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「行政書士試験」申込受付スタート! 行政書士活用術~「好き」や「実績」を「仕事」にしやすくする資格

竹内豊行政書士
行政書士試験申込がスタートしました。行政書士の資格の活用術をご紹介します。(写真:イメージマート)

本日9時から令和4年度の行政書士試験の申込が始まりました(詳しくは、一般財団法人行政書士試験研究センターのホームページをご覧ください)。

「行政書士」と聞いてもピンとこない方がほとんどだと思います。そこで、行政書士制度の紹介と行政書士の資格の活用方法について私見を述べたいと思います。

法律系の国家資格

行政書士は、法律系の国家資格です。試験は年に1回で今年は11月13日(日)に行われます。合格率はここ数年10パーセント台をキープしています。試験範囲は広範囲におよびますが、たとえば、「難易度の高い商法を捨てる」といった戦略を練れば短期合格も可能です。なお、昨年度の試験結果は以下のとおりです。

出願者数 61,869人(54,847人)

受験者数 47,870人(41,681人)

合格者数 5,353人(4.470人)

合格率  11.18%(10.7%)

合格者平均点 198点(195点)

最年長合格  82歳

最年少合格  14歳

※カッコ内は前年度

行政書士の業務

行政書士の業務は、行政書士法に「官公署に提出する書類その他権利義務又は事実証明に関する書類を作成することを業とする(ただし、その業務を行うことが他の法律において制限されているものについては、業務を行うことができない)」と規定されています(行政書士法1条の2)。

行政書士の特徴~分野不特定の一般法律職

このように、行政書士の業務範囲は「官公署に提出する書類その他権利義務又は事実証明に関する書類を作成する」といったように特定されておらず(つまり、分野不特定)、広範におよびます。つまり、「分野不特定の一般法律職」といえます。この「分野不特定」ということが分かりにくい存在の原因と考えられます。

なぜ「分野不特定」なのか

行政書士のルーツは1872(明治5)年に定められた司法職務制定に見ることができます。司法職務制定では、「証書人」「代言人」そして「代書人」の民間法律職が規定されました。証書人は公証人、代言人は弁護士、そして代書人は行政書士へとなっていきます。代書人は行政書士となる過程で、弁理士、通関士、司法書士、海事代理士、税理士、建築士、公認会計士、土地家屋調査士、社会保険労務士といった「分野特定の専門法律職」を生み出しました。そして、これら分野特定の法律専門職の業務以外の「その他の業務」を行政書士の業務としました。その結果、業務範囲が広範にわたり、分かりにくい存在になったという成り行きです。

行政書士が行っている「具体的」な業務

このように行政書士の業務範囲は広範囲にわたりますが、全ての業務をこなせる行政書士は存在しません。実際は、各自「専門分野」を土俵に業務を行っています。

具体的な業務は、日本行政書士会連合会が全国の行政書士を対象に報酬額の調査を行った報酬額の統計をご覧ください。約400の業務実績が掲載されています。

行政書士の活用術~「好き」なことや「実績」を「仕事」にするためのツールとして活用する

「好き」なことや社会経験で培った「実績」を仕事にしたいとお考えの方にとって、行政書士の特徴である「広範囲の業務」は利用価値があります。例えば、動物愛護に関心がある方には、動物愛護法に関連する業務があります。環境問題に仕事で実績がある方には環境法が山ほどあります。

行政書士の資格をもっていれば、単に「好きなことや実績を仕事にした」に比べて、「法律系の国家資格有資格者」という信頼が加味されるので相手(見込み客)から受け入れられやすくなるので仕事につながる確率が高くなります。

行政書士試験まで残り約100日です。戦略を練って試験勉強に取り組めば今からでも合格は可能です。興味がある方はぜひチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

※参考文献 遠田誠貴 著『99日で受かる!行政書士試験最短合格術』(税務経理協会)

行政書士

1965年東京生まれ。中央大学法学部卒業後、西武百貨店入社。2001年行政書士登録。専門は遺言作成と相続手続。著書に『[穴埋め式]遺言書かんたん作成術』(日本実業出版社)『行政書士のための遺言・相続実務家養成講座』(税務経理協会)等。家族法は結婚、離婚、親子、相続、遺言など、個人と家族に係わる法律を対象としている。家族法を知れば人生の様々な場面で待ち受けている“落し穴”を回避できる。また、たとえ落ちてしまっても、深みにはまらずに這い上がることができる。この連載では実務経験や身近な話題を通して、“落し穴”に陥ることなく人生を乗り切る家族法の知識を、予防法務の観点に立って紹介する。

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