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『コタツがない家』で迷走する息子のクラスメイト役。JK感が光る平澤宏々路が「普段の自分のままです」

斉藤貴志芸能ライター/編集者
『コタツがない家』より (C)日本テレビ

夫、息子、父と3人のダメ男を養うハメになった主人公を小池栄子が演じる『コタツがない家』。将来に迷走中の息子のクラスメイト役で、平澤宏々路が出演している。子役時代からのキャリアを持つ実力派で、今年から高校生になって見た目も可憐に成長。大人メインのドラマの中で、等身大のJK感が息子役の作間龍斗(HiHi Jets)との若者パートに華を添えている。

「大人っぽくなった」と言われます

――今年から高校生になって、中学時代と変わったことは多いですか?

平澤 勉強が格段に難しくなりました。私は理系が得意でなくて、化学反応式に苦戦しています。課題の量も増えたので、中学の頃みたいに友だちと遊びにはなかなか行けません。

――お顔立ちもJKっぽくなってきましたよね?

平澤 会う人みんなに「大人っぽくなったね」と言われます。身長も公式プロフィールより1cm伸びて、153cmになりました(笑)。

――JKっぽいことはしてますか? 放課後に友だちと原宿に行くとか。

平澤 放課後は教室で友だちとちょっと話して帰る感じで、どこかに出掛けたりはしません。でも、お仕事とは全然違う環境で、自分らしくのんびりいられるから、良い場所だなと思っています。

高校の文化祭では脚本を書きました

――行事には参加できましたか?

平澤 文化祭は準備から参加できました。クラスで劇を発表して、脚本を書いたんです。当日は教室の前で受付をしたり、ハプニングもありつつ、みんなとワイワイできました。

――脚本は1人で書いたんですか?

平澤 友だちと3人で書きました。40分くらいの劇で、最初はグリム童話を現代風にしようとしたんですけど、ちょっと変えて、物語の制作の裏側みたいな話にしました。『ヘンゼルとグレーテル』を題材に、話が進んでいく間にパンが焦げちゃうとか。

――スラスラ書けました?

平澤 あまり苦労はしなかったです。もともと脚本に興味があって、趣味で書いていたので。いつか仕事でも“脚本・主演”とか、できたらいいなと思っています。

――文化祭ではハプニングもあったんですね。

平澤 映像を使うところがあったんですけど、本番で音声が流れなくて。「マズい!」となって、急きょその場にいた人たちでアフレコをしてもらったり、ドタバタでした(笑)。

メガネの役は友だちにも気づかれなくて

――仕事のほうでは、今年はドラマ出演が相次いでます。『DIY!!』で演じたたくみんはメガネっ子の内気なキャラクターで、宏々路さんには珍しい役柄でした?

平澤 そうですね。『海月姫』でもメガネのおとなしい役(主人公の幼少期)でしたけど、たくみんはメインキャストでまた違うキャラクターだったので、楽しかったです。

――最初、宏々路さんだと気づきませんでした。

平澤 友だちにも言われました。「出てた?」「出てる! 出てる!」というやり取りがあって(笑)。アニメにどれだけ寄せられるか、原作ファンの方が納得するキャラクター作りができるか。現場でもアニメの映像を何度も観て、話し方や動き方をみんなで研究しました。基本、体の前で手を組んだり、脚を内股気味にしたり。

――意を決して「DIY部に入部します!」と言ったら、主人公のせるふたちに「まだ入部してなかった?」と言われる名シーンも再現されました。

平澤 アニメでモデルになった場所で撮影して、聖地巡礼で来ていたファンの方たちと遭遇したんです。ギャラリーが多かったから緊張しました。反応も気になったんですけど、放送されたら「アニメ通りだった」というコメントが多くて、ホッとしました。

――DIYも実際トンカンやったんですよね?

平澤 やりました。撮影前に講習があって、みんなでトレイを作って、工具の使い方や作業の仕方を教わって。そういうことは好きですけど、夏にロケでDIYのシーンがあると汗だくでした。前半は長袖で、たくみんはベストも着ていて、その上にエプロンを付けて工具をいじっていると、もう暑くて! みんなで扇風機を当て合って大変でした(笑)。

抱えてきた感情がほどける場面になりました

――『ブラックポストマン』での父親が殺されて施設で育った役も、最終回に主人公を演じた田中圭さん、小泉孝太郎さんと向き合う見せ場がありました。

平澤 話題になっていた作品に、急きょ重要な役で途中から参加できて。監督からいろいろ説明を受けたとき、どういうふうに演じたらいいのか、すごく悩んだんです。最終回は物語のカギとなる場面だから、当日もずっと悩んでいました。

――すべてが明らかになる、ドラマ全体のクライマックスでしたからね。

平澤 台本だけで子どもの頃のシーンを観られないまま、過去にどんなことがあったのか、全部しっかり入ってない状態だったんです。それで役作りがすごく難しくて。でも、撮影に入った瞬間、小泉さんと田中さんのお芝居で、今まで抱えてきたものがあったのを空気で感じました。感情がほどけて、あの場面が撮れたと自分では思っています。

――ほどける、という感覚でしたか。

平澤 それぞれ苦しんできた3人が揃って、自分の気持ちを吐露することでほどけるものがあって、全員が救われていく。それがうまく伝わったらいいなと思いました。

いたずらをするのは私も好きです

――『コタツがない家』のれいらは陽気な女子高生で、自然体で演じられる感じですか?

平澤 キャッキャしていて、皆さんが思うJK像そのものかなと思います。すごく考えて演じるというより、自分が思った通りに動いてみて、監督とすり合わせる形でやっています。

――学校での宏々路さんに近いような?

平澤 普段の自分よりは明るくしています。でも、動き方や話し方はあまり変わりません。いつもの自分を見せられたらいいかなと。

――れいらについて「似ている部分や共感できる部分がたくさんあった」とコメントされていました。

平澤 いたずらは私も好きです(笑)。(主人公の息子の)順基くんにちょっかいを出したり周りをウロウロしたりは、私も友だちにしていることです。撮影に入る前から動きはどういう感じか、簡単に想像がつきました(笑)。

――1話では音楽を聴く順基の後ろから、イヤホンを引っこ抜いてました。

平澤 両手を握って「どっちだ?」と当てさせるのは、私も友だちの消しゴムをパッと取ってやっていて(笑)。コチョコチョしたり、急にワッと驚かせたり、教室で友だちの席に座って「ここ、私の席だから」みたいなこともします(笑)。

恋愛感より何でも話せる友だちとして

――れいらはそうやって、不愛想な順基に自分から話し掛けていますが、公式サイトの相関図では互いの関係性が“?”になっています。

平澤 れいらちゃんが順基のことを本音ではどう思っているのか、私もわからないんです。何でも話せて、ちょっとふざけられる、良き相談相手の友だちというのが一番しっくりくるかなと思って、役を作っています。監督からも、恋愛感より友人として、一緒にいて楽しいところを出してほしいと言われていて。

――順基のほうは家で、家族に「その子が好きなのか?」などと聞かれて「知るかよ」と言ってました。

平澤 順基からこっちに矢印が向いているのか、もともとそうでなかったのが、だんだんお互い意識していくのか、私も気になっているところです。台本が上がってくるたびにワクワクします。

――宏々路さん目線だと、ツンデレで迷走気味の順基はどう映りますか?

平澤 身近にああいう人がいたら、たぶん私もちょっかいを出すと思います。好んで1人でいるように見えて、実は人と関わりたがっている気がするので、話し掛けて仲良くなって、相手も楽しいと思ってもらえたら嬉しいですね。

――撮影の合間とかは、順基役の作間龍斗さんと話しているんですか?

平澤 ずっと話しているというより、現場に入ったとき、「こうしたいです」と相談し合っています。時々「花粉がすごいですね」みたいな話もしつつ(笑)、もしかしたら今後2人が進展する回があるかもしれないので、良い関係性を作っておきたいです。

今回はのんびりやれたらいいかなと

――れいらと順基のシーンは、リアルな高校生っぽさを感じますか?

平澤 ありますね。学校のシーンが多くて、教室や掃除の時間に2人で話していて。私も学校で友だちと掃除しながらしゃべっていたり、放課後に話していたら先生が来たりすることは、よくあるので。

――では本当に、『DIY!!』とも『ブラックポストマン』とも違って、素に近い役なわけですね。

平澤 作品的にもホームコメディで、あまり気を重く持って演じると合わないし、のんびりやれたらいいかなと。実年齢だからできるお芝居をお届けして、「こういうJKはいるな」と思ってもらえたら、私の中では大成功です。

――ただ、れいらはJKでも高3なんですよね。

平澤 私よりちょっと上で、そこは自分のままで演じると若干幼くなってしまうので、少し大人びた良いあんばいも考えています。

――2歳の差はわりとありますか?

平澤 進路を考える時期ということで、会話もちょっと深くなるかもしれません。この作品に出てくる女性たちは、みんな芯が強くて憧れの存在ですよね。れいらちゃんも高校生なりに、漫画家になる夢は真っすぐ貫き通しているので、負けずに強くいられたらと思います。

漫画は描けないけど読むのは好きです

――れいらが漫画を描くシーンも出てくるんですか?

平澤 今のところ、ないです。でも、れいらが描いたことになっている原稿は初めて見て、すごいインパクトがありました。こんなのを描いているのかと。

――ヤンキー漫画でしたね。実際、自分で絵を描くことはあります?

平澤 ないです。描けたら楽しいだろうなと思いますけど、上手くないので(笑)。ユルい絵なら描けても、キャラクターをガッツリ描いたりはできなくて、漫画家さんはすごいなと読むたびに思います。

――漫画を読むのは好きなんでしたっけ?

平澤 好きです。家の本棚にズラッと並んでいます。

――どんな作品が好きなんですか?

平澤 ジャンルは問いません。アクションもホラーも青春ものも読みます。『暗殺教室』は全巻揃えて、ファンブックや公式資料集も集めました。『ガラスの仮面』もまだ完結していませんけど、出ている分は全部集めているところです。

――劇中では、廃業寸前とはいえ漫画家の順基のお父さんの仕事ぶりを見に、家まで行ってました。

平澤 初めて深堀家のスタジオを生で見て、「ここで撮影していたんだ!」とファンみたいな気分で心踊っていました(笑)。

和菓子の食べ歩きはずっとやっています

――『コタツがない家』の主役の小池栄子さんとは、4年前の『わたし旦那をシェアしてた』では娘役で共演していました。今回はあまり絡みはないようですね。

平澤 ご一緒する場面が少しあって、現場でご挨拶したら覚えていてくださって、「大きくなったね」みたいな会話をしました。

――あのときは反抗期の役で、当時の宏々路さん自身は「まだ来てない」とのお話でしたが、その後リアルな反抗期はありました?

平澤 中学生の頃、若干来たと思います。今も家で、学校の課題を「やりなさい!」と親に言われて「やろうと思ってたのに!」とか、そういう喧嘩はあります(笑)。

――公式プロフィールの趣味欄には、当時と同じ「全国の和菓子を食べ歩く」が挙がっています。

平澤 変わらないですね。休日や撮影の帰りに出掛けられたら、北海道展とかに寄って、和菓子を見つけると買っています。

――最近のヒットは何かありました?

平澤 京都の生八つ橋を久しぶりに食べたら、めちゃくちゃおいしくて幸せを感じました(笑)。京都に行く機会がなかなかなくて、こっちで売っているところも少ないので、大福や羊かんが増えていたんですけど、やっぱり王道が好きだなと思いました。

――特技の「エア卓球」も変わらずですね。もともと映画『ミックス。』での、新垣結衣さんが演じた主人公の幼少期の卓球少女役が、きっかけだったそうですが。

平澤 卓球はいまだに好きです。やる機会は少なくなってしまいましたけど、家で筋トレのついでにエアでやると、体を動かすのに最適です。

筋トレにハマって散歩も趣味に

――筋トレもしているんですか?

平澤 去年くらいからハマりました。もともと運動は好きで、自分の体がどう成長していくかを見ながら、それに合わせたトレーニングをしています。体調に余裕があるときは、どこまでが限界か、筋肉痛になるくらいランニングやプランクをやったりもします(笑)。

――鍛える必要性も感じて?

平澤 『DIY!!』の撮影に入る前に体を絞って、ビジュアルをキャラクターに寄せたいと思ったんです。新潟ロケに行っていた間も、ホテルで筋トレをしたり、撮休や早く終わった日に街を歩いて体を動かすようにしていました。それ以来、もっとやりたくなった感じです。

――高校生になって、新しい趣味ができたりはしましたか?

平澤 トレーニングから派生して散歩が好きになりました。知っている街でもゆっくり歩いていると、知らなかったところが見えたり、楽しいです。時間を決めずに歩いて、気づいたらすごい距離まで来ていたこともあります(笑)。だいたい1時間半くらい歩きますね。

――何か考えごとをしながら?

平澤 何も考えず、行き先も決めず、のんびり風景を見ながら「あっちに行ってみよう」という感じが好きです。

家では危険なコタツを買い替えました(笑)

――『コタツがない家』は12月まで続きますが、平澤家にはコタツはありますか?

平澤 去年、新調しました。前のは2人用で小さくて、ほとんど我が家の猫に使われていたんです。足を入れると噛まれるという危険なコタツになっていたので(笑)、広めのに買い替えました。今年の冬は、その新しいコタツが活躍すると思います。猫がいても、足を噛まれずに入れるかなと(笑)。

――冬はコタツ虫になりがちですか?

平澤 なりますね。夏は暑がりですけど、冬は寒がりなので(笑)。コタツにぬくぬく入って動かず、漫画やテレビを観たりしています。

――『コタツがない家』もリアルタイムで観つつ?

平澤 そうですね。回を重ねるごとに、れいらと順基の関係性が変わっていくので、最後はどうなるか、楽しみです。

――最終回はクリスマスの近くかと思いますが、JKとして盛り上がる予定もありますか?

平澤 「みんなで集まりたいね」と話しています。小さいホームパーティーができたらいいですね。

研音提供
研音提供

Profile

平澤宏々路(ひらさわ・こころ)

2007年9月21日生まれ、東京都出身。

2019年に研音に所属。主な出演作はドラマ『つまらない住宅地のすべての家』、『仮面ライダーBLACK SUN』、『ラストマン-全盲の捜査官-』、『DIY!!』、『ブラックポストマン』、映画『貞子3D2』、『ミックス。』、『水上のフライト』、『アーヤと魔女』(声優)など。ドラマ『コタツがない家』(日本テレビ系)に出演中。

『コタツがない家』

日本テレビ系/水曜22:00~

公式HP

(C)日本テレビ
(C)日本テレビ

芸能ライター/編集者

埼玉県朝霞市出身。オリコンで雑誌『weekly oricon』、『月刊De-view』編集部などを経てフリーライター&編集者に。女優、アイドル、声優のインタビューや評論をエンタメサイトや雑誌で執筆中。監修本に『アイドル冬の時代 今こそ振り返るその光と影』『女性声優アーティストディスクガイド』(シンコーミュージック刊)など。取材・執筆の『井上喜久子17才です「おいおい!」』、『勝平大百科 50キャラで見る僕の声優史』、『90歳現役声優 元気をつくる「声」の話』(イマジカインフォス刊)が発売中。

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