<ガンバ大阪>遠藤のゴールで先制するも、後半追いつかれてドロー。
スルガ銀行チャンピオンシップ2015に出場するため、前倒して行われたJ1リーグ6節の『ガンバ大阪VSサガン鳥栖』戦。ここ2試合、先制しながらも白星を奪えない試合が続いているG大阪は、この日も、39分にMF遠藤保仁がPKで先制点を奪うが、後半、71分に鳥栖のFW鎌田大地にゴールを許してしまう。その後も、追加点を目指して果敢にゴールを目指すも、ゴールネットを揺らすことは出来ず、1−1の引き分けで試合を終えた。試合後のガンバ大阪監督、選手のコメントをお届けする。
●長谷川健太監督
今日も先制する展開の中で勝ち切れなかった。サポーターに勝利をプレゼントしようということで、選手にも「今日もアグレッシブに戦っていこう」と話していた。後半の入りももう一度、しっかり試合に入っていくことと、2点目をみんなで獲りにいこうという話をしたのですが、なかなか、後半の入りテンポが上がらなかったと思います。そういう中で連戦ということもあり、中盤で今野のアグレッシブさをいかして、よりイニシアチブをとろうと投入したのですが、その矢先に失点してしまった。そのあと倉田をボランチに落としてからはテンポがあがり、終盤は形も決定機も作れたが、今日は2点目がとれなかった。ただ、当然ながら選手もホームでの勝利に拘ってた戦ってくれたし、そういう姿勢を今日も最後までピッチでみせてくれたと思っています。いま、なかなかいま勝利が積み上げていけない時期ですが、ここで踏ん張って、次からアウェイ、アウェイと中2日と中3日で2つと続きますが、チーム全員で力をあわせて、今のもどかしい、苦しい時期を乗り越えて強いガンバになっていくように2日間ですがしっかり準備していきたいと思っています。
ー後半テンポが上がらなかった原因は?
中盤でのボール回しだったり、前線の選手も仕掛けの部分はありながらも、とられ方が悪くてカウンターを食らったり、若干そういう部分もあったのかなと思います。
ー鳥栖は豊田選手がいない中で、システムを変えて臨んで来た。そのへんの予測、準備はどうだったのでしょうか?
3バックでやってくるとは全く思っていなくて、始まってみて3バックだと知りました。ただ、散々3−6−1の相手とは戦っていますし、そういう意味では選手も冷静に戦ってくれたと思います。良いときというのは、ああいう貴史の仕掛けにしても…PKだったと思うのですが…判定の部分でもこちらに優位に転がってくるものですが、なかなか2点目が取れない部分で今日は…というか、今日も、判定が微妙に自分たちの方に転がってこないなというところはあった。ただ、こういう時期もあるし、逆にそういう判定で勝つこともあると思いますから、そこは言いっこなしだと思っています。そういう意味では、前半1点獲ったあと、2点目を獲るチャンスも作っていたので、相手が3バックだから攻めあぐねたということでもないと思います。また、豊田がケガで出場しない中でしっかり油断せずに入ろうという話は何人かの選手にはしていて、選手もアップから意識してやってくれたと思うので。逆に鳥栖は割り切って守備をかためよう、カウンターで一発狙おうと、いうところで、豊田がいない分、チームとしてまとまっていたと思います。相手がまたビハインドを負っている中で4バックにかえてくるだろうということも予測していたと考えても、今日は2点目をとれなかったことが試合に勝てなかった理由だったと思います。
ー倉田選手の復調は引いた相手にはポジティブな材料だと思いますが。
そうですね。秋も4連戦でっぱなしで疲れはあると思いますが、ああいうアクセントをつけてくれる選手が復調して来たのは、チームにとっていいことだと思っています。
ー攻撃で改善すべきところは?
全くチャンスが作れていない訳でもないし、昨年のようにシュートが打てていない訳でもないので。先制点も獲っていますしね。なかなか勝ち切れない試合が続いていますが、前半戦、苦しい時に守備が非常に踏ん張って0で抑えて勝った試合もあるし、今は噛み合わせがうまくいっていないだけなので。攻撃陣が全くノーチャンスなら考えないといけないですが、サイドの選手で復調の兆しが見える選手もいるし、FWも点が獲れているので、攻撃で新たに何かということはないのかなと思っています。今日の失点シーンもクイックでいかれて、そこで若干集中力が欠けて相手の対応に遅れをとったというか…ロングスローもあるかもしれないということもあり、一瞬集中力を欠いた部分もあると思う。前節も最後の部分で、2−0になって若干3点目を取りに行くパワーがなく、一瞬のすきをつかれた部分もありましたが、やはり勝つためには最後まで集中を切らさずに、相手ゴールを目指して行く姿勢を常に持ち続けて戦って行く必要があると思っています。
●倉田秋
今日もアグレッシブにいこうという話をしていて、いけている部分もありましたが、やっぱり追加点が獲れていれば、試合は決まっていたと思うので。1点で満足せずにもっと点を獲りに行く姿勢をみせなくちゃいけないなと思いました。(失点シーンについて)ロングスローを警戒して、ポジションが甘くなったというか、自分もボールをみずに、自分のポジションに戻るという感じにしちゃったので、そういう隙をみせると鳥栖はそういう隙をつくのが巧いチームだし、それは分かっていたことだっただけに、もったいない失点だったと思います。
●遠藤保仁
内容からすれば勝たなきゃいけない試合だった。一瞬集中力が切れたような感じがあったので、最後まで集中してやらなくちゃいけない局面でした。あと追加点が獲れればという感じだったと思うので、内容は改善されているとは思うんですが、ツメの部分でもう少し精度が必要かなと思います。(相手がシステムをかえてきた。予測は?)特に何も。かといってやりづらいこともなかったですし、前半からしっかりボールはキープできていたと思うので、あまり相手の出方に対しての驚きはなかったです。(5バックのような感じでしたが、それで攻めあぐねた感じはありましたか?)一番はダイレクトにゴールを目指せればいいんですが、それは相手も警戒している部分だったと思うので。ただ裏も何回かとれていましたし、細かいパスから最後の仕掛けでPKもとれたし、相手は引いてはいたけどやりづらさはあまりなかったです。
ー追いつかれている試合が続いていますが、そのへんのメンタル的な影響はあると思いますか?
そうですね。勝ち点1は追いついても追いつかれても一緒ですが、3試合とも勝てたというか、もったいない試合が続いているので「もったいないな」っていう気持ちはありますが終わった事は仕方がないので、切り替えてやっていくしかない。同じ過ちを二度も三度も繰り返しているようではなかなかチャンピオンにはなれないと思うので、1プレー1プレーだったり、ボールが出た時の集中力はもう少し個々が考えながら声を掛け合ってやっていかないといけないと思います。
ー後半に失点が多いのは連戦の影響もありますか?
今までは自分たちがさがりすぎていたっていうのが大半の原因でしたが今日に関しては、ボールが切れた瞬間に止まってしまったのが一番の原因だからこそ、最後までプレーをやめないっていう部分と、今までの、ボールを獲る位置が低いというのが改善されれば後半の失点もなくなると思う。そのへんは更に意識を高めてやっていく必要があると思います。
ー先発メンバー4人ほど入れ替えて、遠藤選手も70分くらいで交代になった。そのへん監督からは何か話があったのでしょうか?
ハードスケジュールですからね。うまく選手を休ませながら、かつ誰が出てもいいパフォーマンスを出せるという自信もあると思うので。今日も決して悪い内容ではなかったと思うし、監督の判断なので、それに対して何かというのもないです。休ませる選手は休ませて、いいコンディションを整えながら試合に向かっていこう、という考えも監督の中ではあると思うので。その中で今日勝ち切れなかったのは残念ですが、先発が代わって、代わった選手も良いプレーをしていたし、こういう試合で勝ち点を積み上げていければ、連戦も20人前後でまわしていけると思うので、そういう自分たちにとってのいいメリットを増やしていきたいと思います。
●丹羽大輝
失点した、あの一瞬だけだったと思います。他の場面はみんな集中していたし、本当にあと一歩のところまで勝ち点3はきてるので。本当に粘り強くやるだけだと思う。全然悲観する内容ではない。今日はボールも動かせていたし、攻撃でも守備でも主導権を常に握りながら試合を戦えていたし、僕たちが90分間、ゲームをコントロールできていた。だからこそ、本当にあとは勝ち点3をとるだけかな、とは思います。(失点シーンについて)少し誰がっていうより、全体がふっと切れた瞬間にやられてしまったので。あそこは本当に見えている選手が、気づいた選手が声を掛けてやれば全く問題なかったし、「危ないぞ」って誰かが言って、誰かがつけばいいだけのシンプルなシーンだったと思うので。声を掛け合って防げる場面だったと思います。
ー追いつかれている試合が続いていることが気持ちの面で重くなっていることもあるのでしょうか。
名古屋、横浜FM、鳥栖と内容的にはあがってきていると思うし、あと少しのところまできていると思うので。今日もあと一歩のところで勝ち点3をとれていたと思う。本当にあの1本だけでしたし、声をかければ問題なかったと思う。だからこそ、神戸戦もこのサッカーを続けて戦えれば勝ち点3は目の前にきているはず。ぶれずに、もう一度みんなで力をあわせてやりたいと思います。
ー鳥栖の豊田選手が出て来ないのは予想していました?
いや知らなかったです。ただ、誰が出ようが自分たちのサッカーは変わらないので。あまり気にせずにやっていました。相手は引き分け狙いというか、0−0で引き分けOKという雰囲気でしたし、1−1で引き分けた瞬間も全員へばって、地面に倒れて勝ったかのような雰囲気だったと考えても、相手は確実に引き分け狙いだったのかなとは思います。そういう意味では悔しいというか、ちょっとした隙をつかれただけなので悔しいですが、もうひと踏ん張れり出来れば次は勝ち点3を獲れると思うので。次の神戸戦ではこの3試合の教訓をいかして勝ちたいと思います。