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【就活生必見】今“最もホワイトな企業”はどこか--各種ランキングから見る実態

安藤光展サステナビリティ・コンサルタント
ホワイト企業って存在するの?(写真:アフロ)

■ホワイト企業の見つけ方

6月も終盤に入り現在進行形で就職活動中の学生も多いと思います。中途転職者もそうですが、企業の就業形態(ワークライフバランス)や福利厚生が気になる方も多いでしょう。そりゃ、誰もがブラック企業(劣悪な労働環境の企業)に就職したくないですからね。

そして最近は様々な官公庁や民間からホワイト企業(充実した労働環境の企業)に関する調査データが発表されています。私の専門のCSR(企業の社会的責任)の領域では、これらのホワイト企業は「ワークライフバランス先進企業」といわれます。政府視点では「働き方改革実践企業」とでもいうのでしょうか。

そしてその評価ですが、どんなに社外評価が高くても社内評価が低ければホワイト企業とは言えないのだと思います。ですので、今回は外部の評価の高い企業だけではなく、従業員側からの企業評価もまとめています。

というわけで本記事では、一つの指標では見えなかった企業価値を見つけるため、いくつかの最新ホワイト企業ランキングを参考に「今、最もホワイトな企業」を探してみます。

■「働きがいのある」ホワイト企業

三菱地所、Sky、理想科学工業、ユニリーバ・ジャパン、エス・エム・エス、特許庁、日本テキサス・インスツルメンツ、薬樹、第一三共、トヨタ自動車、東京消防庁、ニッセイアセットマネジメント、アイ・ケイ・ケイ、神奈川県警察、ギャップ・ジャパン、アボット・ジャパン、山陰合同銀行、アサヒビール、ミリアルリゾートホテルズ、ネクスト

参照:「働きがいのある」ホワイト企業ランキング2017

Vorkersによると、20代の働きがいのある企業トップは上位のような企業だそうです。実際に働いている従業員(公務員)なだけに、その信頼性は高そうです。外資系の社内人材への配慮は高いと聞いたことがありますが、中の人から見ても実際に高いという結果に。

■働きやすく生産性の高い企業

ディスコ、SCSK、河合電器製作所、ダイキン工業、大豊工業、旭テクノプラント、ヤマサハウス、味の素、伊藤忠商事、千葉銀行、富士ゼロックス、ヤフー、国本工業、サントリーシステムテクノロジー、リソーシズ

参照:働きやすく生産性の高い企業・職場表彰2017

厚生労働省のアワードです。「第1回 働きやすく生産性の高い企業・職場表彰」(2017)の企業です。先ほどの調査とはガラっと変わった企業がランクイン。CSRの外部評価が高くて有名な、SCSK・ダイキン工業・味の素・伊藤忠商事・富士ゼロックスなどが登場です。

■ユニークな社内制度や福利厚生

サイバーエージェント、オリエンタルランド、ワークスアプリケーションズ、アップル・ジャパン、イケア・ジャパン、日本オラクル、博報堂、電通、USJ、楽天、ファイザー、ソニー、ナイキ・ジャパン、ソフトバンク、資生堂、日本アイ・ビー・エム、アマゾン・ジャパン、デル、アクセンチュア、ストライプインターナショナル

参照:「ユニークな社内制度や福利厚生がある」企業ランキングを発表― 日本最大級の企業クチコミサイト『カイシャの評判』調べ ―

従業員を日々サポートする福利厚生は、ないよりあったほうが働きやすいはず。いわゆる外資系企業が目立ちます。日本企業はいわゆるオーナー企業(創業者が社長の企業)なんかは福利厚生の充実などをさせやすいのかもしれません。終身雇用の社会は終わったとはいえ、居心地がいいとずっといたくなりそう…。

■働きがいのある会社

ワークスアプリケーションズ、アメリカン・エクスプレス、Plan Do See、ディスコ、プルデンシャル生命保険、モルガン・スタンレー、DHLジャパン、日本イーライリリー、アビームコンサルティング、良品計画、ジョンソン・エンド・ジョンソン日本法人、東京海上日動システムズ、インテリジェンス、三幸グループ、三菱インフォメーションテクノロジー、アクセンチュア、ルネサンス、IDOM、アディダス・ジャパン、3Mジャパン

参照:日本における「働きがいのある会社」ランキング

この調査は「従業員へのアンケート」と「会社へのアンケート」という2種類の調査で格付けされるようです。今回ピックアップしている会社は「従業員1,000人以上」というカテゴリーのトップ20社です。4つ目の調査ですが、ここまでくると重複して名前が挙がる企業がチラホラと。

■健康経営銘柄

大和ハウス工業、ネクスト、ローソン、味の素、ワコールホールディングス、花王、塩野義製薬、テルモ、バンドー化学、TOTO、神戸製鋼所、リンナイ、サトーホールディングス、ブラザー工業、デンソー、トッパン・フォームズ、伊藤忠商事、大和証券グループ本社、東京海上ホールディングス、大京、東京急行電鉄、日本航空、東京ガス、SCSK

参照:「健康経営銘柄2017」選定企業24社を発表しました

健康があれば何でもできる!というわけでもないですが、従業員の健康への配慮がある企業は当然働きやすいはず。国内上場企業がメイン。このインデックスは財務面も評価に入っているため、企業のサステナビリティ(持続可能性)も高く、就職にはかなり好条件な企業と言えるかもしれません。

※健康経営は、NPO法人健康経営研究会の登録商標です。

■国内トップレベルのホワイト企業

今回は5つの指標/ランキング/格付けから上位企業をピックアップしてみました。現状であたりの以下の企業が、国内トップレベルのホワイト企業と言えるのかもしれません。(順不同)

味の素、伊藤忠商事、SCSK、ワークスアプリケーションズ、ディスコ

他にも上記のランキングに登場している企業は、ワークライフバランスを重視する就活生および転職者にはオススメと言えるでしょう。ただし保証はありませんのでエントリーは自己責任でお願いします。

■まとめ

表には加えませんでしたが『新入社員に優しい「ホワイト企業」トップ500』というランキングでは、新卒の入社3年後定着率を格付けしたもので、定着率100%となる1位は118社もあります。離職率が低いからホワイト企業なのか、という意見もあって当然ですが、少なくとも企業評価としては参考になるデータだと考えています。

就活生はまだ知らない人の方が多いと思いますが、現実的には、ホワイト企業であっても現場や部署によって“ブラック”な所がある場合がのほうが多いです。ホワイト企業を選べばほとんど間違いないでしょうが、企業とは様々な人の集まりであり、ブラックとホワイトの“グラデーション”で成り立っていることだけは理解しておきましょう。

現在進行形で就職活動をしている大学生も多いと思いますが、大手企業のネームバリューに踊らされず、今回ピックアップした「働きやすく・働きがいのあると思われる企業」も、候補にするとよいかもしれません。

サステナビリティ・コンサルタント

サステナビリティ経営の専門家。一般社団法人サステナビリティコミュニケーション協会/代表理事。法政大学イノベーション・マネジメント研究センター/客員研究員。著書は『未来ビジネス図解 SX&SDGs』『創発型責任経営』ほか多数。国内上場企業を中心に15年以上サステナビリティ経営支援を行い、またテレビ、新聞、週刊誌、ニュースメディア等でも解説を多数担当。

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