次世代バンド、リュべンスが奏でる没入感高いシネマティック・ロック
●2024年、注目のロックバンドを発見した!
今年も夏フェスのシーズンがやってくる。2024年、音楽シーンを見渡すとインディペンデントに活動する良質なロックバンドが増えてきていることに気がつく。
そんな理由のひとつとなるかはわからないが、コロナ禍で時間を持て余した才能ある学生がバンドを結成した事例が増えていると耳にした。気鋭のニューカマー・バンド、リュベンスはコロナ禍に結成され、曲作りで籠り、現在は、積極的にライブ活動を繰り広げている逸材だ。
今年上半期に配信リリースした、ライブでお馴染みの人気曲「風を止めないで」、喪失感をひとすじの希望とともに表現した「天使さん」(YouTube再生20万回を突破)をターニングポイントに、突如アジア各地での再生回数も右肩上がりなリュベンス。初の遠征ライブとなった名古屋のサーキットフェス『SAKAE SP-RING 2024』でも注目を集め、少しずつ人気が高まりつつある状況だ。そんな魅力を、初インタビューとなるメンバーコメントを交えて紐解いていこう。
●シネマティックロック・バンド、リュベンスとは?
4人組バンド リュベンスは、2022年、青山学院大学の軽音サークルをきっかけに出会ったメンバーによって結成。2023年4月からセレナ(Vo / Gt.)、悦(Gt)、Mary(Ba)、まつまる(Dr).による現メンバーで活動スタート。これまでEP『ripple』(2023年)を1枚、配信シングルを「他幸感」(2023年)、「魔的」(2023年)、「風を止めないで」(2024年)、「天使さん」(2024年)と4曲をリリースしている。
「バンド名は、カタカタで複数形にしたかったんです。もともと絵を描くのが好きで、大学でピーテル・パウル・ルーベンスというバロック期の画家を研究していたので、そこから名付けました」(悦)
「3歳からバイオリンをやっていて、でも中学で嫌になってギターを買いました。(音楽好きな)友達がいなかったのでバンドをはじめたのは大学から。初めて人前で歌ったのは5年生の頃のお祭りでした」(セレナ)
「父親がビートルズが好きで、コピーバンドをやっていて好きが高じてキャヴァーン・クラブでライブをやって。私もハーモニカを吹いたんですよ。音楽が好きで、高校も大学も軽音で邦ロックやってました」(Mary)
「ルーツはONE OK ROCKでした。中学の頃から吹奏楽部でデカい音で叩いて、顧問に怒られていました(苦笑)。リュベンスは、一貫してメロディーがポップで耳馴染みがよいところが“らしさ”ですよね」(まつまる)
儚くも切ない歌声で物語を紡ぐボーカル&ギター、セレナ。コンセプト&アート、詞曲をプロデュースする鬼才ギタリスト、悦。空間を支配するリズムを織りなすベーシスト、Mary。ストイックかつスキルフルなドラマー、まつまる の4人が繰り広げていく、映像を喚起させるシネマティック・ロック。
「昨年出したEP『ripple』は、大学の頃に作った昔の作品たち。『風を止めないで』や『天使さん』以降の作品が、いまの自分たちを反映しはじめたかもしれません」(悦)
「リュベンスはノスタルジックと言われるかも。懐かしい気持ちを呼び起こすというか。かといって古すぎないと思っています。絶妙なバランスなんですよね」(セレナ)
「悦は天才型だけどすごく努力家で。基本皮肉屋だけど情が深い一面もある。そういう人間性は少なからず楽曲に反映されているかもしれません。」(Mary)
「名古屋『SAKAE SP-RING 2024』への参加は初の遠征だったのに、観にきてくれる方がいて感動しました。ようやくバンド活動を実感できるようになりました」(まつまる)
リュべンスによる、空間をミストのごとく覆い尽くす没入感高いポップ体験は、楽曲ごとに短編小説 / 映画のように感情を揺さぶる芳醇なる音楽体験を与えてくれる。そのサウンドは、ポップな大衆性とオルタナティブな実験性を併せ持ち、インディーロック、シューゲイザーな雰囲気を醸し出しながらも、令和時代に琴線を揺さぶる繊細な日本語詞へとこだわったポップミュージックを創出する。
「4人で共通して好きなアーティストはいないんです。ギリギリのバランスで保たれている関係なんで(笑)。メンバー各々、上手いこと足らないところを補い合っているんじゃないかな」(悦)
「まつまるは年下だけどまじめで、職人肌というか完璧主義なタイプかも。私もそうなんですけど、ストイックなところがあります。あ、子どもっぽいところもありますね(苦笑)」(セレナ)
「セレナはムードメーカー、バンドの顔となる存在ですね。バシッと鶴の一声を出してくれるし、ボーカリストとして花があります。パッと明るさを持ってきてくれるんです」(Mary)
「Maryは最初に声をかけてくれた先輩で。当時から、人とは違うオーラというか雰囲気を持っていました。リュべンスに入ったのは、Maryがきっかけだったので」(まつまる)
その音像は誰しもの心に眠るノスタルジーな淡い風景、切なくも美しい情景を浮かび上がらせていく。月間ライブ本数も増え、ライブハウスでの評価も高まってきた2024年下半期。ギターロック新時代の旗手として期待が高まっている逸材、それがリュベンスだ!!!
リュべンス オフィシャルSNS