じゃりっとしないあさりの砂出し方法と、煮るのは水から?お湯から?ひとり小鍋あさり豆腐
突然ですが!池波正太郎の食道楽エッセイを繰り返し読むのが大好きです。
春夏秋冬四季折々の味を楽しめる料理の描写はとても簡潔で記憶に残りやすく、料理初心者でもなるほど!と食通になった気分にさせてくれます。
今日は何を作ろうかと悩みながら明確な計画もなくスーパーマーケットに行った時に、食材を見た瞬間に何気に記憶されているそのエッセイの文章が、ふと頭に浮かんできます。今日は、いつもより大きなあさりが安い!今夜はあさりのひとり鍋にしてみようか、なんて感じに。
きっちり池波正太郎レシピで作る春の湯豆腐は、はまぐりで作るものなのですが、ひな祭りの頃なら手に入りやすかったはまぐりは、もうスーパーには並んでいなくて・・・大きめのあさりを見つけた瞬間に、あ!これを代わりに!できるな〜って。
大根を加えたのは「湯豆腐に大根を入れると、豆腐がふわふわにやわらかく煮える」と、これも池波正太郎エッセイから学んだ知恵なのです。
あさり
じゃりっとしない砂出しの仕方
あさりは殻をこすり合わせて水洗いし、あさりがかぶるくらいの水の量に4%ほどの塩を加えた塩水(海水に近い塩分)に2〜4時間(夏場は冷蔵庫で)浸して砂出しをします。
じゃりっとしないポイントは、平たいバットに網やラックなどを置き、その上に貝同士が重ならないようにあさりのせること。網などにのせることで、一度吐き出した砂を吸い込みにくくなります。
バットにふんわりとアルミホイルをかぶせて暗くしてあげると貝の口を緩め、早くスッキリ砂を吐き出してくれます。
【ひとり小鍋】あさりと大根の湯豆腐
材料
- 豆腐 1丁
- あさり 100〜150g
- 大根 5cm
- 昆布 1枚(約10cm)
- 水 500〜600ml
<ねぎ醤油>
- 長ねぎ 1/2本
- 醤油 大さじ3
下ごしらえ
- あさりの砂出し(上記の方法で)
- 砂出しをしている間に、鍋に昆布と水を入れて戻しておきます。(以前に茶碗蒸しレシピで紹介した昆布水を作ってくださった方は下準備不要です)
- ねぎ醤油を仕込んでおく。小口切りにしたねぎと醤油を合わせておくだけ。
作り方
1. 下ごしらえしておいた昆布入りの鍋にあさりと薄い半月切りにした大根を入れて吹きこぼれない程度の強火(卓上コンロやIHがオススメ)にかけます。
ポイントは、加熱前の冷たい水の状態からあさりを煮ることで、よりおいしい出汁がとれます。
2. あさりの口が開いたら、火力を弱め、食べやすい大きさに切った豆腐を加えます。
あさりをつまんで食べているうちに豆腐も温まり食べごろに!仕込んでおいたねぎ醤油を、ねぎごとかけて召し上がってください。
大根、豆腐は都度加えながら。
ポイント・メモ
- 昆布水を使う場合は、分量の昆布水だけでOK。お好みでつけておいた昆布を食べやすい大きさに切って具材としても使っていただけます。
- 大根は太いものは扇形に切っていただいた方が火が通りやすく食べやすいかと思います。ひとり鍋の具材としては、なるべく薄く切るのがお勧めです。
私の【ひとり小鍋】について
【ひとり小鍋】に使用しているのは、内径約20cm、外径約27cm、深さ約6cmの鉄鍋です。
鉄分も摂取できる鉄製調理器は、色々に使える優れもの。
こちらのシーズンスチールスキレットループハンドル8インチは、ひとり小鍋に超お勧めです。
大勢でいただく鍋料理は、たくさんの具材を入れて楽しむのが好きですが、ひとり小鍋の場合、具材は2種類から多くとも3種類すると、最後スープまでおいしく食べ切ることができます。
使う道具は小さめで浅めなもの。そして食卓でひとりゆっくり楽しめるよう、IHの卓上調理器が使えるものがお勧めです。最近は土鍋でもIH使用可能なものもありますし、ちょうど良いサイズの土鍋をお持ちであれば、卓上ガスコンロでも良いですよね。
四季折々のひとり小鍋、また紹介したいと思います。
レシピ・文 料理研究家 岸田夕子