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【ハーレーの次世代コンパクトモデルの狙いとは】ハーレーから新型水冷Vツイン「ストリート750」発売

佐川健太郎モーターサイクルジャーナリスト
「Harley-Davidson STREET 750」

ハーレーダビッドソンの話題のニューモデル、「STREET 750」がいよいよ2月27日から全国の正規販売店での発売が決定、新年1月2日から予約受付を開始する。

ストリート750は、若年層ライダーとアーバンライダーをターゲットに開発された、全く新しいハーレーだ。次世代となる若年層に対しハーレーをより身近に感じてもらうこと、若年層のライフスタイルにマッチしたモデルを目指し、開発に際しては世界中の若年層3000人から集められた意見が反映されるなど、新しい世代のオーナーの趣向を強く意識したモデルに仕上がっているのが特徴だ。

“レボリューションX"と名付けられた新型SOHC4バルブVツインエンジンは排気量750ccとハーレーのラインナップ中では最小サイズとなる上、水冷方式としている点にも注目。都会のライディングのために特別にデザインされたエンジンで、高い気温や渋滞時でも最高の性能を維持するように設計されている。トランスミッションも現代的な6速が与えられている。

また、タイトコーナーを俊敏に走るために作られたフレームとサスペンションを装備し、軽快な走りを実現。それでいて、誰が効いてもハーレーVツインと分かる重低音をサウンドチューニングすることでハーレーの世界観を演出。スタイリングも虚飾を廃したシンプルさが強調され、カラーリングもダーク系を採用するなど、カスタムベースとしての可能性も訴求したデザインとなっている。

価格も米本国で7499ドルということで日本円に換算すると90万円程度と現行ラインナップでは最もリーズナブルなモデルとなっている。つまり、ストリート750のターゲットは従来のハーレーユーザーよりも若く、都市に生活基盤を置く中間所得層である。デカく大きい大陸横断ツアラーやワイルドなバイカーという定番イメージからの脱却。そして、特別感を誇示することにさほどこだわらない、普通の人々を狙ったモデルと言えよう。4輪高級ブランドを見ても分かるように、ダウンサイジングやコンパクトセグメントへの移行は世界的な潮流でもある。今後は2輪ブランドでも同様の動きが加速するかもしれない。

なお、日本での発売価格は順次発表するとのこと。今までの伝統的モノ創りとは異なるアプローチを始めたハーレーに注目したい。

出典:Webikeバイクニュース

モーターサイクルジャーナリスト

63年東京生まれ。早稲田大学教育学部卒業後、RECRUITグループ、販促コンサルタント会社を経て独立。趣味が高じてモータージャーナルの世界へ。編集者を経て現在はジャーナリストとして2輪専門誌やWEBメディアで活躍する傍ら、「ライディングアカデミー東京」校長を務めるなど、セーフティライディングの普及にも注力。㈱モト・マニアックス代表。「Webikeバイクニュース」編集長。日本交通心理学会員 交通心理士。MFJ認定インストラクター。

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