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世界1位のR・マキロイが「タイガー・ウッズに迫ったけど、、」。注目のPIPはウッズが2年連続1位!?

舩越園子ゴルフジャーナリスト/武蔵丘短期大学・客員教授
(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 PGAツアーのビッグスターであり、現在、世界ランキング1位のローリー・マキロイ(北アイルランド)がAP通信の記者に明かした内容が米ゴルフ界に一気に広がっている。

 「僕はタイガーにかなり迫ったんだけどね」

 マキロイのこの言葉を補足すると、「僕も、タイガー・ウッズにかなり迫ったんだけど、惜しくも負けてしまった」となる。

 マキロイは何の戦いでウッズに勝つことができなかったと明かしたのか。その答えは「PIP(プレーヤー・インパクト・プログラム)」である。

 PIPはPGAツアーが創設した選手たちへのビッグなボーナス制度で、グレッグ・ノーマン率いるリブゴルフへの選手の流出を食い止めるための対抗策として創設されたと言われている。

 ゴルフファンや世間における選手の人気度や話題性、周知の度合いなどを数値化してランク付けし、上位選手にはボーナスを支給する。

 昨年はトップ10に総額4000万ドルが支給され、1位に輝いたのはウッズだった。リブゴルフが実際に開催された今年は、対抗策も強化が必要ということで、PIPはさらにグレードアップされ、トップ20に総額1億ドルが支給されることになっている。

 正式発表は11月のサンクスギビング(感謝祭)前後が予定されているはずだが、該当する選手にはすでに内示があったと思われ、マキロイが自身がウッズに次いで2位になったことを明かしてしまい、それはビッグニュースとなって全米へ、世界へと広がっている。

 ウッズはいまなお交通事故で重傷を負った右足が回復途上。昨季は4月のマスターズこそ予選を通過して4日間を戦い、47位になったものの、5月の全米プロは3日間をプレーした後に途中棄権。7月の全英オープンは「ゴルフの聖地」セント・アンドリュースに別れを告げつつ、涙の予選落ち。年間で3試合しか出場できずじまいだった。

 一方、マキロイはシーズン3勝を挙げ、キャリア3度目の年間王者に輝き、その傍らでPGAツアーの選手たちの結束を図るリーダーとしての役割もこなし、多忙で、そして輝かしい1年を過ごした。

 だが、それでも、やっぱりPIPの1位はウッズで、マキロイは2位。

 しかし、マキロイは悔しがるというより、「かなり迫ったんだけどね」と、自身の大健闘にそれなりに満足している様子である。

 総額1億ドルのボーナスのうち、マキロイにはすでに1200万ドル(約17億4500万円)が贈られたことが、すでに確認されている。1位のウッズにすでに贈られたはずの金額は、まだ確認されていないが、まだ非公式ということも含めて、まさに「夢のような話」である。

ゴルフジャーナリスト/武蔵丘短期大学・客員教授

東京都出身。早稲田大学政経学部卒業。百貨店、広告代理店勤務を経て1989年に独立。1993年渡米後、25年間、在米ゴルフジャーナリストとして米ツアー選手と直に接しながら米国ゴルフの魅力を発信。選手のヒューマンな一面を独特の表現で綴る“舩越節”には根強いファンが多い。2019年からは日本が拠点。ゴルフジャーナリストとして多数の連載を持ち、執筆を続ける一方で、テレビ、ラジオ、講演、武蔵丘短期大学客員教授など活動範囲を広げている。ラジオ番組「舩越園子のゴルフコラム」四国放送、栃木放送、新潟放送、ラジオ福島、熊本放送でネット中。GTPA(日本ゴルフトーナメント振興協会)理事。著書訳書多数。

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