーで買い物、家での明かりに
停電で電力不足に苦しむウクライナ市民の生活の様子を海外のメディアも多く報じている。アルジャジーラでは13階のアパートに住むキーウ市民がエレベーターが停電で動かずに階段で昇降している様子や、真っ暗なスーパーでスマホの光で照らしながらの買い物、町に設置されたテントで自家発電機で暖房を入れて、スマホを充電しながらテント内のWi-Fiでインターネットに接続している様子を伝えていた。
英国メディアのザ・サンではオデーサ近郊の電力施設をドローンで攻撃されて真っ暗闇になったオデーサの市民生活、自家発電機によるスマホの充電とネットへの接続、自家発電機によるテレビでのワールドカップ中継などの様子を伝えていた。
ロシア軍によるドローン攻撃で停電になって電気が使えなくなり、テントや屋外に設置された自家発電機で真っ先に充電しているのがスマホである。そしてそのテントの中からWi-Fiでインターネットに接続して情報発信や情報収集、国内外に避難した家族や知人とコミュニケーションを行っている。
またスマホのライトで照らしながら真っ暗なスーパーで買い物をしたり、真っ暗な家の中での生活の明かりにしている。
▼キーウでの停電による市民生活の様子を伝えるアルジャジーラ
▼オデーサでの停電による市民生活の様子を伝えるザ・サン
▼キーウの電力施設にロシア軍のイラン製軍事ドローンで攻撃された後の様子を伝えるザ・テレグラフ