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2015年の新成人は126万人・21年ぶりに増加

不破雷蔵グラフ化・さぐる ジャーナブロガー 検証・解説者/FP  
↑ 毎年減少していく新成人だが、成人の日のにぎやかさは相変わらず

新成人は126万人、21年ぶりの増加

総務省統計局は2014年12月31日、2015年1月1日現在における「未(ひつじ)年生まれ」の人口と「新成人」の人口の推計データを発表した。それによると未(ひつじ)年生まれの人口は1007万人で、新成人の人口は126万人との推計となり、新成人の数は去年2014年と比べると5万人増えた値となった。これは1995年に減少へ転じて以来21年ぶりの増加となる。また、記録を始めてから一番多い値を示した昭和45年(1970年)の246万人に対し、5年ぶりに半数(123万人)を上回った。

2015年の新成人(2014年中に成人に達した人、2015年1月1日現在20歳)の人口は126万人だが、内訳としては男性65万人、女性61万人で、男性は女性より4万人多い。

↑ 新成人人口推移(万人)(各年1月1日現在)
↑ 新成人人口推移(万人)(各年1月1日現在)
↑ 新成人人口推移(万人)(各年1月1日現在)(21世紀分)
↑ 新成人人口推移(万人)(各年1月1日現在)(21世紀分)

新成人の人口推移を見ると、グラフ左の1970年が一番多い。これは第一次ベビーブーム世代が成人に達したのが原因。その後減少を続けているが、1980年以降再び増加に転じ、第二次ベビーブーム世代の人が成人に達する1995年前後にピークを見せる。その後減少傾向を再開し、今はそれが継続中の状態にある。

今回発表された2015年の新成人126万人は、データが残っている範囲では過去最低数を記録した去年2014年の121万人から5万人増加している。これは冒頭の通り21年ぶりの増加で、総人口に占める比率も21年ぶりの増加となる。去年までは「人口そのものの減少」「若年層人口の減少」の2つの状況が並行して起きていたが、今年は両方について増加を見せたことになる。もっとも昨年同様に総人口比で1%未満(2つ目のグラフで確認できるが、5年連続の状況)なのは継続中。

この新成人人口の増加の動きについて総務省側では、第2次ベビーブーム世代の人が親になる年齢に達し始めたことが影響し、新成人の出生年である1994年の出生数が、前年1993年に比べて増加したなどを理由として挙げている。 ただし国立社会保障・人口問題研究所の推計によれば新成人数は今後も上下を繰り返しながら中期的には減少の動きを示し、2025年には110万人を下回ると見込まれている。

なおグラフ上、1987年に大きなへこみが生じているのが目に留まる。これは昭和41年・丙午(ひのえうま)年生まれの人が成人した年。いわゆる「丙午信仰・迷信」により出産数が極端に少なかったことに起因するもの。これが主な原因で、上記にある通り十二支では丙午生まれの人口がもっとも少なくなっている。このように視覚化すると、ここまではっきりとした動向が確認できる次第である。歴史的事実として覚えておくとよいだろう。

未年生まれは1007万人

2015年は未年。その未年生まれの人口は合わせて1007万人で、そのうち男性は488万人・女性は519万人。総人口1億2702万人に占める比率は7.9%。出生年別に見ると、2015年中に48歳になる昭和42年(1967年)生まれの人が188万人でもっとも多い。次いで多いのは昭和18年(1943年)生まれの人で164万人との結果が出ている。また未年生まれの人口は十二支の中では9番目に多い人数となっている(一番多いのは丑(うし)年生まれで1122万人)。

↑ 男女、出生年別未(ひつじ)年生まれの人口(万人)
↑ 男女、出生年別未(ひつじ)年生まれの人口(万人)

過去のデータを探ると、未年は国際関連では中東で大きな動きが起きている。2003年はイラク戦争、1991年は湾岸戦争、そして1979年は第二次オイルショック。さらに1967年は第三次知友等戦争が勃発している。国内に目を向けると、それぞれの年で六本木ヒルズのオープン、東京都庁の移転、東京国際女子マラソンの開催、美濃部都知事の誕生など、東京に絡んだ大きな出来事が見受けられる。今年もまた、似たような事柄が生じ、歴史を束ねていくのかもしれない。

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※2014年12月31日 21:50 内容を加筆修正しました

グラフ化・さぐる ジャーナブロガー 検証・解説者/FP  

ニュースサイト「ガベージニュース」管理人。3級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)。経済・社会情勢分野を中心に、官公庁発表情報をはじめ多彩な情報を多視点から俯瞰、グラフ化、さらには複数要件を組み合わせ・照らし合わせ、社会の鼓動を聴ける解説を行っています。過去の経歴を元に、軍事や歴史、携帯電話を中心としたデジタル系にも領域を広げることもあります。

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