今年のトリプル台風・五輪台風・台風10号
【台風ラッシュ】
※本記事は2016年8月27日現在です。
今年発生したこれまでの台風の動きを振り返ってみると、2016年は7月までの台風発生は0個。台風1号が発生したのは7月3日。これは1951年の統計開始以降、過去2番目に遅い台風1号の発生となりました。 (最も遅い台風1号の発生は1998年7月9日。)
(台風1号は午前9時、カロリン諸島付近で発生し、台湾から大陸へ上陸)
8月に入って台風ラッシュに。これまで立て続けに5個の台風が発生(台風5号から台風11号)し、上陸数は平年の値を上回っています。
平年値は、1981年~2010年の30年平均です。
(注)値が空白となっている月は、平年値を求める統計期間内に該当する台風が1例もなかったことを示しています。
(注)接近は2か月にまたがる場合があり、各月の接近数の合計と年間の接近数とは必ずしも一致しません。(気象庁HPより抜粋)
【北と南が逆転】
今年これまでに上陸した台風はすべて北海道となっていて、今年初の上陸から3個連続上陸が北海道というのは初めての事となります。
1年に3個北海道に上陸したのも初めてです。
台風の通り道である沖縄への台風の直接の大きな影響は台風10号まではなく、日本地図の北と南が逆転したような台風の進路となっていました。
南北コース逆転の大きな要因は、この夏太平洋高気圧の西への張り出しが弱く、台風の通り道が北に偏っていたからです。
同じような気圧配置が続いているため、台風はほぼ同じコースで北海道へ進んでいきました。
台風が日本近海で集中的に発生したため、台風9号・10号・11号の進路図が重なって見える現象が起きていました。
気象衛星画像の雲はトリプルにとどまらず、雲の渦が4輪にも5輪にも映し出されていました。
【五輪台風】
五輪台風というのは、1960年ローマオリンピックの閉会式の日に日本付近には5個の台風が存在していた事からそう呼ばれる事があります。その4年後には東京オリンピックが開催されました。それから56年が経った今年はリオオリンピック。その4年後に再び東京オリンピック開催控え、オリンピック開催期間中にまたも日本付近は台風ラッシュとなっていたことになります。
【台風10号】
今月19日に北緯33.1度で発生した台風10号は、南西方向へ進み、沖縄の大東島地方に接近し、Uターンし本州付近へ。
沖縄本島に進むと、北東方向から沖縄本島へ台風が近づくのはめったにない事となりましたが、台風10号は沖縄本島付近でブロックされ、台風を追い返す進路となってきました。
地上、上空、どちらの気圧配置をみても今年の夏の大気の流れは例年にないものとなっています。
【沖縄・大東島地方から本州へ】
台風10号は今後本州へ上陸の可能性があります。進路が次第に日本の東から大回りする形になってきました。
もし東北地方へ上陸するとなれば、東北地方にはこれまでにない強さで上陸する可能性があります。台風自身のは発達のピークは越えていますが、暴風・高波にも警戒するとともに、降り続く大雨への対策が必要です。