【札幌市中央区&白石区】橋の下で札幌を発見するシリーズ〜水穂大橋
最近楽器の練習をするために、夏季限定で水穂大橋の下で過ごすことが多くなっています。
持っていくのは、ホルン(ホーン)。ブリティッシュ・テナーホーン(ヤマハ製で最近購入)とフレンチ・ピストンホーン(セルマー製で数本交互に吹いてます。コルとも呼ばれます)です。
自宅から200m歩いたら、素敵な橋と堤防に囲まれた、時々野鳥や虫は飛んでくるけど音響がとても良い場所で練習できる札幌って良いなあと思いますし、豊平川の堤防はかなり分厚く、しかもたっぷりの自然に囲まれていますので、防音装置としてもある程度機能するようです。
水穂大橋の下で、こんな感じで練習しています。(動画の曲はラヴェルのなき王女のためのパヴァーヌ)
そんな数日を過ごしているうち、この水穂大橋について色々知りたくなり、少し調べたのでメモります。
舌を噛みそう。
この橋の形状は、バスケットハンドル型ニールセン系ローゼ桁橋というのだそうです。舌を噛みますね!
アーチリブ(弧を描いた部分)が上の方で中央に寄っている形のようですね。こうした橋梁の基礎知識はこれから勉強します!
この橋が成し遂げたこと。
この橋は明確なミッションを持って1986年に作られました。
それは、この橋によって南郷通りを延伸させ、街の中心部と白石区方面の交通を円滑にすること、です。
しかし、その完全な実現には少し時間が必要だったと、私は見ています。
思い出すのが、私が札幌にやってきた1996年のこと。
その当時、南郷通りは橋の開通とともに(1986年以前の仮の北端であった)菊水の五叉路から北3条東10丁目まですでに伸びていたとはいえ、多くの人が実質的な南郷通りのゴールは、五叉路から菊水を通って一条大橋を抜けるルートだととらえていたと思います。
まだまだ延伸された南郷通は今より整備されていなかったからです。元々ここにあったローカルな細い通り(1961年のマップには確認できる、もちろんまだ水穂大橋はない)をほとんどそのまま使っていたのかも知れません。
しかし時が経て、どんどん道は整備され、苗穂駅の移転によって、その駅前通りとしての機能も加わり、最近ではこの水穂大橋ルートが名実ともに南郷通りの北端になったと言えると思います。
水穂大橋ができたおかげで少し時間をかけて完成してきた南郷通の交通は、平和通りなどとともに札幌都心と白石区方面の交通をスムーズにし、1960年代には深刻な渋滞だった国道12号線の渋滞を緩和することに成功しました!
見上げると、電線。
というわけで、橋の下で練習開始です!
やがて、この橋の下を楽器練習中に見上げると、何やらパイプが何本も走っています。
これは、1986年の印字がある北電の、高電圧電線ケーブル管ですね。近くのでんでん橋や水道橋と共に豊平川を跨いだインフララインになっているのですね!
一方、この橋の下には電線以外のパイプは通っていません。雨水は地面に戻すシステム。シンプルかつエコ。
そして、境界線。
そして橋の下にいて気づいたのが、ここで草の刈り方が変わっていること。
横を見ると。
なるほど、ここの橋を境に上流を管理するのは札幌市、下流は北海道開発局になります。イメージとしては上流側は野鳥や植物をきちんとして市民生活の潤いとなる機能を持たせて、下流側は河川として豊平川をきちんと水路として防災などの観点から維持管理する、ということでしょうか?
それだけではない!
この水穂大橋の上流側には少しスペースがあり、おそらくは洪水の時に少し水をストックできるようになっていると思うのです。
2021年8月の大雨の記録です。サイクリングロードも浸水してきているものの、絶妙にコントロールされています。緑多い河川敷がかなり洪水の可能性を吸収しているようですね。
またシーズンにより、ここに大きな排雪スペースが作られます。これは2022/04/05です。
この水穂大橋付近は、交通の要であるとともに、橋の下にいると電気のやりとりをしていることや、防災や排雪という観点からも大きな意味を持っているのかな、と思いました。
春にゆるゆると溶けていく雪や、自然に落下する雨水、そして時たま発生する大雨の受け止める河原など、たくさんの水分を調節しているのが、この水穂大橋付近のエリアなのかなあと思いました。
9月半ばまで札幌にほとんどいますので、チャンスがあれば、他に橋の下にも行ってみて、楽器の練習をしながらそれぞれの音響の違いを楽しみながら、橋の下にいるからこそ気づくことを見つけて、またレポートしてみたいと思います。というシリーズものにできたら。。。いいなあ。
ちなみに水穂大橋の下の音響は、スチールがよく響いてエコーも聞こえ、気持ちが良いです。
★水穂大橋
場所: 東橋と一条橋の中間
長さ:150m
完成:1986年