パニック障害の『原因』や『共通点』と3つの症状について解説!
こんにちは、精神科医しょうです。
脳の病と言われるパニック障害ですが、発症の原因は明確には解明されておらず、発作を起こすと死んでしまうのではないか?と思うほどの苦しい状態に陥ります。
自分の中で、発症要因がつかめていたら、ある程度前向きな気持ちで治療に専念できるのかもしれませんが、根本的な原因がわからない場合は、不安が日を追うごとに強くなり、そこから生じる負の感情やストレスを上手く対処できずにいると、うつ病を発症してしまうこともあります。
では、自身で思い当たることがないのに、ある日突然、パニック障害を発症してしまったら、どのように対処していけば良いのでしょうか?
今回は不安障害の一つであるパニック障害に焦点を当てて、解説したいと思います。
パニック障害とは?
パニック障害は、何の理由もなく突然、強い不安に襲われ、動悸や息切れ、めまいなどの症状が出る脳の病気です。
100人中2~3人の割合で発症すると言われており、重症化するとひきこもったり、うつ状態に陥ってしまったりすることもあるため、早期の治療が大切です。
パニック障害の原因とは?
パニック障害の原因は、明確には解明されていませんが、遺伝やストレス、脳内の神経伝達物質であるセロトニンやノルアドレナリンの分泌異常だと考えられています。
また、血縁者にパニック障害を発症した人がいる場合は、発症率が高くなるとも言われています。
ストレスが原因で発作が起こる場合は、ネガティブな思考や感情が引き金になることもあります。
パニック障害の3つの症状とは?
パニック障害の症状は、大きく3つに分けられます。
①パニック発作
②予期不安
③外出恐怖(広場恐怖)
順番に見ていきましょう!
①パニック発作
場所や時を選ばず、突如、強い不安に襲われ、それと同時に動悸や息切れ、めまい、吐き気などの症状が表れます。
発作は長くても1時間程度でおさまることがほとんどですが、発作を起こしている本人は「このままでは死ぬのではないか!?」というほどの不安や苦しさを感じます。
②予期不安
第2段階は予期不安です。
パニック発作を繰り返している内に「今日も発作が起こったらどうしょう…」と不安に駆られるようになり、日常生活に支障が出はじめます。
予期不安が増すと、発作を起こした場所を回避するようになったり、人と会うことをためらったりするようになります。
③外出恐怖(広場恐怖)
第3段階は、不安が高じる場所への外出を控えるようになり、徐々に外出自体に恐怖を感じるようになります。
外出を拒んでひきこもることが多くなり、エスカレートするとうつ病を発症してしまうこともあります。
パニック障害の治療法とは?
パニック障害は治療法が確立されており、薬物療法と精神療法を併用することにより、症状の緩和を目指します。
薬物療法ではセロトニンを抑える薬の服用によりパニック発作や予期不安を軽くさせます。また、精神療法では精神科医との対話やカウンセリングなどを通じて、不安に慣れていくようにします。
パニック障害に限らずどの病でも、症状が悪化するにつれ、日常生活への影響が大きくなり、身体的にも精神的にも追い込まれてしまいます。
自己判断したり放置したりせずに、必ず医療機関を受診し早期に治療を開始しましょう。
パニック障害を発病しやすい人の特徴と考えがちなこととは?
発症の原因は明確には解明されていませんが、遺伝や体質が原因となることもあります。
何が引き金になっているのかは、本人ですら気が付いていないことも多いため、粘り強く自身の感情と向き合うことが必要になる場合もあります。
原因不明の症状に苦しんでいる方は、まずは自分の意思や感情にフタをせず、正直に向き合うことから始めてみてはいかがでしょうか。
では、パニック障害を発症しやすい人の特徴や考えがちなことについていくつか解説したいと思います。
・人を喜ばせたいと思っている
自分を犠牲にしてまで、すべての人を喜ばせなければならないと感じています。
・怒ることへの恐怖を感じている
怒ってはいけないと感じているか、怒りは危険であるから回避しなければならないと考えてしまう傾向があります。
誰かに苛立っていたり、腹を立てていたりしても、こんな感情を抱くこと自体がいけないのだと自分を責めたりもします。
・人と対立することに対する恐怖を抱いている
いつでも誰とでも仲良くしなければならないと考えてしまいます。
・負の感情をコントロールし過ぎている
感情をコントロールできる人間でなければならない!と思い込んでしまいます。
特にネガティブ感情は表に出してはならないと、自分をいさめてしまう傾向があります。
まとめ
今回はパニック障害について解説し、発症しやすい人の特徴や傾向をいくつかあげてみました。
もし現在、何らかの症状で苦しんでいる場合は、本当の感情と自身が一体になっていない可能性があることを念頭に置き、自分自身と正直に向き合うことから始めてみましょう。
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