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円安はやっとピークアウトし、今後は円高に向かうのか? #専門家のまとめ

窪園博俊時事通信社 解説委員
(提供:イメージマート)

 円安が足元で一服してきました。13日の外為市場で一時1ドル=152円近くまで下落し、昨年秋の最安値圏に並びました。その後、円高に揺れ戻し、前日は節目の150円を回復して149円台前半まで戻す場面がありました。米国のインフレ圧力が後退し、米長期金利が下がったことが背景です。輸入品の値上げなど家計を苦しめた円安がやっと終わりを告げたのか。最近の値動きや今後の見通しで参考になる記事や分析をまとめました。

▼米長期金利の上昇を背景に円安基調となる中、13日はテクニカル要因も加わり、152円近くまで円安が進展。

▼しかし、翌14日は米消費者物価が予想より弱く、一転して円高方向に揺れ戻します。

▼今回の米消費者物価を受けてFRBの利上げは打ち止めとなる見方が支配的となってきました。

▼これに伴って円安は一服。今後、円高への揺れ戻しが続く可能性があります。ただし、その程度は限定的とみられます。

 円安動向については、以前もまとめ記事を書きました。その後の変化として、大きなことは、やはり米国のインフレがピークアウトし、利下げに転じる可能性が出てきたことです。今後は、拡大した日米金利差が縮小し、円安圧力は弱まりそうです。ただし、日銀の低金利政策が当面続く可能性が高く、金利差縮小の程度は限られるでしょう。また、日本の貿易赤字は円売り要因です。円高に振れても、そのペースと程度は限定的と考えられます。

時事通信社 解説委員

1989年入社、外国経済部、ロンドン特派員、経済部などを経て現職。1997年から日銀記者クラブに所属して金融政策や市場動向、金融経済の動きを取材しています。金融政策、市場動向の背景などをなるべくわかりやすく解説していきます。言うまでもなく、こちらで書く内容は個人的な見解に基づくものです。よろしくお願いします。

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