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八村塁の背番号「8」を背負っていた伝説の男

林壮一ノンフィクション作家/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属
コービー・ブライアントは2006-07シーズンから背番号24を纏った(写真:ロイター/アフロ)

 今シーズンのNBAオールスターゲームは2月16日に開催される。14日にはNBA1年目と2年目の選手が参加するNBA Rising Starsのゲームが、15日にはダンクコンテストが予定されている。

 今回の開催地はシカゴ。マイケル・ジョーダンがブルズのユニフォームを着て一時代を築いた場所だ。

 ジョーダンと言えば、背番号「23」。現在NBAの主役であるレブロン・ジェームスは、ジョーダンに憧れていたからこそ、高校時代から「23」を着用して来た。

 さて、日本メディアに配布された「NBA All Star 2020」の案内には「未確定ですが、14日のNBA Rising Starには、ワシントン・ウィザーズの八村塁選手が出場する可能性が高いと言われております」と書かれている。

 NBA Rising StarもNBA All Starも東西に分かれ、自身が所属チームで身に着ける番号のユニフォームに袖を通す。東は青、西は赤といった具合になるのだが、同一チームに同じ番号が存するケースも珍しくない。

 八村塁がNBA Rising Starsにセレクトされた場合、背番号8となるであろう。そこで私が思い出すのが「8」を背負ったLegend、コービー・ブライアントだ。コービーは1996-97シーズンのデビュー以来、10季を背番号「8」でプレーし、11シーズン目から引退までは「24」を選んだ。 NBAを制すること5回。得点王2回、FINAL MVP 2回、シーズンMVP1回。文字通り、長くNBAの顔だった男である。

 コービーがレブロンの猛攻を受けながら、NBAベストプレーヤーの座を死守していた2009-10シーズン、私はウォーリアーズ戦後の控室でコービーに質問をぶつけたことがある。

ーーーーバスケットボール選手として、あなたが成功した要因とは何ですか?

 コービーは、ニヤリとしながら応じた。

 「いいチームメイトに恵まれ、最高の組織力で戦うことさ」

 今回、八村がNBA Rising Starの一員となれば、更に彼の能力を引き出せるチームメイトとの化学反応が見られるかもしれない。八村にとって、かけがえのない経験となるであろう。コービーの言葉を肌で感じることができるか。

ノンフィクション作家/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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