NY金16日:FOMC前の買い戻しが優勢、米CPI低下の影響も
COMEX金12月限 前日比16.40ドル高
始値 1,104.40ドル
高値 1,123.70ドル
安値 1,103.00ドル
終値 1,119.00ドル
明日の引け後に米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果発表を控える中、利上げ見送りでの短期リバウンドに対する警戒感が強まり、ショートカバー(買い戻し)主導で急伸した。
アジアタイムは1,105ドル水準で方向性を欠く展開になったが、欧州タイム入り後に地合を引き締め、断続的に上値を試す展開になっている。明日の引け後にFOMC声明の発表などを控えているが、仮に利上げ見送りの際にはショートカバーが膨らむ可能性が想定されるため、イベント前に売りポジションの利益確定を進める動きが強くなった模様。8月の米消費者物価指数(CPI)が前月比-0.1%となり、市場予測通りだが低インフレ環境が示されたこともポジティブ。CPI発表後に更に買いが膨らみ、二桁の上げ幅を確立している。
なおFOMCでの利上げサプライズの可能性は完全に否定できないが、実際に利上げが行われる確率はシカゴの金利先物市場の織り込みでも23.1%であり、利上げ着手をメインシナリオとすることは難しい。このため、利上げサプライズ警戒での売り込みよりも、利上げ先送り警戒のショートカバーが優勢となる中、イベント前ながらも急伸地合いが形成されている。
もっとも、10月または12月のFOMCで利上げ着手が行われる可能性が高いことに変化はなく、金相場の戻り売り歩調が否定されることはないだろう。FOMCに関しては一時的な戻り圧力の有無との視点で十分であり、ダウントレンドが修正を迫られるような事態は想定しづらい。仮に利上げ見送りでも、早期利上げ着手をイメージさせるような発言が聞かれると、一気に10月利上げの可能性を織り込む動きが広がる可能性もある。