平常運転?:SHEINが商標権侵害によりクロムハーツに訴えられる
「クロムハーツがシーインを商標権侵害で提訴、賠償金として最高2億9200万円請求」というニュースがありました。米国において、高級アクセサリメーカーのクロムハーツが、自社の商品と酷似した商品を販売したことで、中国系ファストファッション企業シーイン(SHEIN)の米国事業会社を訴えたという話です。
タイトル画像に訴状から画像を引用しました。類似というレベルを超えてデッドコピーに近いと思います(他にも何件か酷似商品があります)。商標権侵害が認定されるのはほぼ確実で、後は損害賠償金額の算定の話になるのではと思います。
SHEINってしょっちゅう知財で揉めているなあという印象があったので米国の訴訟情報検索システムPACERで調べてみました。SHEINを被告とする民事裁判は93件ヒットしました(同社関連の米国事業会社は複数あるのでカウントが漏れている可能性あり)。すべてが知財関係の訴訟ではないかもしれませんが、いくつかピックアップしてみると原告はファッション関連会社やデザイナーです。2022年以降は毎月5回くらいのペースで訴えられていることになります。
今回の訴訟でもわかるように、米国の民事訴訟では懲罰的賠償制度により損害賠償額が高額になる傾向があります。それでも知的財産権侵害行為を続けるというのは、完全にやり得状態になってしまっているように思えます。