本格的な博多の豚骨ラーメン店があると言う噂をキャッチし行ってきました「博多ラーメン琉(りゅう)」さん
東京・目黒区祐天寺に2009年開業した「博多ダイナー琉(りゅう)」の森田さん。
福岡出身で地元福岡のホテルや人気店で腕を振るった洋食シェフが東京に来て辿り着いたのはなんと「太宰府ラーメン」と言う、脂とお肉の甘みたっぷりのド豚骨ラーメン!お醤油も福岡の老舗醤油店のものを使うなど本物の福岡の味を堪能できるこだわりのラーメン店が誕生しました。そして屋号も博多ダイナー琉から「博多ラーメン琉」に変更して専門店として営業されています。
場所は、東急東横線・祐天寺駅から徒歩約4分という立地にあります。
★東急電車では渋谷駅から祐天寺駅は約6分、中目黒駅から祐天寺駅まで電車で2分で行くことができますので祐天寺はアクセスの良い場所です。(8分間隔)
臭みを出さないことがポリシー
「巷ではくさ旨ブームやろ?でも俺らが小さいころから馴染んだラーメンって店は臭かったけどラーメンは臭いと思ったことないんよね。」と博多弁混じりでリズミカルにお話ししてくださる森田さん。
ここが最大の森本ポイントです!
確かに博多ラーメンといえば「くさ旨」が良いと言われるほどの昨今の評価。
敢えてそこでなく、濃いけど豚をしっかり感じる臭くないラーメンを追い求めたのかを紐解いてきました。
まず最初に聞いてみました。
そもそも何故「太宰府ラーメン」なのか?
私が知る限り、太宰府とは地名で菅原道真公が祀られる太宰府天満宮があり、梅ヶ枝餅という焼き餅が有名と言ったことを聞いたことあるくらいで・・・、太宰府??って思ったんです。
店主の森田さんにその付近熱く語っていただきました。
その答えは実にシンプルで、育った土地の人気ラーメン店に訳があったのです。
「俺たちの地元に太宰府八っちゃんってラーメン屋があってね。そこのラーメンがものすごく好きやったとよ。だけん、そればリスペクトして俺流に作ったとがこのラーメンなんよ。」と地元のラーメン屋さんのラーメンが好きだったことに尽きるそうです。とはいえ、そこで修行したわけでもなく、何度も食べたあの味を思い返しながら納得の行くまで繰り返しやり直し今に至るというか、納得できたから専門店にしたと言って過言ではないと感じました。
スープのテイスト
一番のこだわりはスープ。これに尽きます。森田さんの思いが籠ったスープの作り方まで厨房で事細かに教えていただきました。
こんなことまで教えてもらっていいのか?と疑問に思い伺ったところ「この製法で美味しいラーメンができてそれを真似て作ってもらっても構わない。俺は自分達が生活していければいいから、逆にこの「太宰府ラーメン」が広まって「森田」の名が語り継がれたら本望だとか。さすが博多っ子の心意気!感動しました。
さて、そのスープの話に戻りますが、お湯を張った寸胴に頭骨・コミガラ・背ガラを沸騰させ、アクも取らず朝から14時くらいの5時間炊いて急冷して明日の分として冷蔵庫で寝かせます。「発酵はさせず熟成の旨味だけをスープに含ませたい」とおっしゃる森田さんが考えるよその博多ラーメンとの違いは、「臭みがない豚骨スープでありながら尚且つ背脂の層の持たせ方」だそうで、取り切りのスープと呼び戻しスープのいいとこ取りのやり方でやっていて、毎朝の仕込みの時に前の残りと新しく下ろしたスープを併せて深い奥行きのあるスープに仕上げていくそうです。
厨房内に潜入調査
今回は厨房内に潜入し、作る手順まで見学させていただいたんです。間近で見て、読者の方々に細かくお伝えしたいと申し出ると快く承諾してくださいました!
この自慢のスープをより美味しく味わっていただくための秘訣は、オーダーが入ってから必要なスープを温めていくことだそうです。そしてカエシに福岡産の醤油と少しだけナンプラーを加えたもの丼に準備し、そこに自慢のスープを注ぎ込む手順です。
さて、麺ですが「こちらもやはり福岡の麺を取り寄せているんですか?」と問うと違うと言うこと。「バリカタでなくカタ麺が一番美味しい」と森田さん。その加減を表現するには短めに茹でてもネチャっとしない麺でありながらカンスイの匂いが邪魔しないように少なめの麺を探して見つかった麺を採用していらっしゃるそうす。
その麺を鍋で丁寧に茹でる。その作業は昔ながらの作法。釜茹でではないものの鍋にたっぷりのお湯を張り、鍋蓋の上で麺を蒸らし、対流したお湯の中へ麺を泳がす。それを平ザルで集めパシパシっと言う音を奏でながら湯切りを行うのです。
この泳がせる時間が茹で加減がポイントだからココも職人芸ですね!
トッピングに対するこだわりもすごい!
チャーシューは少量の塩でボイルした後、仕上がった豚骨スープで炊いています。冷倉庫に寝かし、その日使う分をバーナーで炙るというラーメン屋と言うより料理人としての経験値から身についたやり方だそうです。そして、お肉が酸化しないように一手間かけてオーダーが入ってからその都度スライスし、醤油と砂糖に生姜を加えた煮汁に潜らせ一番いい状態でトッピングすると言う具合に手が混んでいます。ネギも朝必要な分だけ手切りして準備すると言うとこにも一番いい状態の「新鮮」をお客様に届けたいと言う証じゃないでしょうか?
最後に背脂をシャッとかけるのが脂の層を作るという業なのでしょう!この量の加減重要な気がします。
では、いただきます!
さあ、いざ実食です!先ずはスープを・・・。
口の中に広がる豚の甘さと深い味わい。さらにそこにふんわり感じる九州の醤油の香り。そして、ハイ、香りません。匂いはというと、ほんのり豚の香り。だからこそ醤油の良き香りが感じれるのでしょうね。
さてさて、麺です。
このスープに合わせる麺は結構なハードルでは?麺が負けないように主張しないとバランスが良くないでしょうし、森田さんが選ぶ麺はどうなのか?ねっとりしたカタ麺が好みでない私に刺さるのか???期待がいっぱいの中食べてみました。
確かに丁度いい塩梅のカタめん。食べてみるとパツンとしていて、小麦の香りが放たれるような麺ですごく美味しくスープとも合っている!喉越しも良い。これどこの麺ですか?ついつい聞いちゃいましたけどそこは現地でのお楽しみ。確かめてみてください。
チャーシューも存在感あるし、食べ応え抜群。ここまでくるともうコース料理の世界ですね。ネギもシャキッとしていてこの量のっている意図が伝わる。薬味として、そして野菜として両立した感じです。最後まで温かく良い状態でいただける配慮が随所にあり、本当に最後まで美味しくいただけて嬉しいです。
次に食べて欲しいのはワンタン
カメラマンがおすすめの茹でワンタンがのったラーメンを食べていたのでお裾分けいただきました。これは東京にない味で美味しい!お肉もたっぷりで満足感あります。トッピングでなくサイドメニューでもあるそうですよ。
博多といえばの辛子高菜も
森田さんから「これも食べてみて」とアイテムが。辛子高菜じゃないですか!私辛いの苦手なんです。と思いきや森田さんも苦手のようで、甘味のある芳醇な辛子高菜。ご飯にのせても美味しいですよ。替玉かごはんか迷う選択になりそうですね。
純博多のラーメンが食べれるのはファンにとって凄く嬉しい
東京で博多出身の方の博多豚骨ラーメン店は少ないです。近頃、超有名になった「健太」くらいではないでしょうか?あとは長浜ナンバーワンが大田区に直営でありますね。と言うことは、老舗屋台味の「長浜ラーメン」ナンバーワンとクサ旨豚骨「博多ラーメン」健太、そして臭みがほとんどない新たに誕生した「太宰府ラーメン」琉とそれぞれ異なる福岡の本物の味を楽しめる店が揃い踏みですね。
博多ラーメン琉としながら、こだわりの「太宰府ラーメン」が味わえるお店が祐天寺にあるのは嬉しい限りです。森田さん曰く、祐天寺の町が福岡の町並みに似ていて居心地が良くて、好きなんだそうです。
まだ私たちラーメン専門家の中でジワジワ来ている感じなのですが、人気店になるのは間違い無いですね!本当は並びが出来て行きづらくなるのは辛いですが、この味はおすすめせずにはいられません。
是非とも行ってみてくださいね。
【お店からのお願い|※ご注意ください】
●お会計はキャッシュレスのみの対応です。現金非対応です。
●酔っているお客様のご入店はご遠慮していただいています。
●営業時間などは変更になる場合がありますのでX(旧ツイッター)やFacebookにてご確認ください。
●お1人様1杯のラーメンをご注文ください。(ラーメンのシェアはお断りしております。)
【編集後記】
現役バンドマンの森田さん。店内はラーメン屋らしからぬ装飾で女性一人でも入りやすいインテリアです。絵画としか思えないお子様の描いた絵が飾ってあったりアットホームな雰囲気です。「1人でやっているのでお待たせすることも・・・」とおっしゃってましたが、この空間なら待つのも一つの楽しみです。キョロキョロしちゃうかもですが、そこは大丈夫ですので店内も楽しんですください。
私的には次は夜のちょい飲みに行きたいな。おすすめはニラ玉(博多ニラ玉子焼き)と皿盛り茹でワンタンでしょうね。ビールは赤星(サッポロラガー)と酒飲みの心を鷲掴みじゃないですか!締めはもちろん「太宰府ラーメン」で!
【店舗情報】
博多ラーメン琉(りゅう)
住所:東京都目黒区祐天寺2-4-3 バルト祐天寺1F MAP
電話番号:03-6303-4723
URL:X(旧Twitter)/Instagram
営業時間:12:00〜14:30、18:00〜21:00
※営業時間や店休日の変更もありますのでSNSでご確認ください。
定休日:木曜日・日曜日