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【名古屋市】麻婆麺専門店は名古屋初!27年のキャリアを持つ中華のシェフが「泉味」を新たにオープン

羽矢旬良ライター(名古屋市)

1996年7月にオープンして以来、町中華の人気店として愛されてきた「味園(あじえん)泉店」。途中で屋号を「中華料理 泉味(いずみ)」に変更し、およそ27年間、周辺住民の胃袋を満たしてきました。そのお店にスタッフとして参加し、2005年から店長、2014年からはオーナーとしてお店を運営してきた大西さんがお店をたたみ、今年の6 月 24 日から新たにスタートさせたのが「麻婆麺 泉味(いずみ)」です。今回は、大西さんにお店の展望について話をお聞きしました。お店の看板メニューである「麻婆ラーメン」の調理風景も簡単にご紹介します。

カウンター席のみのこぢんまりとしたお店

お店は、地下鉄車道駅、JR千種駅からいずれも歩いて4~5分ほどの場所にあります。扉をあけると右側に大きなタッチパネルの券売機があり、食券を購入してオーダーするスタイル。食べ物のメニュー(今回訪問時)はとてもシンプルでした。

  • 麻婆麺(汁なし太麺/細麺)並盛880円 大盛1,000円
  • 麻婆ラーメン 並盛880円 大盛1,000円
  • 特製醤油ラーメン 並盛780円 大盛900円
  • 炒飯 並盛780円 大盛930円
  • 麻婆飯 並盛850円 大盛1,000円
  • 天津飯 並盛850円 大盛1,000円
  • その他 ギョーザ 唐揚げ トッピングなど

ワンオペでの営業なので、「まずは様子を見ながら」と少ないメニューでスタートしたそうです。席はカウンターのみ。店内は白と明るい木目が基調の柔らかい雰囲気といった印象です。

グランドメニューはシンプルなのですが、「炒飯に麻婆豆腐かけられない?」とか「もっと辛くして」といった注文には柔軟に対応しているとのこと。通うと自分だけの裏メニューなんかも作ってくれそうです。店主との距離が近くていいですね。

専門店としては名古屋初

大西さんが以前経営していたのは、中華料理を幅広くカバーしたメニューを提供し、座敷やテーブル席もある40席近いお店だったのですが、今回オープンしたお店はそれとは真逆ともいえる形態です。メニューを絞り込み、カウンター席のみのお店にしたのはなぜなのでしょう。

「『コレ』という理由がひとつだけというわけでなく、いろいろありますね。まず、麻婆麺専門店にしたのは、名古屋にはなかったから。東京や大阪にはあるのにね。前の店にもメニューとしてはありましたけど、なかなか注文が入らなかったのです。台湾酢鶏や青菜炒め、コブクロとか他にも人気メニューがたくさんあったから、それを食べたあとで麻婆麺までたどりつくお客さんはなかなかいないんです。『すごく美味しいのに残念だな』っていつも思っていました。麻婆麺はね、元々まかないとしてアルバイトの子たちがよく食べていたものです。美味しいのですが、ラーメンに麻婆豆腐を入れるとスープで薄まってしまうので、最初は商品化していませんでした。でも、美味しいからなんとかメニューに入れたいと思って、改良に改良を重ねてお店で出せるくらいにまで作り上げたのですね。そうした思い入れがある商品でもありましたから、これでスタートしようと決めました。慣れてきたらもう少しメニューを増やす予定です。」(大西さん)

なるほど。「よそにない自信作をもっとたくさんの人に食べてもらいたい」という気持ちから麻婆麺専門というお店に決めたのですね。大西さんが作る麻婆豆腐は一般的に提供されているものと違って、あまりいろいろ入れずに誰でも食べやすいよう工夫されています。辛さのレベルがリクエストできますので、辛いのが苦手な方でも大丈夫。また、にんにくは入っていません。お店の周辺はオフィスが多く、仕事の合間に食べに来てくれる人も多いからだそうで、そもそもお店にはにんにくのストックがないそうです。ですからギョーザにも入っていません。こうしたところにも独自の方向性を持っていることがうかがえます。また、提供する商品を構成する食材や調味料にもこだわっており、豆腐と麺は特注、しょう油は自家製なのだとか。

カウンター越しに見る調理風景

もっとお話をお聞きしたかったのですが、開店時間になりましたので、お店の一番人気「麻婆ラーメン」をオーダーして作っていただきました。

鍋に油をひき、ひき肉を炒めていきます。調理とは関係ないのですが、お店の雰囲気同様、大西さんも柔らかいイメージの方です。

豆板醤を入れ、ひき肉に色がついたところで焼酎が投入されると一瞬、激しい炎があがりました。

そのあと豆腐を入れ、調味料を加えながら煮込んでいきます。

牡蠣油を垂らし、片栗粉でとろみをつけたら麻婆豆腐は完成です。

次にラーメンです。麺を上げてスープに投入。

そこに先程作った麻婆豆腐を流し込み、ネギをトッピングして麻婆ラーメンが完成しました。

美味しそう!そしてボリューミーです。筆者がオーダーしたのは並盛でしたが、この並盛に使う麺の量は120g。大盛りは1.5倍の180gだそうです。

最初にスープを一口いただきました。コクのあるスープですが、クセがなく、のど越しに感じる辛みもやさしく抑えられていました。

次に麺をすすります。細麺にスープがよく絡んで美味しい。

自分の好みで味変できるよう、テーブルには花椒(ホアジャオ)や黒こしょう、酢が置かれていました。

夏場に汗をかきながら食べる麻婆ラーメンもいいですね。酢を入れるとさっぱりしてさらに食欲が増します。豆腐とひき肉でタンパク質がたっぷりとれますから、夏バテ予防にもなりそうです。筆者は並盛でもおなかいっぱいになりましたが、お客さんの中にはこれにライスを頼み、ライスに麻婆豆腐をかけ麻婆飯にして半分ほど食べ、ラーメンを食べた後のスープに残りのライスを入れて雑炊にして食べる人もいるのだとか。

今回は、カウンターのみのお店にした理由までお聞きできませんでしたが、お店のSNSで過去の投稿を見ていると、人手不足で苦労していた様子が伺えます。そういったこともあって、ワンオペで回せるこぢんまりとしたお店にしたのかなとも感じます。いずれにしても、このお店は絶対おさえておきたいお店ですね。間違いないです。あなたもぜひ、食べてみませんか。

店舗情報

店名:麻婆麺 泉味(いずみ)
住所:名古屋市東区筒井3丁目16-9 第9WING赤萩1F
電話:052-982-6533
営業時間:11:30~14:30 17:30~22:00
定休日:不定休
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ライター(名古屋市)

名古屋生まれの名古屋育ち、現在は近郊在住。ライトなものからディープなものまで、名古屋のリアルを主観を添えてお伝えします。

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