ケニー佐川が勝手に決める「2021モーターサイクル トップ5」国産モデル編
コロナ禍に揺れた2021年ですが、皆さんにとってどのような年だったでしょうか。今年を締めくくる意味で恒例のランキングを発表します。
2021年に発売されたニューモデルの中からWebikeニュース編集長のケニー佐川が独断で勝手にランキング。話題性や注目度、テクノロジーや社会的インパクトなどを総合的に評価したつもりですが、あくまでも感覚的なものなので楽しみながらご参考にしていただければと。ちなみに発売前モデルは除外。では国内モデル編から発表します。
第1位「HONDA GB350」
伝統の名と共に蘇った新時代の空冷シングルの鼓動
80年代に一世を風靡したGBの名が時を超えて復活。経験やスキルを問わずバイク本来の「自由」を楽しむためのモーターサイクルとして再定義された。真骨頂はやはり空冷単気筒SOHCエンジン。
1発ごとの心地よいパルス感と腹に響く排気音のハーモニーが絶妙、まさにザ・シングルである。前後19/18インチと“殿様乗り”ライポジによる大らかさが気持ち良く、それでいて弾ける低中速トルクを生かしたダイナミックな走りも楽しめる。多くの外装パーツがスチール製というこだわりも熱い。
古き良き時代、忘れていた懐かしい感覚が蘇ってくる、そんなバイクらしいバイク。多難の時代にほっこりできる相棒という意味でも今年のナンバーワンだ。
第2位「SUZUKI Hayabusa」
熟成を重ねオトナが痺れる超速快適マシンへと昇華
圧倒的な動力性能と優れた空力によって300km/hの世界を現実とし、20世紀最後の最速マシンとして衝撃のデビューを飾った初代ハヤブサから20年。第3世代となる新型では「アルティメットスポーツ」のDNAを継承しつつ、エンジンから車体のすべて見直すとともに最新電子制御を投入。
同時にスズキ量産モデルで最高レベルの空力性能と快適性を実現した。そこに居るだけで見る者を黙らせる圧倒的な存在感はそのままにディテールの上質感もアップ。十八番の初期加速では従来型を凌駕するなど、スペック第一主義ではないところで勝負しつつも実質的には従来型をすべての面で超えてきた。
まさに成熟した大人のための究極のスポーツバイクである。
第3位「HONDA GROM」
待望の5速化で走りの楽しさアゲアゲの小さな巨人
がらりとデザインを変えてカスタムテイストを全面に押し出してきた三代目グロム。完全新設計のエンジンは最高出力アップとともに5速化することでギヤチャンジを駆使したよりスポーティな走りを実現。ABSを標準装備しギアポジション表示も追加するなど安全性と使い勝手もアップ。
シート形状やステップまわりのデザインも一新されるなど徹底的にアップグレードされた。ロンストらしいトルクフルさでコーナー立ち上がりも速く、5速化のおかげでパワーバンドキープのレーシーな走りも可能。より攻めせれるマシンへと走りも進化した。
街乗りはより楽しくサーキットはより楽にタイムを稼げる仕様へ。4ミニの楽しさを押し上げた功績は大きい。
第4位「YAMAHA TRACER9 GT」
走りの良さに“旅力”大幅アップの本格派GTマシン
「多目的戦闘機のようなバイク」をコンセプトに機動力と積載性能を大幅に高めたスポーツツアラー。最高出力120psを発揮する高トルク型直列3気筒エンジンを新設計の軽量フレームに搭載。4種類の走行モードや6軸IMUによる姿勢制御に加え、スポーツ性と乗り心地を両立する電子制御サスペンション「KADS」を新採用。
他にもクイックシフターやスリッパー&アシストクラッチ、グリップヒーターを標準搭載するなど長距離ツーリングを安全・快適に楽しむための最新装備をテンコ盛り。
ダンパー内蔵ステーを採用した3バッグシステムがフル積載でも安定した走りを実現するなどヤマハの本気度が伝わってくる、まさに至れり尽くせりの旅バイク。
第5位「KAWASAKI Z H2 SE」
カワサキの最先端を詰め込んだZ系フラッグシップ
量産市販車世界最速を誇るNinjaH2からカウルを剥ぎ取りシンプル化されたコンパクトなボディに、200psを発生する水冷直4ユニット+機械式過給機を組み合わせたスーパーチャージドエンジンを搭載したZ系フラッグシップマシン。
アクセルを開ければ意識が遠のくような爆発的加速を味わえる一方で、街乗りから楽しめる軽快な扱いやすさも魅力だ。加えて、SEには路面や走行状況に合わせてリアルタイムで減衰力を調整するKECS(カワサキ電子制御サスペンション)を搭載。
スカイフックテクノロジーの注入により、まるで空中から車体を吊られているような安定した走りを実現するなど、今のカワサキの最先端を詰め込んだ一台である。
※原文より筆者自身が加筆修正しています。