赤十字国際委員会局長、キラーロボットへの懸念を表明「人間の関与が必要」
赤十字国際委員会局長のYves Daccord氏が2019年1月に、自律型殺傷兵器(LAWS)やキラーロボットの登場に懸念を表明した。人工知能(AI)とロボットの発展によってロボットが自律して人間の判断を介さないで、ロボット自身が人間に攻撃を加えてくるキラーロボットの登場が懸念されている。
「近い将来、戦争の在り方を大きく変える」
Yves Daccord氏は「現在でも多くの無人機やAIを搭載した兵器があるが、それらは人間の判断を介して利用されている。だが、AIの急速な発展によって、ロボット自身が判断するようになって『誰を殺すのか』という判断を人間が行うことがなくなり、ロボットに人間が殺害されるという人道主義上の問題に発展していく。キラーロボットが登場すると、近い将来、戦争の在り方を大きく変え、倫理的な問題も検討しないといけない」と語った。
また同氏は「遠隔操作された無人兵器は、誰が標的かを遠隔地から人間が監視することができる。人間が攻撃に関与しないようになり、ロボットだけの判断で『誰を殺すのか』という決定を行うことになると戦争と人間の在り方は大きく変わってくる。現在、キラーロボットを規制するガイドラインや法律がないので、国際人道法の観点からも検討していく必要もある。どのようなキラーロボットや無人兵器でも攻撃を行う時には人間の関与が必要だ」とコメント。