インドとイスラエル、サイバーセキュリティで協力を再確認 新型コロナの情報窃取に対抗
インドとイスラエルがサイバーセキュリティ分野での協力を拡大していくことで2020年7月に合意した。両国は2017年に合意し2018年1月からサイバーセキュリティ分野で協力しあっていた。今回、新型コロナウィルス感染拡大にともなって、関連する情報窃取などが行われ、サイバー脅威に対抗すべく協力関係をさらに拡大していく。イスラエルの国家サイバー機関(Israel’s National Cyber Directorate :INCD)のインガル・ウンナ氏とイスラエルのインド大使サンジャブ・シングラ氏でMoU(覚書)に署名された。イスラエルは周辺のアラブ諸国や反ユダヤ主義者からのサイバー攻撃にさらされており、インドは隣国パキスタンと中国からのサイバー攻撃にさらされている。そのためイスラエルもインドもアメリカに次いで世界でもサイバーセキュリティ分野では防衛、攻撃ともに強い国だ。
イスラエルのウンナ氏は「インドとの協力強化によって、グローバルなサイバー脅威への対抗に向けた新たな一歩となるでしょう。新型コロナウィルス感染拡大に伴って、それらの情報やデータがサイバー攻撃に晒されている。早急な対応が必要になります。イスラエルは過去のサイバー防衛の経験からもインドに多くの貢献ができるでしょう」と語っていた。インドのシングラ大使は「サイバーセキュリティでの協力は2国間にとって大変重要で、両国の首相同士でも以前から強く合意している分野です。新型コロナウィルスの拡散によって、それらのデータ窃取が横行していることから、ますます重要性が高まります」と語っていた。
両国はサイバーセキュリティ分野において、CERT間での情報交換を積極的に行っていき、運用面での協力を強化していくということだ。また定期的な人材の交換や、人材育成やシステム構築などのキャパシティビルディングのますますの強化も行われる。両国では2018年1月からサイバーセキュリティ分野で協力に合意し、情報交換や人材育成を行ってきたが、今回さらに協力の再確認を行った。
サイバーセキュリティ分野における国家間での協力で重要なのは、情報交換と人材育成だ。またサイバーセキュリティ分野での協力は他の安全保障分野での協力と同様に友好国間でしか締結されない。両国での協力分野には大きな変更はないが、今回の協力拡大では特に新型コロナウィルス感染拡大で、隙をついて情報窃取される企業や省庁、新型コロナ関連の情報やデータを狙ったサイバー攻撃に対する2国間での協力関係をアピールすることによって、攻撃を行っている国や集団に対する抑止力を狙っている。