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【富田林市】特に今年は考えたい戦争のこと。今年もすばるホールで平和と戦争展を開催!初日行ってきました

奥河内から情報発信奥河内地域文筆家(河内長野市・富田林市)

今年はロシアがウクライナに侵攻し、残念ながら現在も戦争が続いています。そんな中でも日本の8月といえば、2回の原爆投下と終戦記念日があるため、毎年戦争について考える月になっているのは周知の事実。

富田林市で38回目となる「平和を考える戦争展」が、今年も8月14日まですばるホールで開催されています。初日に当たる昨日、どんな雰囲気なのか実際に見てきました。

すばるホールは、今足場を組んでいて外側の工事をしています。

そのためいつもなら外階段を上がって正面のホールに行きますが、今回は横の通用口から入りました。

いつもとは違う駐車場を経由しています。そのため私はうかつにもここが地下1階と思い込んで、帰りに地下1階に行ってしまい迷いました。ここは1階ですので、帰りの時に間違えないようにしましょう。

平和を考える戦争展は3階の展示室で行われています。

3階までエレベーターで上がると、このように会場がすぐわかるようになっています。

戦争展に常駐されていた市の担当者の方によると、1981(昭和59)年に富田林市議会が採択した「富田林市非核都市宣言」の翌年から、平和と戦争展が始まって毎年開催されており、今年が38回目となるとのこと。

関連しているモニュメントのひとつ、富田林北口駅前の昴です。

もうひとつがこちらの津々山台公園にある平和の番人という像です。

さっそく会場に入ってみましょう。ご存じだとは思いますが、念のため入場無料です。

ということで中に入りました。担当者の方の話では、毎年行われる通常展と年ごとに内容が変わる企画展で構成されています。こちらは企画展のひとつで、沖縄戦に関する特集です。

今回は記事を書くという条件で、市の担当者から撮影許可をいただきました。実際に撮影可能かどうかについてはご確認ください。

沖縄戦に関する情報が非常に細かく展示されています。

動画視聴コーナーがあります。これは沖縄戦の記憶として、当時子供だった人たちのインタビュー、子供たちが動員され集団疎開をしたことについて、実際に経験のある方の証言を紹介しています。

こちらの内容はとても興味深かったです。当時の台湾は日本領だったために、沖縄から台湾に疎開するというパターンもあったようです。

当時の遺品もいくつか展示されています。

毎年の平常展としては、原爆に関することと戦争時の富田林についての展示です。

こちら原子爆弾が縮小タイプで展示しています。1/2スケールとのことですが、実寸が倍あったとしても、それが、あれだけの惨劇を生んだと考えると、やはり核兵器は怖いですね。

訪問したこの日は、たくさんの人が見学に来ていて、それも若い人や子供たちの姿がありました。そんな子供たち向けにこのようなクイズ形式で戦争を知ってもらおうという試みです。

こちらは戦時下の富田林の様子です。当時、富田林に住んでいた方から寄付された品々が展示してあり、非常に興味深いものでした。

生々しい品々の数々。

当時の食事についての説明がありましたが、この中にも興味深いものを見つけました。

それはこちらです。富田林の戦時中では、かつて楠木正成が城に籠城して戦った時に食べていたという楠公飯(なんこうめし)も食べられていたんですね。

大阪府としては、大阪市内を中心に大空襲があったようですが、画像の資料を見る限り富田林は郊外にあったために大きな空襲はなかったようです。

富田林は安全な場所として疎開地の受け入れ先だったそうでしたが、やはり終戦直前には爆弾の投下や機銃掃射(機関銃で上から下に向けて射撃)された記録、それによる被害状況が綴られています。

被害そのものは他地域と比べ比較的少なかったようですが、当時は楠木正成が異常に神格化されたことを裏付けるような記録が残っています。

戦時中の1942(昭和17)年に、今の富田林の原型となる合併があったというのも興味深いですね。

富田林市内における戦争展示の奥には、もうひとつの企画展「テレジン収容所の幼い画家たち」というコーナーです。

テレジン収容所は現在のチェコ共和国にあり、ナチスに捕らえられたユダヤの子供たちが虐殺で有名なアウシュヴィッツに連行される前に、ここに収容されていたそうです。

展示されている絵画は意外にも、日本の埼玉で保管されている物だそうです。

今となっては貴重な絵の数々ですね。

実際の体験者の生々しいインタビューもあります。

収容所での絶望の日々に、育てたというテレジンの木を戦争展内で再現。メッセージを書いてもらうところになっています。

富田林の小学生が平和と戦争をテーマに描いた絵画も展示されていました。

戦時中、食料がないために代用された食料を使ったレシピや英語が禁止されたことで代用された言葉なども紹介されています。

市が所有している平和ビデオが上映されていたり、

昭和の遊びコーナーがあったりします。

ただ悲惨さを伝えるような難しい内容だけでなく、楽しみながら戦争について考えていこうということ。そのためか本当に小さな子供たちの姿が多いのが印象的でした。

「今年は初日から結構多くの人が来ていると」市の担当者の方のお話。特に今年はロシアとウクライナの間で現在進行形で戦争状態になっていることもあり、平和と戦争に対する関心が例年以上に高いのかもしれません。

「このことに触れないわけにはいきませんから」と、2022年のロシアによるウクライナ攻撃のボードは急遽作られたそうです。

ということで最後にアンケートに記入して帰りました。「戦争が悪」「平和が大事」といったキーワードはありきたりのようには感じますが、やはり年に一度考えるべきテーマであることは間違いありません。

ちなみに今日明日の2日間は、4階の銀河の間にて平和記念講演会やイベントが行われます。

1、平和記念講演会

  • 8月13日14:00~15:30 テレジン収容所の子どもたち(講師:野村路子さん)
  • 8月14日14:00~15:30 沖縄県の本土復帰50周年記念講演~「違和共生社会」を目指して~ (講師:金城肇さん)

2、子供向けイベント

  • 8月13・14日両日 11:10~「映画:パウ・パトロールザムービー」上映
  • 8月13日 10:10~ 人形劇団Zooっと 人形劇「おしょうさんとこぼうず」「かっぱときゅうり」
  • 8月14日 10:15~ 超新星☆スバルファイブ「ヒーローショー」
  • 8月14日 10:35~ マジッククラブ スマイル「マジックショー」

14日にはあの超新星☆スバルファイブも登場!イベントで楽しみながらも、本題である平和と戦争についてもう一度考える機会にしたいところです。

すばるホール「平和を考える戦争展」
住所:大阪府富田林市桜ケ丘町2-8 すばるホール3階
展覧時間:9:00~17:00 ※8月14日まで開催
展覧料:無料
アクセス:近鉄川西駅から徒歩10分
     レインボーバスすばるホール(総合福祉会館)バス停すぐ

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奥河内地域文筆家(河内長野市・富田林市)

河内長野市の別名「奥河内」は、周囲を山に囲まれ3種類の日本遺産に登録されるほど、歴史文化的スポットがたくさんある地域です。それに加えて、都心である大阪市中心部に乗り換えなしで行ける複数の大手私鉄(南海・近鉄)と直結していることから、新興住宅団地が多数造成されており、地元にはおしゃれな名店や評判の良い店なども数多くあります。そして隣接する富田林市もまた、歴史文化が色濃く残る地域。また南河内地区の中核都市として、行政系施設が集まっています。これを機会に、奥河内(一部南河内含む)地域に住んでいる人たちのお役に立つ情報を提供していければと考えています。どうぞよろしくお願いします。

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