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日本ハムはこれで清宮幸太郎を二軍落ちさせるなら、そもそも昇格させるべきではなかった

豊浦彰太郎Baseball Writer
ゴールデンルーキーにはそれなりの育成方針が適用されるべき(写真:YUTAKA/アフロスポーツ)

日本ハムの清宮幸太郎が二軍落ちした。打率.179、1本塁打、2打点という成績では致し方なしとの見方も可能だが、ぼくには少々釈然としない。

今回の降格の理由は、打撃不振とこれから交流戦に入りDHが使えないゲームが増える(出場機会が減る)ということに集約されるようだ。

現時点では力不足なのは確かだ。上記のトラディショナルな打撃三部門の数値もあるが、71打席で28三振を喫する一方で四球は4つしか選んでいないことがそれを示している。基本的には一軍の投手に翻弄されたと見るべきだろう。しかし、それこそ大谷翔平ではないが、当初は相手投手にあしらわれるもその後に克服する機会を与えなくてよいのかという疑問は残る。打者というものは本来しっかりと機会を与え、その間成功と失敗、好調と不振を繰り返しながら成長するものだからだ。

一軍投手には太刀打ちできないからファームで鍛え直すという考え方もあるとは思うが、それならそもそもこういう結果になる未熟さを球団は認識せずに昇格させたのだろうか。

交流戦が始まるから、という理由も説得力に欠ける。編成上の都合で上げたり下げたりするのは一般の選手に対しやることだ。清宮を将来の日本ハムを、いや球界を背負う選手に育成したいと考えるなら、もっと清宮本位に処遇を考えるべきだと思う。

「下でもう一度鍛錬し戻って来いよ」というのはちょっと違うと思う。そもそも何のための昇格だったのか、チト納得できない。マーケティング上の措置という側面もあったのだろうか。

Baseball Writer

福岡県出身で、少年時代は太平洋クラブ~クラウンライターのファン。1971年のオリオールズ来日以来のMLBマニアで、本業の合間を縫って北米48球場を訪れた。北京、台北、台中、シドニーでもメジャーを観戦。近年は渡米時に球場跡地や野球博物館巡りにも精を出す。『SLUGGER』『J SPORTS』『まぐまぐ』のポータルサイト『mine』でも執筆中で、03-08年はスカパー!で、16年からはDAZNでMLB中継の解説を担当。著書に『ビジネスマンの視点で見たMLBとNPB』(彩流社)

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