子供にネット機器、何歳頃から持たせるべきか
半数近い人がスマートフォンを利用し、会社や自宅でもパソコンなどを用いたインターネットへのアクセスが欠かせないものとなり、電気や水道同様にインターネットが日常生活の上では必要不可欠なインフラとなりつつある昨今。成長過程の子供達を持つ保護者に「いつ頃から子供をインターネットへの接続端末に触れさせるか」という問題が頭痛のタネとなっている。
インターネットが無かった頃には存在しなかった、新たな育児問題なだけに、試行錯誤が続いているのは否めない。果たして幼少児から触れさせるべきか、それともある程度の分別がついてからの方が良いのか。情緒教育との兼ね合わせもあり、非常に難しい。
今回はデジタルアーツが2014年7月に発表した、ゼロ歳から小学校低学年の子供を有する保護者に対して行った質問の回答報告書「未成年の携帯電話・スマートフォン使用実態調査」をもとに、現状を確認していくことにする。
次に示すのは今件調査対象母集団に尋ねた「子供のインターネット接続端末機器の使用開始に最適だと思う年齢」。回答者が自分の子供に、すでに該当端末に触れさせているか否かは問われていない。
最多回答区分は小学校低学年で28.2%。次いで4歳から6歳・小学校高学年がほぼ同率。小学校に上がる前にすでに触れさせても良いと判断している保護者は3割足らずで、少なくとも小学校以降ではないとダメだと考えている保護者が7割を超えている。
今件について保護者の性別、そして子供の年齢区分に細分した上で答えを再整理したのが次のグラフ。
子供の世代別では大きな変化が生じている。一部例外を除けば、男女の保護者とも「現在の自分の子供の世代」でインターネット接続端末に触れさせるべきだと考えている。今の自分の子供がネット接続機器への第一歩を踏み出す時期であると自覚している人がもっとも多いことになる。
またこちらも一部例外を除くと、最多回答率の次に多い世代区分は2つ先の世代。要は「自分の子供にはいますぐ触らせるべき」が最多で「もう少し時間を開けてから」がそれに続くという構造は、どの世代の子供を有する保護者でも同じパターンである。
唯一イレギュラー的な例外事例として存在しているのが、0歳から3歳児の子供を持つ母親。その年齢ではなく、小学校低学年を「第一歩」とすべきであると回答しており、「2つ先の世代」法則も合致しない。その他回答項目でも父親と比べると多少ながらも子供の年齢でやや上の歳ほど高い値が出ていることから、母親は父親と比べ、子供のインターネット接続機器への接触には、慎重な姿勢を示していると見て良い。
「子育てにおいて、子供にいつ頃からインターネットに触れさせるか」との問題に関しては、状況が生じてからまだ10年前後しか時間が経過していないがため、明確な答えは出ていない。今件結果もあくまでも一つの参考事例でしかない。
今後はタブレット型端末の普及に伴い、より子供のインターネットへのアプローチも容易なものとなる。いつ頃からOKを出すのかは保護者の判断次第であるが、その際に必要な啓蒙・ルールを教えとく事が欠かせないのは言うまでも無い。
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