青年将校との最後の戦い、ツァボの人食いライオン
野生動物が人間を襲撃する事件はしばしば起こっており、時として動物の犠牲になる人間もいます。
その中でもツァボの人食いライオンが起こした襲撃事件では、多くの人が犠牲になったのです。
この記事では青年将校と死闘を繰り広げたツァボの人食いライオンについて紹介していきます。
最後の戦い
一頭目のライオンが撃たれた数日後、もう一頭のライオンが鉄道監督官のバンガローを狙い、ベランダを徘徊するという恐怖の夜が訪れました。
しかし、監督官はその物音を酔っぱらった労働者が立てていると勘違いし、ライオンに気づくことなく無事だったのです。
ライオンはヤギを2頭襲って空腹を満たすことに留まりました。
翌日、パターソンは鉄製の小屋で見張りを行うことに決めたのです。
ヤギを囮にしたものの、ライオンはヤギをレールごと引きずり去り、パターソンが発砲してもその姿は闇に消えてしまいました。
それでもパターソンは諦めず、ライオンが再び獲物を求めて戻ってくると予測し、足場を組んで待ち構えました。
疲れ果てた彼は、マヒナと交代で見張りを続けたものの、夜中にライオンが再び現れたのです。
パターソンは冷静にライオンを狙い撃ちしたものの、致命傷には至りませんでした。
しかし、傷を負ったライオンは岩場に姿を消し、追跡は一時断念されることとなりました。
その後、パターソンたちはしばらくライオンの姿を確認できず、ライオンは死んだのではないかと推測します。
しかし10日後にライオンが再び現れたのです。
作業員たちの叫び声に目を覚ましたパターソンは、暗闇の中では有効な攻撃はできませんでした。
翌日、パターソンは作業員たちが隠れていた木に陣取り、再びライオンとの対決を迎えることになったのです。
運命の夜、月が明るく、ライオンの姿を確認できる状況でパターソンは待機していました。
午前2時過ぎ、ライオンが草むらを利用しながら接近してくるのを見つけます。
パターソンはじっと待ち、20メートル以内まで近づいたところでライオンの胸を狙い撃ちしました。
ライオンは唸り声を上げ、逃れようとするものの大怪我を負います。
翌朝、ライオンの血痕を追ってパターソンたちは進み、やぶの中で威嚇するライオンを発見します。
最後の戦いが始まり、ライオンはパターソンに立ち向かおうとするものの、銃弾がその動きを止めたのです。
ライオンは一度倒れたものの再び立ち上がり、最後の力を振り絞って攻撃を試みるも、致命的な銃弾がライオンの命を奪いました。
パターソンが恐る恐るライオンに近づくと、ライオンは一瞬だけ反応を見せました。
しかしついに力尽き、パターソンの目の前で息絶えたのです。
ライオンの口には折れた枝がしっかりとくわえられ、その姿はパターソンにとって勝利の証となりました。
この一連の戦いは、人間の勇気と執念、そしてライオンの野性がぶつかり合った壮絶な物語です。