NY金8日:ドル軟化で小反発
NY金8日:ドル軟化で小反発
COMEX金2月限 前日比0.10ドル高
始値 1,069.70ドル
高値 1,078.40ドル
安値 1,066.80ドル
終値 1,075.30ドル
為替相場がドル安方向に振れたことや世界的な株安が下値を支え、小反発した。
特に注目されるような動きが見当たらない中、前日終値を挟んでの小動きに終始している。アジアタイムは前日の軟調地合を引き継いで戻り売り優勢の展開になるも、前日安値1,065.00ドルを攻略するには至らなかった。ニューヨークタイムに入るとドル安連動で下げ幅を縮小し、概ね前日終値水準まで戻して引けている。
原油相場急落で世界の株式相場は不安定化しており、米国株は大幅続落となっている。このために「安全資産」の観点から金相場に買いを入れるような動きもみられたが、本格的なリスクオフ局面に突入している訳ではなく、積極的に金相場を買い進むような動きまではみられなかった。
引き続き米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げ着手に対する警戒感も強く、金市場に対して積極的に資金を投入していこうとするような動きは確認できない。当然に原油安が世界の金融市場を不安定化させれば、改めて金相場が買い進まれる余地は存在する。その意味では原油価格の下落ペースに注意が必要だが、金相場を断続的に押し上げていくハードルはなお高いと考えている。
米連邦公開市場委員会(FOMC)、クリスマス休暇を控えてボラティリティが高まり易くなっているが、特に現物需要主導で安値是正を進めるような動きもみられず、引き続き戻り売り対応が基本になる。これまでの下げ幅を考慮すれば自立反発でも1,100ドル水準まで戻すエネルギーはあると考えているが、ドルに対する信認回復の大きな流れに変化がなければ、一時的な戻り圧力の有無との視点に留まろう。改めて1,050ドルの節目割れが打診される見通し。