【カタールW杯】韓国メディアに言われハッとした68年越しの「日韓歴代データ」
"E組全滅"がSNSで話題なのだという。
カタールW杯は7日にラウンド16最終日が行われた。ここでスペインがモロッコにPK戦で敗退。日本と合わせてE組から勝ち上がった国がすべて早期敗退したことにより「死の国って何だったの?」ということになっているのだ。
いっぽうで韓国のSNSでは昨日の結果を受け、こういった非公式のデータ(とはいえ根拠はある)が出回っている。
「AFC加盟国の最終的な順位」
9位 日本(ノックアウトステージでPK負けは公式記録上は「引き分け」。同結果のスペインはスコアレスで敗退のため)
11位 オーストラリア(同ステージの得失点差による)
16位 韓国
25位 サウジアラビア(グループステージの勝ち点などによる)
26位 イラン
32位 カタール
もはや余計な話だが、ラウンド16敗退国のなかで日本とスペインは同じくPK負けだった。上記の通り得点差で日本が上回るうえに、日本は「直接対決で勝った」。だから日本の9位は「間違いない」。でももう、この位置には飽きたか。
日本と韓国、W杯では「どっちが多く勝っている?」
非公式だが根拠あり、というデータはまだまだある。
筆者は大会期間中、韓国の有名記者のYouTubeに出演したが、あちらのスタッフからこんな質問をぶつけられ、逆に驚いた。グループリーグ最終節で両国がスペイン、ポルトガルに勝った後のことだ。
「今節の勝利により、日本は韓国と並んでアジアのW杯歴代勝利数で最多タイとなりました」
どう思いますか? と聞かれたがその瞬間は「えっ? そうなんですか」と逆に感心するしかなかった。
日本 W杯本大会での通算成績
7大会出場/7勝6分12敗
韓国もこの日、同ラウンドでブラジルに敗れた。結果、1勝1分2敗で総得点5失点8だったため、2022年W杯での「アジア最多タイ」が確定することとなったのだ。
韓国 同
11大会出場/7勝10分21敗
日本は2勝を挙げ、韓国は1勝にとどまったため「最多勝利数」で追いついた。
これ、考えてみるにじつに長い時間をかけてやっている「レース」だ。
韓国は1954年スイス大会で初出場を果たした。2022年に日本が追いつくまでにじつに68年かかったということになる。
日本は初出場(1998年)が韓国に遅れること44年だったが、そこから24年で追いついたのだ。
スピード、という点では確かに「日本は急成長している」。韓国は初出場から02年の初勝利までじつに48年かかった。日本は98年の初出場から02年の初勝利まで4年。そこから通算7勝を挙げ、24年間で韓国に追いついた。
別の観点からいうと、韓国にとってのグループリーグ最終節ポルトガル戦は「奇跡的なベスト16進出」のみならず「アジア最多勝」の牙城を護る貴重な勝利でもあったのだ。
日本が肉薄「各大会でどっちの成績がよかった?」
いっぽうでW杯での日韓対決では、こういったデータもある。
「各大会でどちらの成績がよかったのか」
日本 3勝
韓国 4勝
日本が猛追しているかたちだ。日韓両国の本大会出場が始まった1998年以降、両国の「成績対決」はこうだ。
98年 韓国(両国ともにGS敗退も、勝ち点で上回る※1)
02年 韓国(ベスト4)
06年 韓国(※1に同じ)
10年 日本(ともにベスト16進出も日本のみがPK戦にまで行ったため公式記録上はドロー※2)
14年 韓国(両国ともに同勝ち点でGS敗退も、韓国が得点数で上回る)
18年 日本(ベスト16)
22年 日本(※2に同じ)
今大会ではクロアチア戦の勝敗PK戦に及んだことにより「韓国を上回った」という結果を得た。
これも実に長い"戦い"だ。
韓国が久々のW杯本大会出場を果たした1986年を基準にすると、日本はW杯出場が「12年遅れた」。その間、ドーハの悲劇などがあり、韓国との差が縮まる時間は永遠に来ないようにも思えたが、まさに「あと一歩」というところに来ている。2010年代以降に関して言えば「日本の完勝」だ。
筆者自身これまで日韓比較論でこういった論調を報じてきた。
「日本は準備段階でいつもいい状態だった。アジアカップ優勝、コンフェデで活躍、アジア予選を無難に通過などだ。しかし結局は本大会の結果では韓国に負ける」
しかし、これも徐々に通じなくなってきている。本大会でも日本のほうがいい。まあ今大会に関して言えば印象度を含め「結局、この4年間日韓戦では圧倒したが本大会での成績はほとんど変わらない」との見方もできるのだが…。
ただし「最高成績」では依然として韓国の方が上回っている。いうまでもない、韓国は02年にベスト4という結果を残しているからだ。
「平均値は日本がいいが、トップオブトップは韓国に握られる」。いわばそういう傾向が見られるデータでもある。
この傾向は、W杯での歴代成績ではなく近年の欧州組の活躍ぶりの傾向でも見られる。
日本の方がプレーヤー数が多いが、韓国は00年代から2010年前半は「パク・チソン」、2010年代中盤以降は「ソン・フンミン」の活躍が目立つ。韓国では「日本のサッカーには安定性があるが、韓国は突発性でとてつもない結果を残す」という話をよく聞く。その傾向も確かに見られる今カタール大会での成績だった。