【京都市西京区】スーパーが次々と撤退する中で始まった生鮮品の買い物応援マルシェが地元住民の拠り所に
ホタテやブリカマ、イワシ、うなぎといった魚介類、新鮮な真鯛の刺身やアンコウ鍋セットなどもあります。パプリカや舞茸、トマトやアレッタといった農家直送の野菜類やみかんやいちごなどの果実類。芋せんべいやごぼう菓子などの菓子類。黒毛和牛やホルモン始め精肉類とこじんまりしたスペースに様々な食材が所狭しと並んでいます。
嵐山にあるコミュニティハウスで毎月第2・第4土曜日に開催されている地元で評判のマーケット「嵐山グランマルシェ」を2024年2月10日に訪れました。高齢者や親子連れなどが次々と訪れ大盛況の様子でした。玄関を入ってすぐのところで、この日は一品50円からのあったかおでんを振舞っていたマルシェ責任者の大島理恵さん手作りの惣菜類も人気です。
この日は、手作りのバレンタインチョコレートなども並んでいます。フランクフルトや焼き鳥など串物は、新鮮な魚介類などとともに庭先の炉端ですぐに炭焼きにしてもらえます。
実はこの焼き物を担当していたのが、嵐山コミュニティーハウスの持ち主「株式会社産業育成研究所」のオーナーの小林一さんでした。この施設は同研究所の福利厚生施設でもあります。「嵐山グランマルシェ」は2018年9月に始まりました。
嵐山といえば、観光名所が盛りだくさんの街という印象ですが、渡月橋から松尾大社にかけての東地区は住宅地で、高齢化が急速に進んでいます。当時の地域自治会から「3軒あったスーパーが全部なくなって、高齢者や小さい子供さんのいるご家族が買い物ができなくなって、なんとかならないものか」という切実な相談がマルシェ開催のきっかけだったといいます。
小林オーナーは、「当初は、一度やってみてあまりの大変さに、フェイドアウトしようとしてたんですけど(笑顔で)、地域の方々からの強いラブコールをいただき、今日まで続いているんですよ」と語ってくださいました。要望に従って、大阪中央卸売市場、鮮魚大手卸、食肉業者、野菜生産者、総菜業者、お菓子メーカーなど、仕入先をどんどん開拓していったのだそう。
奥には食事スペースもあり、家族連れでゆっくりと食事もできます。お父さんと一緒に、この日訪れていたほのかちゃん(4歳)とももかちゃん(2歳)も近所に住んでいて、毎回来ている常連さんです。新鮮な焼き魚を美味しそうに頬張っていました。お父さんは「近所にスーパーがないのでほんとに助かります」と話されていました。
アルコール類も提供しているため、時には訪れた人たちとスタッフで酒盛りが始まることもあるのだそう。地元の人たちのワークショップや音楽会なども開かれるといいます。5年前に始まった買い物支援マルシェも、今ではまさに地域の拠り所となっています。
新鮮な食材ですが値段はかなりリーズナブルです。少しずつ少量パックで買えるのも嬉しいところです。ぜひどなたでもお気軽に立ち寄ってみてください!
「嵐山グランマルシェ」(外部リンク)京都市西京区嵐山上海道町7−1 嵐山コミュニティハウス 080-4820-4008